CO2濃度が増加中
2024年に全球平均の植生緑度が過去最高を記録した(ネイチャー掲載論文『Vegetation greenness in 2024』より)。気象庁は3月24日、日本付近の大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が、観測史上最高を更新したと発表した。
気象庁は陸上と海上のそれぞれで、CO2濃度を観測している。2025年は、岩手県大船渡市綾里(りょうり)と、東京都小笠原村南鳥島でそれぞれ、観測開始以来最高の平均CO2濃度が確認された。
これは世界平均濃度の推移と同じ傾向を示しており、気象庁は「地球温暖化の主要因である二酸化炭素について監視を続けてまいります」としている。
世界気象機関(WMO)は、世界のCO2濃度が上がり続けていることについて、「温室効果ガスによって閉じ込められた熱が気候変動を加速させ、より極端な気象現象を引き起こしている」(バレット副事務局長)として、排出量削減に向けて一段の取り組みが必要としている。
ただ、CO2増加が災厄の元凶であるかのような決めつけには、注意が必要だ。CO2の濃度上昇にともなって地球上では、かつてないレベルでの緑化が進んでいることは、あまり知られていない。(グラフは、植生緑度2024年過去最高)

地球緑化も過去最高
衛星観測に基づく研究によると、世界の植生の緑化が一貫して進んでおり、2024年には観測史上過去最高を記録したとされた。
2024年には、植生のある陸地の67.7%もの地域で緑化が進み、特にユーラシアと熱帯の草地、世界中の農地で顕著だったと言う。「砂漠化」などが問題視されてきたサヘル、東アフリカでも、緑化は進んでいる。この研究は科学雑誌「ネイチャー」にも掲載されている。
これは「CO2増加による温暖化と異常気象で、干ばつや農作物の不作、飢餓が蔓延する」といった言説とは異なる現実。
実際は、あらゆる植物はCO2を吸収して光合成をすることで成長しており、「ビニールハウスなどではCO2濃度を高めるほど、収量が増える」という実験は無数に行われている。
また、1億年前は大気中のCO2濃度が今の4倍くらい高かったと推定されており、現在は植物にとって、史上稀に見る"CO2欠乏状態"であるとも言える。
そもそもCO2と温暖化の因果関係自体も疑問視されている。「CO2増加で気温が上がっているのではなく、逆に、(自然変動として)海水温が上がっているため、海中のCO2が溶け出して濃度が上がっている」「歴史的に長いスパンで見れば、CO2濃度と気温の相関はほとんど見られない」といった指摘もある。
一面的な「CO2悪玉論」に基づく脱炭素政策は、やはり見直しが必要と言える。
過去の地球と二酸化炭素濃度
二酸化炭素の濃度は確かに上昇している。2024年の世界平均濃度は423.9ppmに達し、さらに増加している。しかし過去にも二酸化炭素濃度の高かった時代があった。その時の植生はどうだったのだろうか?
シアノバクテリアなどの原核光合成生物が誕生したのは今から約30億年前、原生代前期の海中で、約9億年前、原生代後期に真核光合成生物(植物)が誕生した。これにより、二酸化炭素濃度は減少していく。これらの生物の光合成によってつくられた酸素が大気中に蓄積していき、ついにはオゾン層が形成されるに至った。
オゾン層には紫外線を吸収する効果がある。約4億年前には,オゾン層の発達によって地上の紫外線量が生物の致死量以下になり,陸上植物が誕生した。約3億年前には、巨大シダが密林をつくり、枯死体が分解されずに堆積して分厚い石炭層をつくったので、石炭紀と呼ばれる。
石炭紀(約3億年前)頃は森林の繁栄により二酸化炭素が吸収され、有機物として堆積し二酸化炭素濃度は低下したが、その後の中生代には、活発な海底火山活動などにより、濃度が現在よりも遥かに高い(約1000〜2000ppm以上)温暖な環境になった。
恐竜が繁栄したジュラ紀や白亜紀(約1億4500万年前~6600万年前)は、現在よりも二酸化炭素濃度が数倍高く、地球全体が温暖だった。当時は巨大な植物が二酸化炭素を吸収し、その死骸が現在の石炭・石油(化石燃料)の元となった。
新生代に入ると、第三紀(約6600万年前〜258万年前)の二酸化炭素濃度も高かった。前半(古第三紀)は現在(約420ppm)の数倍となる1000〜2000ppm程度と非常に高く、暖かな気候だったが、後半(新第三紀)に向かって徐々に低下し、寒冷化へ向かう。
6000万年前南極大陸が分離孤立化、533万年前ヒマラヤ山脈の隆起による化学風化(CO2の吸収)の促進などで濃度が低下し、地球は氷河時代へと向かった。そして現代は第四紀・完新世(有史時代)で、間氷期にある。
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