クローンとは何か?

 マウスのクローンからさらにクローンを作る実験をどこまで繰り返せるか確かめたところ、58代目が限界だったと山梨大学などの研究グループが発表した。できたクローンマウスは20年間で1200匹を超えたということで、グループは「無限にできると考えていたので残念な結果だ」としている。

 クローンは、遺伝子がまったく同じ生物のことを言う。植物では、ジャガイモやサクラなどで同じ品種のものは遺伝子も同じクローンである。

 動物になると無脊椎動物や鳥類や爬虫類、魚類などで雌だけで子孫を残す、単為生殖をするなかまもいて全てクローンである。ところが哺乳類の単為生殖は自然界では存在しない。

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 実験ではヒツジやウシ、マウスなどで成功している。哺乳類のクローンではこれまで、遺伝子のテロメアという部分が短くなることがわかっており、長生きできないのではないかといわれてきたが、長寿のものもいてはっきりわかっていなかった。

 今回マウスで、突然変異が多くなることがわかり、クローンの無限ループ化は不可能だということがわかった。生命の謎の一部がわかったが、完全に解明するのは、まだまだ先になる。

 クローン58代目が限界

 山梨大学発生工学研究センターの若山照彦教授は1998年、マウスの細胞の核を別のマウスの卵子に移植する方法で遺伝的に同一なクローンを作製することに世界で初めて成功した。

 今回の研究は2005年に始まり、1匹のマウスの細胞から1代目のクローンを作って3か月後、さらに2代目を作製するという実験を繰り返した。

 その結果、作製の成功率は26代目の15.5%をピークに徐々に低下し、20年後の58代目では0.6%となった。この世代のマウスは外見に異常はないものの生まれて数日で死亡し、これが最後になったというこという。

 各世代のマウスを遺伝子解析したところ、27代目以降は通常のマウスより深刻な変異が多く、研究グループはクローンの作製を繰り返すことで変異が蓄積し生存できなくなったとしている。

 今回の研究では1206匹のクローンマウスを作ったということで、若山教授は「哺乳類は変異が蓄積しないよう有性生殖で増えているとみられる。コピー機で絵のコピーを繰り返すとどんどん画質が荒くなるが、動物のクローンではどうなるか試そうと考えた。クローンは無限にできると考えていたので残念な結果だ」と話した。



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