カエル・ツボカビ症という両生類にかかる病気が流行している。ツボカビ症は真菌の一種。アフリカ固有の菌であったものが広まり、オーストラリア、中南米などに広まり壊滅的被害を与えている。
両生類は皮膚呼吸をするが、皮膚がうすく粘液でおおわれている。他の動物にはないデリケートな皮膚を持っている。この皮膚を通じて感染するらしい。両生類の中でも感染しない種もあるが、多数の両生類に感染し、致死率は90%と高い。この病気のため絶滅した種もある。
ツボカビ症は両生類だけに感染する病気で、ヒトなどの哺乳類やハ虫類、鳥類、魚類などには感染はしない。日本では昨年12月、東京で中南米から輸入されたペットにより、国内で初めて発見された。
日本にはオオサンショウウオなど貴重な両生類が多数存在する。ツボカビ症は野外に出ると根絶は不可能。万一広がった場合は種の絶滅だけでなく、食物連鎖に関わるすべての生物に影響があると考えられている。
日本野生動物医学会や日本爬虫両棲(はちゅうりょうせい)類学会、世界自然保護基金(WWF)ジャパンなど16団体は緊急事態宣言を公表した。「ツボカビ症を海外から持ち込まず、また、出さないのが対策の基本。」
今日はカエル・ツボカビ症について調べることにする。(参考HP 麻布大学)
a.ツボカビ b.遊走子
_は30μm(マイクロメートル)
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両生類絶滅の危機も
世界各地でカエルなどの両生類を絶滅に追いやっているカエル・ツボカビ症が昨年12月に国内で初めて確認されていたことが分かった。アジアで公式に感染が確認されたのは初めて。感染力が強く、致死率も90%以上で、野外に広がると根絶は不可能で両生類の絶滅が危惧(きぐ)される。
日本野生動物医学会や日本爬虫両棲(はちゅうりょうせい)類学会、世界自然保護基金(WWF)ジャパンなど16団体は12日に検疫強化や販売・流通の監視、情報提供などを訴える緊急事態宣言を公表した。
ツボカビ症が確認されたのは、東京都内で昨年11〜12月に個人がペットとして飼っていた中南米産のカエル。11種35匹中14匹が死んだため、麻布大学で調べたところ、昨年12月25日にツボカビ症と確認された。
ツボカビは真菌の一種。もともとアフリカ固有の菌だったとみられ、90年代に豪州でカエル激減を招いた病気として98年に初めて発見された。すでに豪州や中南米の両生類が壊滅的被害を受けているという。ヒトへの感染は確認されていない。
麻布大の宇根有美助教授(獣医病理学)は「飼っているカエルなどの両生類に異変があれば、すぐに獣医師などに相談してほしい。水の管理が最も重要で、水槽の水を排水溝や野外に流さないでほしい」と訴えている。
ツボカビ症に関する情報は、以下のホームページに掲載している。WWFジャパン(http://www.wwf.or.jp)、麻布大学(http://www.azabu-u.ac.jp)(毎日新聞 2007年1月12日)
ツボカビとは何か?
真菌(カビ)の1 種です。分解菌あるいは腐生菌としてキチン、セルロース、ケラチン
といった分解しにくい物質を栄養としています。このため、カエルでは皮膚、オタマジャクシでは口に感染します。
ツボカビは皮膚に感染します。そして、(1)皮膚呼吸や皮膚の浸透圧調整を阻害したり、(2) ツボカビが毒素を産生したり、(3)これらの要因の複合的作用が死の要因となります。また、皮膚の生体防御機能が壊れて、2 次的に細菌などに感染しやすくなります。
真菌とは何か?
菌類(きんるい)のこと。キノコ・カビのなかまである。細菌・変形菌などと区別するために真菌(しんきん)と呼ぶ。外部の有機物を利用する従属栄養生物であり、分解酵素を分泌して細胞外で養分を消化し、細胞表面から摂取する。
ツボカビ症は見てわかるか?
カエルの種類、水生か陸生かによって、症状が違うため、ほとんどわからないと思います。しかし、何か、いつもと様子が違うと感じたら、最寄りの獣医師にご相談ください。
食欲不振、沈鬱などの他の病気と区別がつかない症状で始まり、症状が進行するにつれて縮瞳、筋協調不能、縮こまった独特な姿勢、立ち直り反射の消失、開口、広範な皮膚の脱落などが現れ、発症してから2〜5週で死亡します。
ペットがツボカビ症になったら?
治療ができます。また、室内であれば、有効な消毒方法もありますので、カエルから
カエルへの感染も防げます。そのためのマニュアルも用意してありますので、マニュアルに従えば、そのまま、カエルを飼い続けることができます。最寄りの獣医師に相談して下さい。
そして、最も重要なことは、ツボカビを野外に出さないように、一人ひとりが細心の注
意を払うことです。
ツボカビ症の予防はできるか?
また、いくつかの消毒薬がツボカビに効果があるといわれています。
ここでは、安全で、一般の方でも簡単に購入できて、いろいろなものに使える消毒薬を紹介します。
製品名:アンテックビルコンS 輸入販売元:バイエル株式会社動物用薬品事業部
購入方法:インターネットでビルコンSを検索しネット販売先をみつけてアクセス。
手の消毒や飼育容器の消毒などに使えます。海外でのツボカビ対策では、車両のタイヤなどの消毒にも推奨されています。使用濃度などの使い方については、使用説明書をみてください。
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