SNSの問題点

 SNSは興味関心の近い人たちと情報交換するには大変便利なツールであるが、闇バイト、投資詐欺などのツールとしても使われており問題も多い。

 現在、世界中で未成年者のSNS利用を禁止・制限する動きが広がっている。主な理由は、いじめや性被害などの犯罪から子どもを守ること、および「無限スクロール」などの中毒性の高い設計がメンタルヘルスに深刻な悪影響を及ぼす懸念が高まっているため。

 SNS利用の禁止や制限が推進される背景には、具体的に以下のような理由やリスクが挙げられる。 まず、知らない大人との接触による性被害や、匿名性を悪用した犯罪などの危険性が高いこと。

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 また、発達途上にある脳に対し、SNSの過剰な通知や「いいね」が中毒症状(依存)を引き起こすなど、他者と自分を比較することによる不安、抑うつ、自尊心の低下などが公衆衛生上のリスクとして捉えられている。

 そして有害コンテンツへのアクセス。暴力的な情報や不適切なコンテンツに触れるリスクがある。

 SNSの依存症は、各人の自制心の問題が大きく関わってくるものの、SNS企業が発展途上の若者の悩みに付け入り、意図的に依存しやすい設計を行っていることについては社会的・倫理的責任が大きく問われている。

 Meta制裁金1.4兆ドル

 Meta(メタ)はこのほど、米4州から若者のSNS依存について、総額1.4兆ドル(約277.5兆円)の罰金という、同社の時価総額(約1.5兆ドル)にほぼ匹敵する巨額の制裁金要求に直面していることを明らかにした。

 この制裁金要求は、カリフォルニア州、コロラド州、ケンタッキー州、ニュージャージー州の4州が提起したものです。メタがFacebook(フェイスブック)やInstagram(インスタグラム)を、若者の依存を促すように意図的に設計し、消費者保護法に違反しているとして訴訟が起こされた。

 1.4兆ドルという額は、メタの違反行為によって被害を受けたと推定される若者の数に、各州法に定められた違反1件当たりの罰金額を乗じたものという。

 これに対しメタは、「これほどの規模の制裁は、消費者保護法の執行の歴史において、前例がない」と強く反発。アメリカの歴史上、過去最高の制裁金でさえ10億ドル(約1600億円)に過ぎないと指摘している。

 実際、1.4兆ドルという金額は、交渉の初期段階の数字であり、最終的な判決額として現実味のある数字ではないと見なされている。しかし、全米でSNS企業に対する同様の訴訟が1万件以上も進行する中、SNS企業に対する強烈な圧力を浮き彫りにしている。

 表現の自由は未成年者には危うい

 裁判は8月18日にカリフォルニア州の地方裁判所で開始される予定。他にも同裁判所は8月、「メタが保護者の同意なしに13歳未満の児童からデータを収集し、児童オンラインプライバシー法に違反した」として訴えている29州の請求も併せて審理する予定。

 これらの州は、研究結果に基づき、フェイスブックやインスタグラムの利用が、子供の不安や鬱、不眠、学業や日常生活への支障、自傷行為や自殺行為につながる可能性が示されていると訴えている。

 これに対しメタ側は、「SNS依存は確立された精神医学上の疾患ではない」と、すべての申し立てを否定。訴訟の一時停止を要請したが、裁判所は6月末にメタの要請を却下し、訴訟の継続を認めている。

 8月に行われる裁判は、メタだけでなく、SNS企業全体にとって重要な分岐点になるとされている。州側の主張を一部でも認める判決が出れば、若年ユーザーの心身の健康を犠牲にして、利益の増大を図る設計について、SNS企業の責任を問う法的枠組みが確立する可能性があると見られている。

 欲望をそそる広告は犯罪を助長する

 メタCEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、メタが依存心を助長する設計を行ってきたことを一貫して否定しているが、すでにその証拠は数多く示されている。

 例えば、2017年に流出した同社の機密文書によると、インスタグラムとフェイスブックが、10代の若者の投稿やSNS上の会話を監視し、インターネット上の行動まで追跡した上で、そのデータを用いて若者が精神的に不安定になったタイミングで、特定の広告を表示する設定をしていたという。

 その一例として、13~17歳の少女が自撮り写真の投稿を削除し、自分の容姿に嫌悪した瞬間に、極端な減量法や美容関連の広告などを表示する設定をしていたことが明らかになった。

 実際、インスタグラムの使用によって、摂食障害や自傷行為、自殺に及んだ事例は数多く報告されている。しかし企業側にとっては、心の悩みに付け入ることで依存させれば、使用時間が長くなり、広告収入の増加につながる。フェイスブックの元幹部サラ・ウィン=ウィリアムズ氏によると、経営陣の多くはそれを広告主に対する"善意"で行っていたといい、その結果として起きる若者への悪影響は無視されていたという。

 悪徳商法には何らかの規制が必要 

 また同社の幹部の多くは、自分の子供には電子機器の使用を厳しく制限し、SNSを絶対に使用させないようにしていることも指摘されている。つまり、子供に悪影響をもたらすことを分かった上で、利益の増大のために子供の依存を促す仕組みを意図的に作っていたというのが実情と考えられ、その意味でもかなりの"悪徳商法"だと言える。

 霊的に言えば、SNSは投稿された画像・映像を縁として、利用者がもともと持っている「欲望」や「執着」、「劣等感」を刺激・増幅することで、地獄領域の拡大に繋がる。メタ社をはじめ、人々を依存させることで収益を得ているインターネットビジネスには、抜本的な改革が必要。そして利用者側には、そうしたSNSから距離を取るだけの賢さが求められる。

ネット・SNSの危険から子どもを守れ! -教師・親のための早わかりbook-
公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)ICT委員会
ぎょうせい
2021-07-10


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