「中国による大規模な選挙干渉」「政府内の隠蔽」

 米国のトランプ大統領は7月16日、国民向けにテレビ演説し、再選を目指して挑んだ2020年の大統領選などで中国による大規模な選挙干渉があったと主張した。11月の中間選挙が迫る中、選挙が不正に操作されていると印象づけ、郵便投票の制限など与党・共和党に有利な選挙制度改革を促す狙いがある。

 トランプ氏は演説で、情報機関の機密文書を再調査した結果、外国政府による選挙不正が確認されたと訴えた。2020年頃から氏名や連絡先、住所など約2億2000万件の有権者情報が中国に違法に収集されたとし、「史上最大の選挙データの不正利用」と非難した。また、中国が有権者情報を悪用するためにチームを編成していたと指摘し、大量の非市民や外国人が違法に投票していると主張した。

 米政権が2021年に公表した報告書は外国による選挙干渉はなかったと結論づけている。これに対しトランプ氏は演説で、選挙干渉の実態が米政府内で 隠蔽いんぺいされてきたとして当局に捜査を指示したと明らかにした。

画像

 トランプ氏の主張について、中国外務省の報道官は7月17日の記者会見で「悪意ある中傷だ。米大統領選に干渉したことはない」と反発した。

 中国外務省「全くのでっちあげ」トランプ氏の主張に反論

 トランプ大統領が過去の大統領選挙で中国による選挙介入があったと主張したことに対し、中国外務省は「全くのでっち上げだ」と反論した。

 トランプ大統領は16日の演説で、自身が敗北した2020年の大統領選挙をめぐり、中国による選挙介入があったと主張しFBIなどに調査を指示したと明らかにした。

 これに対し、中国外務省の報道官は「全くのでっち上げだ」と反論した上で、次のように主張した。

 中国外務省報道官:我々は米国に対し、自らを省み、中国への恣意的な誹謗中傷を止め、選挙で中国を口実にせず、米中関係のためになる行動を多くとるように促す。

 一方、報道官は2026年9月に予定されている習近平国家主席の訪米への影響について問われましたが、直接の回答は避けた。

 トランプ氏、中国の脅威引き合いに選挙不正を主張 ルール変更を要求

 トランプ米大統領は7月16日、ホワイトハウスで演説し、外国勢力の干渉や国内の不正によって米国の選挙制度が脅かされていると訴えた。11月の中間選挙を前に、選挙ルールの変更を議会に迫った。

 トランプ氏は、2020年の大統領選の敗北は不正のせいだという根拠の乏しい従来の主張を踏まえ、今回の演説で選挙制度への不信をあおった形だ。州や地方が担ってきた選挙運営への連邦政府の関与拡大を正当化する布石としたい意図もありそうだ。

 トランプ氏は演説で、中国が2020年大統領選以降、2億2千万件の米国の有権者情報を不正に入手したと語った。氏名や住所、電話番号、支持政党などが含まれるという。中国の活動について、情報機関内の「ディープ・ステート(影の政府)」が1期目の大統領だった自分に報告せず、隠蔽(いんぺい)したとも主張した。

 米情報機関は2021年「中国の介入なし」と結論

 また、ミシガン州で2020年に不正が疑われた有権者登録の申請についても取り上げ、連邦捜査局(FBI)に再捜査と訴追の検討を要請した。国土安全保障省の調査で、投票権のない非市民約27万8千人が連邦選挙の有権者として登録されていたとも語った。調査の詳細や、実際に投票した人数は明らかにしなかった。

 米情報機関は2021年3月の評価で、中国が選挙結果を変えるための工作を検討したものの、実行には移さなかったと「高い確信度」で結論づけている。また、いかなる外国勢力についても、有権者登録や投票、集計、結果の公表を改変しようとした形跡はなかったと判断している。

私はこう考えた—トランプ大統領「思想の原点」
ドナルド・J.トランプ
経営科学出版
2026-04-18