科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、最新科学の?をなるべくわかりやすくコメントします。
1月20日は暦の上で「大寒」。1年で最も寒い時期とされているが、今年は冬型の気圧配置が長続きしないため、暖冬傾向となっている。

さて、多くの動物では精細胞・卵細胞を持つ、オスとメスに分かれているのが普通である。ところが世の中には雌雄の区別がない動物も多い。

一つの固体に精細胞と卵細胞同時につくる生物を雌雄同体という。この生物にはカタツムリアメフラシミミズなどが有名で、両方の生殖器官が発達し生殖を行う。

さらに生物のなかには精細胞・卵細胞の区別もなく、同型配偶子をつくり、単に遺伝子を交換しなかまを殖やす、同型配偶子接合という方法もある。この生物には単細胞藻類、粘菌類がいる。

こうなるとオス・メスは関係なくなるわけだが、このたび神奈川県の津久井湖で発見した緑藻プレオドリナという生物の中でメスがオスに変わる遺伝子が発見された。

緑藻プレオドリナという生物は藻類の一種で、ちょうど精細胞・卵細胞の区別ができはじめた生物だ。この中のMID遺伝子があると精細胞、これがないと卵細胞ができることがわかった。

今日は「オスとメス、どちらが最初に始まった?」という謎にせまります。
(参考HP Wikipedia・東京大学大学院)


プレオドリナ Pleodorina Aが本体 Bは精子集合体 CD※は卵↓精子


関連するニュース
遺伝子:オスはメスの派生型


進化の過程で、雄と雌が分かれる鍵になったとみられる遺伝子を、東京大大学院の野崎久義・助教授(細胞進化学)らが発見した。雌が原型で、雄はその派生型であることが判明したという。

生物の生殖は、雌雄の区別のない同じ大きさの二つの生殖細胞が結合する「同型配偶」から、雌雄の区別があり、大型化して動かなくなった卵子と、小型で動き回る精子が受精する「卵生殖」に進化したとされている。

しかし、性別(生殖細胞の違い)が、どのように生まれたのかは謎だった。野崎助教授らは、04年に神奈川県の津久井湖で発見した緑藻プレオドリナを実験対象とした。

プレオドリナの遺伝子のうち、役割の分かっていない遺伝子を分析した結果、雄だけに存在し、精子が作られる時に活動する遺伝子を発見し「オトコギ」と名づけた。より原始的な緑藻では、雌雄はなく、「プラス型」と、「マイナス型」の同一サイズの細胞が結合する。

ところが、オトコギによく似た「MID遺伝子」がある場合、プラス型がマイナス型に変わる。このため、プラス型が性の原型、マイナス型が派生型で、プレオドリナの雌、雄はその延長で誕生したと考えられるという。米科学誌「カレント・バイオロジー」に掲載された。(山田大輔 毎日新聞 2007年1月17日) 

オスとメスはどうやって区別するのか?


広く生物一般に当てはまりそうな形で定義すると、生殖細胞(配偶子)あるいはそれに相当するふるまいをする器官に大小の分化が見られるとき、大きい方を雌性、小さい方を雄性と呼ぶ。

もし生殖細胞(配偶子)が大きくて不動の型と小さくて運動性の型に分化していれば、これは卵と精子である。各個体がこのどちらか一方だけを作るのであれば雌雄異体であり、同一個体から両方ができるのであれば雌雄同体である。 

オスとメスが区別できない動物はあるか?


多くの動物では精細胞・卵細胞を持つ、オスとメスに分かれているのが普通である。ところが世の中には雌雄の区別がない動物も多い。

一つの固体に精細胞と卵細胞同時につくる生物を雌雄同体という。この生物にはカタツムリアメフラシミミズなどが有名で、両方の生殖器官が発達し生殖を行う。これに対し精細胞・卵細胞が別々の固体にできる生物を雌雄異体という。

さらに生物のなかには精細胞・卵細胞の区別もなく、同型配偶子をつくり、単に遺伝子を交換しなかまを殖やす、同型配偶子接合という方法もある。この生物には単細胞藻類、粘菌類がいる。

植物にオスとメスはあるか?


オスのはたらきをするのが「おしべ」メスのはたらきをするのが「めしべ」である。

多くの花を咲かせる植物の場合は、「おしべ」と「めしべ」が一つの花にできる。これを雌雄同珠(しゆうどうしゅ)とよぶ。

逆に「おしべ」しかできない花(雄花)と「めしべ」しかできない花(雌花)ができるなかまを雌雄異珠(しゆういしゅ)という。

オスとメスどちらが最初に始まったか?


メスが最初に始まった。

「MID遺伝子」はオスのゲノム中だけに存在し、本遺伝子の発現解析は精子形成が誘導された場合に強く発現することが明らかになった。「MID 遺伝子」をもつ同型配偶のマイナスの優性交配型からオスが誕生したと結論された。

即ち、配偶子の進化という視点で性(sex)の原型はメスであり、オスはMIDのような遺伝子をもつことで原型から派生している性であると理解される。(東京大大学院 野崎久義助教授)

 

オスとメス 性の不思議

講談社

このアイテムの詳細を見る
なぜオスとメスがいるの―動物の性と生殖のはなし

偕成社

このアイテムの詳細を見る

ランキング ブログ検索 ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ  ←参考になったらクリックしてね