台風15号(チャンホン)茨城県南部に上陸
台風15号(チャンホン)は8月11日(火)20時頃、茨城県南部に上陸した。1951年の統計開始以来、初めての茨城県上陸である。今年の台風上陸は6月に和歌山県に上陸した台風6号以来、2つめとなる。
その後、千葉豪雨で甚大な被害が出た。2026年の夏はいつもの夏と違う状況となっている。千葉県では大雨特別警報が発表され、24時間の雨量は千葉市で8月の観測史上1位となる367ミリ、平年の8月1か月分の3倍を超える雨の量となった。500ミリを超えたところもある。
記録的な大雨となったポイントが「大量の湿った空気」と「風向き」。13日の雨雲レーダーを振り返ってみると、南から次々と雨雲が流れ込んで、夕方から千葉付近に雨雲がかかり続けた。北寄りの風が吹き始めて、湿った南風とぶつかって雨雲が同じ場所で発達し続けた。

この湿った空気を運んできていたのが、逆走した台風15号。夏の太平洋高気圧が北に張り出していたため、台風15号はその縁に沿うように東から西へと進む異例の進路となって茨城県に初めて上陸した。この台風が大量の湿った空気を吹き込んできた。
そもそもなぜ台風が逆走したり立て続けに発生したりしているのかというと、夏の太平洋高気圧が北に偏っていて、この縁で吹く東風と南西の季節風、この2つの風によって「大きな反時計回りの循環」ができていた。
いつもは台風をブロックする夏の太平洋高気圧があるはずの場所で台風が発生しやすい状況だった。ただ、このあと次第に高気圧はいつもの場所に戻ってきた。日差しが戻って、厳しい残暑になりそうだ。
令和8年8月千葉豪雨
それにしても、台風15号の後の千葉県の集中豪雨には驚かされた。ここ神奈川県には大した影響もなく拍子抜けした台風15号。しかし湿った空気を運び、上空の寒気との影響で千葉県では、13日夕方以降、線状降水帯が相次いで発生して記録的な大雨となり、一時、大雨や土砂災害の特別警報が発表された。
気象庁は、令和8年8月13日からの千葉県の豪雨に対して「令和8年8月千葉豪雨」と名称を定めた。 特別警報は14日、危険警報や警報などに切り替えられたが、千葉県では、各地で浸水などによる被害が相次いで発生した。今回の豪雨で、千葉県内で死亡した人は10人となっている。また、行方不明になっている人が市原市で1人増えて2人となった。このうち4人は乗っていた車が浸水したことが原因で亡くなった。
気象庁によると、千葉県では高気圧のふちを回るように暖かく湿った空気が流れ込み、上空に寒気がある影響で、13日夕方以降、1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降り続いた。
「記録的短時間大雨」の気象防災速報は、13日午後5時すぎから14日午前1時すぎにかけてあわせて25回も発表された。
各地で記録的な大雨となり、千葉市では、午前1時40分までの12時間に降った雨の量が348ミリと、統計を取り始めてから最も多くなり、平年8月の1か月分のおよそ3倍の雨がわずか半日で降った。
県が千葉市緑区に設置した雨量計では、昨夜6時からのわずか6時間でおよそ450ミリの雨を観測した。気象庁は午前5時15分、千葉県の22の市と町に発表していた、レベル5大雨特別警報を、レベル4大雨危険警報やレベル3大雨警報などに切り替えた。
また、6つの市に出していたレベル5土砂災害特別警報をレベル4土砂災害危険警報に切り替えた。 千葉県ではこれまでの記録的な大雨で各地で浸水などによる被害が相次いで発生し、いまも川が増水したり、地盤が緩んだりしている地域がある。
大気の非常に不安定な状態が続いているため、千葉県では、引き続き非常に激しい雨が降るおそれがあり気象庁は土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水に厳重に警戒するよう呼びかけている。
「そっちに行ってはダメだ」冠水で屋根まで沈んだ車
千葉県内の広域に8月13日から降り続いた記録的な雨は、瞬く間に地上にあふれ、道路や駅に大きな被害をもたらした。冠水した路上では車に閉じ込められる人が相次ぎ、消防や住民らが救助にあたった。足止めされた帰宅困難者らは、県庁や空港ロビー、電車内などで一夜を過ごした。
柏市八幡町の住宅街では13日午後、冠水した道路で水没していた軽乗用車内から、男女2人が救出された。うち1人は心肺停止の状態で、病院に搬送された。
救出にあたった近くの住民男性(66)は同日午後5時半頃、大雨の状況を確認しようと自宅を出たところ、数十メートル先の冠水した道路に1台の軽乗用車が向かっていく様子が見えたという。「そっちに行ってはダメだ」。大声で必死に叫んだが、車は止まらない。くぼみにはまったのか徐々に沈み、屋根まで水につかってしまった。
男性は消防に通報したが、救助要請が相次いでいるため、時間がかかると告げられた。「待っていられない」と、男性は頭を超える高さまで達した水に入り、泳いで車の屋根にたどり着くと鉄パイプで後部の窓を割り、車内に腕を伸ばした。人の手に触れたのを確認し、手をつかんで高齢男性を車外に引っ張り出した。
高齢男性は男性の知人だった。「奥さんは家か?」と尋ねると、「まだ車の中だ」と答えたため、男性は周囲の人が渡してくれた金づちなどでさらに窓を割り、女性を引き上げた。だが、女性はすでに心肺停止になっていたという。
約40年前からこの地域に住んでいるという男性は、「この辺は谷のような地形になっていて、数年前の大雨でも車が水没したことがある。排水環境をよくしないと、今後の大雨の際も同じ事が起きてしまう。もうこんな事は起きてほしくない」と肩を落とした。
帰宅困難者、県庁・幕張メッセなど1800名受け入れ
千葉県内では、13日からの大雨で公共交通機関がストップし、自宅に帰れない人が相次ぎ、このうち千葉市中央区にある千葉県庁ではおよそ1800人が一夜を明かしました。
大雨の影響で千葉県内では、公共交通機関の運休などで自宅に帰れなくなった帰宅困難者が相次ぎ、千葉市役所や千葉県庁、幕張メッセなど市内11か所の施設で受け入れているという。
このうち県庁1階のロビーでは午前5時半ごろ、身を寄せていた人たちが床にブルーシートを敷いて毛布や保温シートを身にまとって休んでいる姿がみられた。
千葉県によると、最大でおよそ1800人が一夜を明かしたということで、訪れた人たちに飲料水やクラッカーなどを提供したという。
千葉市内に住む40代の女性と10代女性の親子は「昨夜11時半ごろに県庁にきました。雨がすごく、待機できる場所があって外で過ごすよりは安心して過ごせました」と話していた。
また、小学1年生の娘と一緒にいた千葉市郊外に住む40代の女性は「千葉駅から先に進めず、駅で座って待ってたが、子どももいるのでこちらに来ました。雨にぬれて寒かったので保温シートを提供してくれてとても助かりました」と話していた。
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