木星と土星の衛星

 最近、木星と土星の衛星が新たに発見され、土星の衛星数が285個木星は101個となった。両方とも木星型惑星という、ガスを中心とした巨大惑星だから衛星数が多いのはわかる。

 小さい衛星数はこれからも発見されるだろう。しかし、大きな衛星を比較すると「木星は4つ、土星は1つ」これは変わらない。なぜこのような違いが生まれたのだろうか?

 京都大学、岡山大学、上海交通大学の研究グループは、惑星表面の磁場強度の違いが、木星と土星の巨大衛星に関する謎を解くシナリオを提唱した。

 研究では、内部では数倍の差に留まる磁場が、惑星表面では木星が土星より約100倍強いと算出され、磁場が強い場合、ガスが惑星磁場に沿って流れ込む「磁気圏降着」が生じる。

 木星ではこの磁気圏降着により、円盤内で形成された衛星が内縁で堰き止められ、複数の大きな衛星が近くに定着すると説明される。

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 いっぽう、磁場が弱い土星では磁気圏降着が起きない。土星に近づきすぎた衛星は「土星に取り込まれる」か「土星の潮汐力でバラバラに壊れる」、いずれかの運命をたどるという。研究成果は、4⽉2⽇に英国の国際学術誌 Nature Astronomy にオンライン掲載された。

 木星と土星の違い

 太陽系には、⽊星と⼟星のふたつのガス惑星がある。

 ⽊星には 100 個以上の衛星があるが、なかでもイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの 4 つが他の衛星に⽐べて抜きん出て質量が⼤きく、⽊星の衛星全体 質量のほぼ全てを占めている。

 これら 4つは、17世紀にイタリアの科学者ガリレオ・ガリレイによって観測されたことから「ガリレオ衛星」と呼ばれている。ガリレオ・ガリレイによる衛星発見は、1610年。

 いっぽう、⼟星は280個以上の衛星を持つことが知られているが、それら全ての質量の 95%以上を巨⼤衛星タイタンが占めている。タイタンの発見は、1655年3月25日にオランダの天文学者クリスティアーン・ホイヘンスによって発見された。彼は自作の高性能な望遠鏡を用いてこの衛星を捉えた。

 ガリレオ衛星が⽊星のすぐ近くの軌道を回っているのに対し、タイタンは⼟星から少し離れたところを周回しているという特徴の違いがある。

 このような巨⼤衛星の個数やその軌道の違いがどのようにして⽣じるのかは、よくわかっていない。

 表面磁場の差と「磁気圏降着」

 木星と土星の磁場の強さを計算し、さらに惑星周りのガス流の流れと衛星の形成まで追うために、国立天文台の計算機を駆使した大規模計算によって、現在の木星と土星周りの衛星系の違いをようやく明らかにできた。

 研究では、内部では数倍の差に留まる磁場が、惑星表面では木星が土星より約100倍強いと算出された。磁場が強い場合、ガスが惑星磁場に沿って流れ込む「磁気圏降着」が生じる。「磁気圏降着」は(Magnetospheric Accretion)は、若い星や巨大惑星が周囲の円盤からガスを取り込む際に、強力な磁場がガスを誘導し、磁力線に沿って磁極付近へ自由落下させる降着過程。

 木星ではこの磁気圏降着により、円盤内で形成された衛星が内縁で堰き止められ、複数の大きな衛星が近くに定着すると説明される。

 若いときは、木星の強力な磁場の影響で、木星の周囲にできた隙間がストッパーの役割を果たして、衛星がそれ以上近づけなくなっている。

 いっぽう、磁場が弱い土星では磁気圏降着が起きない。土星に近づきすぎた衛星は「土星に取り込まれる」あるいは「土星の潮汐力でバラバラに壊れる」、いずれかの運命をたどることになる。

 近傍に来た衛星は惑星に飲み込まれやすいため、近傍に巨大衛星が残らず、外側で形成されたタイタンだけが生き残るという。


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