
紀州五十五万石の梅干し


違いが大きいY染色体
ヒトとチンパンジーのDNA塩基配列を比較したところ、男だけが持つY染色体は、ゲノム(全遺伝情報)全体の違いより4割以上も大きいことを、理化学研究所などが突き止めた。ヒトがチンパンジーから分かれた後、どのように進化したかを解明する材料になるという。米科学誌「ネイチャー・ジェネティクス」(電子版)に発表した。
研究チームは、京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)のチンパンジーのオス「ゴン」の血液を採取し、Y染色体のDNAを高精度で分析した。その結果、Y染色体で1.78%の違いを確認し、ゲノム全体の違いである1.23%を大きく上回っていることが分かった。ヒトのY染色体にある免疫系の遺伝子が、チンパンジーにはなかった。
精子形成では細胞分裂の回数が他に比べて極めて多く、突然変異も起きやすいと考えられてきた。突然変異の積み重ねが新種の生物誕生につながるため、種による差は男だけが持つY染色体で、より大きく表れるという理論を裏付ける結果となった。
研究チームの藤山秋佐夫(あさお)・国立情報学研究所教授は「ヒトの進化の解明だけでなく、免疫系の差がヒトとチンパンジー、ヒトの男女の免疫力の違いに関連している可能性がある」と話している。(毎日新聞 2006年1月3日 東京朝刊)
DNAとは?
核の中の染色体の主要成分、デオキシリボ核酸のこと。デオキシリボースという糖のなかまと塩基という物質、リン酸の3つが1セットそろったのを基本物質ヌクレオチドといい、DNAはヌクレオチドがたくさん集まって(重合体という)らせん状にになったポリヌクレオチド。 そして、DNAの塩基にはA(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4種類があり、この配列の違いが生物の姿の違いを造りだす。生物の設計図にあたる部分がDNAだ。
塩基配列とは?
塩基配列はDNAの一部にある塩基という物質の分子配列(遺伝子配列)のこと。ゲノムともいう。 すべての生物のDNAはA(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)という4種類の塩基が何個も並んでできている。その配列が例えば「TAGCTTCCAA...」というように一見無秩序に並んでいるようだが、実は一つ一つ意味があり、この配列の違いが生物の姿の違いを造りだしていることがわかっている。
数年前には人の遺伝子配列をすべて解読しており、この事は素晴らしい科学の成果だった。
Y染色体とは?
動物の雄だけが持っている染色体。雄はY遺伝子と他にX遺伝子を1つの細胞に1つずつ持っている。雌だけが持っている遺伝子はX遺伝子で、雌は一つの細胞にX遺伝子を2つ持っている。XYを性決定遺伝子という。
チンパンジーのY染色体のDNAを高精度で分析した。その結果、Y染色体で1.78%の違いを確認し、ゲノム全体の違いである1.23%を大きく上回っていることが分かった。また、ヒトのY染色体にある免疫系の遺伝子が、チンパンジーにはなかった。
1.78%と1.23%の違いだから、いずれにしてもヒトとチンパンジーの遺伝子配列はは98%以上は同じということだから驚きである。ただほとんど同じ中で、違いの大きいところが、Y染色体ということをつきとめた。
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