ナノの世界では、「カーボンナノチューブ」、「有機ナノチューブ」など優れた技術が出ている。 この技術をどう生かすかがこれからの課題である。
今回、「有機ナノチューブ」でも使われた「自己組織化」という方法を使って、微少な「太陽電池」が開発された。「光伝導」効果が1万倍もあったそうである。将来、さまざまな可能性を秘めた「半導体ナノチューブ?」が開発された。
今日はナノテクノロジーでよくでてくる「光伝導」と「太陽電池」「自己組織化」について調べる。(参考HP Wikipedia)
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ミクロ世界の電源となる新素材開発 1万倍の光伝導効果
将来、SF映画「ミクロの決死圏」のような超小型の機械を動かす電源になるかも―光で照らすと電気を流す、太陽電池のような微小チューブを、日本の研究チームが開発した。米科学誌サイエンスに論文が掲載された。
利用したのは太陽電池などに応用される「光伝導効果」という仕組み。光があたると、電子を出す物質が、電子を受け取る物質との間で、電子をやりとりして電気が流れる現象だ。
新しくさらに効率のよい太陽電池を開発するには、電子をやりとりするこの両物質が互いに混ざり合わず、しかも広い面積で接触することが望まれる。だが、そのような構造を実際につくるのは難しかった。
今回、研究チームは、バラバラの分子が自動的に組み上がる「自己組織化」と呼ばれる現象を利用。両物質が連結した分子を室温で溶液に溶かしたところ、電子を出す部分を、電子を受け取る部分が包んだチューブが出来た。
チューブは太さ16ナノメートル(ナノは10億分の1)、長さは数マイクロメートル。暗いところでは電流を通さないが、紫外線や可視光をあてると、電流が1万倍も流れやすくなる光伝導効果が確認された。
同チームの研究責任者、相田卓三・東大教授(化学生命工学)は「これまでにこのような素材はなく、光エレクトロニクスの発展に大いに期待できる成果だ」といっている。(asahi.com 2006年12月29日 )
光伝導とは何か?
半導体や絶縁体において、価電子帯や不純物準位などにある電子が光子のエネルギーを吸収し、伝導帯などへ励起される。この励起された電子を光電子と呼ぶ。これによって伝導電子や正孔が増加するため、導電性が増す。この性質を光伝導性(photoconductivity、光導電性)という。 太陽電池も内部光電効果型の受光素子と言えるが、用語としては光起電力効果を使う。
光伝導 右図(4) 太陽電池のしくみ
(1)太陽電池は普通p型半導体とn型半導体が接触してできている。
p型は正孔(+)を持ち、n型は電子(−)を持つので電流が流れる。
(2)しかし接触部分では正孔に電子が入り込み+−が中和された状態ができる。
(3)この接触部分の電子は電流を流すエネルギーが足りない。
(4)ところがここに光が当たると電子が励起し、電流を流すエネルギーを持つ。この性質を光伝導という。
太陽電池とは何か?
現在一般的な太陽電池は、p型とn型の半導体を接合した構造を持つ。大きなpn接合型ダイオード(フォトダイオード)である。光が当たることで、電子に光のエネルギーを吸収させ(光励起)、エネルギーを持った電子を直接的に電力として取り出すことができる。光起電力効果をもつ。
光起電力効果とは何か?
光起電力効果(ひかりきでんりょくこうか、Photovoltaic effect)は、物質に光を照射することで起電力が発生する現象である。
自己組織化とは何か?
自己組織化(じこそしきか)とは、生物のように他からの制御なしに自分自身で組織や構造をつくり出す事をいう。 自発的秩序形成とも言う。英語では「Self-organization」や「Self-assembly」と言われる。 生物は、DNAを設計図として原材料から自ら機能を持った組織をつくり出しているもっとも有名な自己組織化の例である。
また、学習したときなどに脳内などで起こる神経回路の構築も自己組織化の一つであり、脳をモデルにした自己組織化写像が研究されている。
生物は複雑な例ではあるが、雪の結晶の生成などの結晶成長も自己組織化の一つである。
最近では、これ等の現象を利用して集積回路の作成なども研究されている。これが可能となれば、現在行われているリソグラフィを用いた手法に代わって、ナノデバイスの大量生産を可能とする技術になるものと期待されている。また、この延長上にはナノマシンの作製なども考えられている。
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