スーパーエルニーニョが発生か
気象庁は6月10日、春からエルニーニョ現象が発生しているとみられ、今後、秋にかけてもエルニーニョ現象が続く見込みと発表した。エルニーニョ現象発生で、日本の天候への影響はどうなるのか。過去の事例で予想してみよう。
エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のことをいう。そんなエルニーニョ現象の中で非常に強いものはスーパーエルニーニョとも呼ばれる。一般的に海面水温が平年より2℃を超えるような場合にいわれ、気象庁の資料によると、今年の秋には2℃を超える可能性が高いと予測されている。
その逆にラニーニャ現象というものもある。ラニーニャ時には、東風が平常時よりも強くなり、西部に暖かい海水がより厚く蓄積する一方、東部では冷たい水の湧き上がりが平常時より強くなる。このため、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも低くなる。ラニーニャ現象発生時は、インドネシア近海の海上では積乱雲がいっそう盛んに発生する。(写真は 2018年8月4日 25年ぶりの強い台風21号)

エルニーニョでは日本は冷夏に、ラニャーニャで日本は猛暑にというのがこれまでの傾向であったが、最近の地球温暖化では、海水温が上昇する傾向があり違った現象も起きている。
エルニーニョ現象でも猛暑に
エルニーニョ現象が発生すると、日本付近では夏季は太平洋高気圧の張り出しが弱くなり、冷夏になりやすいといわれている。たが、前回のエルニーニョ発生時の2023年を振り返ると、日本の夏の平均気温は基準値(1991〜2020年の30年平均値)からの偏差が+1.76℃と統計開始以来、2024年に並び2位タイの高温となった。
今年の夏の天候についても、気象庁はこのエルニーニョ現象が発生しているとみられる海洋と大気の状態も含めた予測に基づき、日本付近は高温になる可能性が高いと予想している。
勢力の強い台風に注意を
エルニーニョ現象は台風にも影響をもたらす。エルニーニョ現象発生時は台風の発生場所が通常よりも南東にずれる傾向があり、台風が日本へ接近する際は、海上を進む距離が通常時より長くなるため、強い勢力で接近しやすくなる。
過去の事例を振り返ってみると、いわゆるスーパーエルニーニョが発生した2015年は、台風の発生数は27個と平年を上回り、そのうち16個が非常に強い勢力にまで発達した。台風21号により与那国島では歴代1位となる最大瞬間風速81.1メートルを記録。
8月には太平洋中部と東部にカテゴリー4のハリケーンが同時に3つ発生するという前代未聞の現象も見られた。また、台風18号から変わった温帯低気圧と台風17号の影響で9月には関東地方と東北地方で記録的な豪雨(平年27年9月関東・東北豪雨)となった。茨城県常総市では鬼怒川の堤防が決壊するなど甚大な被害を及ぼした。
このように勢力の強い台風が接近すると、災害が発生する可能性が高くなる。エルニーニョ現象が続くと予想される今年は、改めてハザードマップの確認や非常持ち出し袋の確認をするなど日頃から防災意識を高めておきたい。
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