蜂蜜をつくりたい
蜂蜜は体によい。疲労回復やのどの保湿、殺菌・抗菌作用があり、腸内環境の改善など、健康や美容に嬉しい効果がたっぷりと詰まった「パーフェクトフード」だ。ビタミンやミネラル、アミノ酸、ポリフェノールなどがバランスよく含まれており、日常の食生活に上手に取り入れることで様々なメリットが期待できる。
蜂蜜を自分でつくることはできないだろうか。調べてみると、蜜蜂の捕獲または購入、適した場所、道具、届出が必要だ。
次に、都道府県へ「蜜蜂飼育届」を提出し、巣箱などの道具を揃えてハチを迎え入れる。住宅街での飼育は近隣トラブル(刺傷事故やフン害)の原因になるため適していない。条件を満たす場所が必要 周囲に花や木(蜜源・花粉源)が豊富であること、南向きで日当たりが良く、夏は木陰になること強風や水害の心配がないことなど条件がある。
養蜂は、まず飼育するミツバチの種類(日本ミツバチまたは西洋ミツバチ)を決め、適した設置場所を確保することから始まる。(写真は丸の内で行われている養蜂作業)

今回、首都・東京の真ん中、千代田区にある大手町ビルの屋上で都市養蜂や周辺の自然を学ぶ催しを、世界ハチの日(World Bee Day)の5月20日、丸の内ハニープロジェクト実行委員会などが開いた。
近隣の会社に勤める人や保育園児など約500人が参加。養蜂場の見学や丸の内エリアで採れた蜂蜜の食べ比べなどがあり、都会の自然の豊かさや季節の移ろいを感じていた。
東京・大手町のビル屋上で丸の内「ハニープロジェクト」
「大丸有(だいまるゆう)」とも呼ばれる大手町・丸の内・有楽町エリアのビジネス街には、ミツバチの行動範囲とされる2~4キロ圏内に街路樹や緑地のほか皇居や日比谷公園があり、様々な草や木が花を咲かせる。
都市養蜂を通じてエリアのコミュニティーづくりに貢献し、自然と共生する都市を目指す取り組みとして、2016年7月、丸の内ハニープロジェクト実行委員会ができた。毎年4月下旬から8月上旬まで、ビル屋上の巣箱で飼育するミツバチの健康状態や蜜のたまり具合を観察し、蜂蜜を集めてエリア内の飲食店やホテルなどに提供している。25年度は約800キロの蜂蜜が採れた。
2026年度は5月時点で、大手町ビルの屋上に計30個ほどの巣箱を2~3個ずつ積み上げて並べている。それぞれの巣箱(縦40センチ、横50センチ、高さ30センチ程度)には9~10枚の枠が入っており、全部で実質10ほどのミツバチの群れを飼育している。
養蜂場見学ではガイドが、働きバチや女王バチ、雄バチがいることや、働きバチがどこから蜜を集めてくるかなどを説明。ミツバチが密集した枠を巣箱から取り出して「両面に多いと2000匹ほどのハチが集まります。蜜がたまると重さは2~3キロにもなります」と話し、見学に来ていた子どもに持たせて重さを感じてもらっていた。(図は蜂蜜に含まれる植物のDNA)

菜の花、桜、ネズミモチ…変化する蜜源
会場には、採蜜の時期によって蜂蜜の色や味の違いを体験するブースもあった。4月9日、30日、5月14日に採蜜された蜂蜜を食べ比べると、4月9日の蜂蜜は華やかな香りと甘みで、4月30日と5月14日はさわやかな香りとともにあっさりとした甘みだった。
ミツバチは菜の花が咲き始める頃から働き始め、4月ごろだと桜の花の蜜が中心で、5月ごろからは街路樹のネズミモチの花へとシフトするという。2025年度に蜂蜜に含まれる花粉DNAを分析したところ、カエデ属やアブラナ属など主に14の属グループが確認でき、出現頻度が季節にともなって変化していた。
丸の内ハニープロジェクトでは今年度、養蜂活動とともに、11月30日まで、花に集まる虫と花の写真や情報をスマホアプリで集める活動を展開する。どんな花にどんな虫が集まり、めしべからおしべに花粉を運ぶ役割を果たしているのかを調査し、大丸有エリアの植栽の検討につなげるという。
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