宗教やイデオロギーが国を発展・後退させる

 過去も現在も、宗教やイデオロギーが国に与える影響は大きい。同じイスラム教でも、近代化を受け入れたサウジアラビアやクェートなどは発展し、近代化しないイスラム原理主義のイランは発展途上国である。

 イラン戦争を起こしたアメリカのトランプ大統領は、キリスト教福音派である。宗教の力を恐れた中国や北朝鮮などは共産主義をとっている。日本は無宗教の国、あるいは多宗教の国などど言いながら、象徴として天皇制を憲法に残しており、日本神道の国体をとっている。

 実際、近所にイスラム教の礼拝施設をつくろうとする話があれば、日本人であれば「いい感じ」は、しないのではないか。昔からの伝統を引き継ぐという意味では日本神道は都合がよい。

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 日本神道は「穢れ」を嫌い、「かくあるべし」の理想を掲げるだけの宗教である。昔からの伝統を引き継ぎ、容易に変えないという保守的な面では機能するが、新しいものを受けにくい面がある。太平洋戦争で大敗を喫したのがその例である。

 これに対し仏教は「生老病死」の四苦、「因果の法則」などを掲げ、日常の問題を解決する方法を教えてくれる。つまり変われるチャンスがある。

 UFO情報開示後、受け入れる人が増えるアメリカ

 一方で、キリスト教福音派のトランプ政権は、変える意欲が旺盛だ。映画『ディスクロージャー・デイ』公開日に合わせたのか、6月12日にUFO資料の第3弾(新たに72件)を発表した。

 第1弾、2弾と同様、今までは国家機密として公開されていなかった、信頼度が非常に高いUFO・UAP情報を公開し、その判断は国民に任せるという形式を取る。政府としての公式見解はまだ何も出ていない。

 福音派の「福音」とは聖書の中で「キリストの弟子たちが見た、キリストの言動を記録したもの」であり、弟子によって解釈が異なる。それが良いものか、悪いものか一概にはいえない。ただ、キリスト教を一つのものとして頑なに守る原理主義よりも、変われるチャンスがあるのは確かだ。

 現在、米国ではUFOや宇宙人を信じる人の割合は非常に増えているが、これも新しいものを受け入れる姿勢がないとできないことだ。

 最近、キリスト教系識者の多くは、「宇宙人の存在は、神への信仰や聖書の内容とは矛盾しない」と解釈する方向に急速にシフトしている。

 福音派でも、UFOについて未だに「悪魔の働き」と解釈し、その意見は、一時期は注目を浴びて有力になったかのように見えたが、5月8日にトランプ政権がUFO資料の第一弾を公開したころから、キリスト教メディアなどでも、「信仰や聖書と、宇宙人の存在は矛盾しない」という論説が増え(創造主は地球人以外も創造している可能性に言及)、急速に少数派になりつつある。

 大化の改新は「後退」だった

 「大化の改新」の舞台である奈良県・飛鳥宮跡が、世界遺産に登録された。大化の改新は、645年に中大兄皇子と中臣鎌足が時の権力者・蘇我入鹿を暗殺したクーデターと、後の一連の政治改革を指す。「法治主義に基づく中央集権国家をつくり、日本が国家として確立する礎を築いた」と評価されてきた。だがそれは、必ずしも「成功した革命」ではなかった。

 大川隆法・幸福の科学総裁は、「(大化の改新によって)聖徳太子の時代からの流れとまた違う流れが一回入ってはいる」と指摘する。

 聖徳太子は「仏教による国づくり」を目指し、民主主義の原点と言うべき内容を打ち出した「十七条憲法」や、能力主義に基づく「冠位十二階」など、その国家運営は時代を先取りした近代化政策だった。

 しかし太子の死後、仏教精神を受け継ぐはずだった息子・山背大兄王らが蘇我入鹿の襲撃を受け、一族は滅亡。この事件が「蘇我氏打倒」に正当性を与え、大化の改新につながる。

 重要なのは、これが単なる権力闘争ではなく、その後の日本仏教の流れに大きな打撃を与えた「宗教問題」だったことである。

 改新後の新政権は表面上、仏教路線を引き継ぐように見せながら、実際には天皇中心の国づくりに転換。天皇が仏教に「帰依」するのではなく、厳しく「統制」する仕組みを整えた。この流れが8世紀の「僧尼令」に引き継がれ、大仏建立に尽力する行基への弾圧にもつながる。

 さらに皇位継承において「仏教派の系統」が途絶した。こうした背景から、「仏教に対する神道の反撃」と見る識者も少なくない。

 失敗した日本神道による植民地政策

 改新以降の政治は失敗続きだった。代表的なのが、日本が初めて外国に敗戦した「白村江の戦い」(663年)である。

 当時、唐(中国)と新羅(朝鮮半島の小国)に滅ぼされた同半島の国・百済に助けを求められた日本は、極めて甘い見積もりで無謀な海戦に突入し、返り討ちに遭う。物量で勝りながら大敗北を喫した。

 これは「神道としての敗北」でもあった。聖徳太子霊は、「百済から仏教は入っている。にもかかわらず、百済を植民地にして、日本神道が攻め込もうとしていた」「仏教というより、『鳥居』を朝鮮半島に建てようとしたのでないか」と指摘する。

 これは、「教えがない日本神道が、世界宗教を目指そうとして敗戦した第二次世界大戦」の構図と酷似している。

 また土地国有化政策である「公地公民」も失敗だったと言えるだろう。地方の有力豪族の力を奪い、国家の力を強化する狙いがあったが、「いくら土地を耕しても国家に収奪される社会主義政策」に、農民は猛反発。100年も経たず、大仏を建立した聖武天皇の時代に撤廃されることとなる。

 天皇の権威付けが元々の目的

 失敗続きの大化の改新が評価されがちなのは、主要史料が『日本書紀』しかないことにある。ただ日本書紀は『古事記』とともに、「『大化の改新』『壬申の乱』等で国が乱れたあとに、また、そのときの権力者たちが引き締めを図ってつくったもの」と言ってよく、初めから天皇の正当性を強調するために編纂されたものだ。

 その内容も、「迷信っぽくて、民話的な内容ばかりで、聖徳太子が言うような、近代的なものの考え方のようなものはそれほど見受けられないので、これは"揺り返し"が入って、昔の伝統的な神道の土着の考えのほうにだいぶ戻されています」と大川総裁は指摘する。

 そもそも改新が注目されたのは、明治以降だと言われる。維新政府の神道政策の中核機関の一つである皇典講究所で初めて「大化の革命」という言葉が使われ、天皇が大権を持つ転換期の一つに位置付けられた。明治政府はその後、「国家神道」を"創設"し、仏教などを激しく弾圧。歴史に深い影を落とすことになる。

「仏教による近代化」を「神道による昔返り」にすり替えた大化の改新の意義を見直すべき時がきている。そして、こうした宗教に悪い影響を与える悪質宇宙人の存在がある。