生成AIの登場とイーロンマスクの予言

 文部科学省は、2027年度から全国の高校で使用される教科書の検定結果を公表した。学習指導要領に基づき、生成AIや情報リテラシーに関する記述が様々な教科で取り上げられる。

 生成AIは「0から有」を創り出す仕組みで、画像や文章をコンピューターに聞くと目的に合わせたものを創ってくれる。生成AIはすでに社会に浸透しており、様々な教科で取り上げられることになる。

 イーロン・マスク氏がメディアを通して、人工知能の進化と人類の未来に関する最新の予測を明らかにした。それによると、2026年の汎用人工知能(AGI)到達を起点とし、2030年までにAIが人類の知能を上回る時代(ASI)が到来すると語った。

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 人工知能(AI)が人類の知能をしのぐようになると、知的労働や肉体労働がすべてAIとロボットに置き換えられ、労働コストの消滅による「究極のデフレ」が発生、最終的にはモノやサービスが無尽蔵に手に入る「豊穣の時代」が到来し、人類の知的活動の終焉を予言している。

 最終段階では、人類の歴史的使命は自らよりもはるかに高度なデジタル超知能を起動させるための「スイッチ」であると定義する。人々の関心は自発的な趣味へ移り、圧倒的なAIの計算能力を用いた無限の学習やエンターテインメントの享受する世界が訪れる。

 その時に初めて人類は真の意味での生きる意味を問われることになる。そしてこの宇宙の謎や生命の意義を探求する知的好奇心の追求にこそ、人類は新たな生きる意味を見出していくことになる…というものだ。

 我々は来たる時代に対してどのような準備をすればよいのだろうか。

 AI時代を生き抜く鍵は「判断力」を磨く勉強

 人類は最終的には知的な情報量や思考・判断はAIに負ける。マスク氏は人類にできるのはスイッチの役割だという。何のためにいつスイッチを入れるかである。

「AI失業」も取り沙汰される昨今、今後の社会で生き残る鍵は何か。IT業界に詳しい経営コンサルタントに話を聞いた。

 これまで新入社員がやっていたレベルの仕事であれば、AIで代替できるようになってきていく。例えば、議事録や経理処理、企画の100本ノックなど、AIができる領域が増えてきている。今後もますます高度な仕事ができるようになっていく。

 しかし、便利さにかまけて、無分別にAIに仕事を任せるだけの姿勢では、文字通り「AIに代替される」存在になってしまう。

 AI時代にも必要な"管理職のスキル"

 というのも、仮にAIを使って仕事ができる領域があったとしても、それは本来、"管理職のスキル"が求められる仕事だからだ。

 AIは「高学歴で情報処理能力は桁違いに高いけど、仕事そのものについては何も知らない新入社員」のようなものだ。そのため、上司が部下を使う要領が必要となる。

 例えばプログラミングの世界では、AIに様々な作業を割り振り、たくさんの"小人さん"が働いているような仕事スタイルになってきている。しかし、仕事の全体設計自体は、人間がしなくてはいけないと言われている。また、AIが思わぬ方向でプログラムを書いてくることもあり、それを修正させる必要がある。書いたものが機能するか、テストさせる必要もある。そこには、ベテランの経験と勘が必要だ。

 何より、最後に責任を持ってその仕事に「マル」を言うのは人間であり、それはまさに管理職の仕事。

 つまり、それだけの見識を身につける努力が要請される。見識をつけるために、安易にAIにさせてはいけない下積みが何かを、それぞれの立場で見極める重要性が高まってきている。

 AIに「ダメ出し」できるくらいの勉強が必要

 中でも大事なことは、「判断軸を身につけるための勉強」。

 例えばデザインの仕事では、昔は「上手に細かい線が引ける職人的スキル」が求められていましたが、その後「上手にデザインソフトをいじれるスキル」に移行した。AIの導入でそれがどう推移していくかは、未知数だ。

 しかし、「どういったデザインがカッコいいか」を判断する能力は変わらず必要。見る目を養うために、いいデザインを大量に見るといった、感性や基本セオリーを身に着ける努力が求められる。

 あるいは、「仕事として高度な判断をどうすべきか」「どうすれば人がついてくるか」といった問題について判断するための勉強には限りがない。それはAIで情報検索をしても分かるものではなく、極めて言語化しにくいものだ。ビジネス書や古典、宗教書を何度も繰り返し読み、自分の血肉にするといった努力や、人生経験を重ねる中で、自分なりに掴み取っていかなければならない。

 こうした訓練や、深い勉強を重ね、AIに「わかってないな、お前」と"ダメ出し"できるくらいにならなければいけない。この努力を怠れば、今後は生き残ることができず、AIに使われる側になってしまう。

 AI技術の進歩で、社会が便利にもなる反面、ある意味で、二極化が加速する厳しい社会になるだろう。人間にしかできないスキルを磨き続けることが大切だ。

 具体的な人間に必要なスキル

 AI時代を生き抜くには、AIに仕事が奪われると恐れるのではなく、「AIを使いこなす側」に回り、人間ならではの「創造性」「共感力」「問いを立てる力」を磨くことが必須。

 AIへの指示力(プロンプト力)と、批判的思考(クリティカルシンキング)を身につけ、スキルを常にアップデートし続ける適応力が、これからの時代を勝ち抜く鍵となる。

 具体的な生き残り戦略とスキルをあげておく。

1.AIの活用スキル(AIリテラシー):  ChatGPTなどの生成AIツールを、業務効率化やアイデア出しのツールとして使いこなす。

2.人間ならではの能力の向上: 創造性・企画力: 0から1を生み出す力。

3.対人スキル・共感力:  顧客の感情や背景を理解する力。

4.クリティカルシンキング:  AIの出した答えを鵜呑みにせず、検証・改善する能力。

5.リスキリング(再学習):  既存のスキルに固執せず、常に新しい技術や知識を取り入れる姿勢(アンラーニング)。

6.目的意識を持った行動力:  課題の発見、分解、そして解決策をAIと共に設計する能力。




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