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ダイアモンドと似た鉱物がある。チタン酸ストロンチウムという物質である。屈折率が2.41というのはダイアモンドとほぼ同じである。透明な結晶を並べるとまったく見分けがつかない、同じ輝きを持つ。

ただ違うのは固さだ。 ダイヤモンドの硬度が10なのに対して、チタン酸ストロンチウムは硬度5.5で半分だ。このありふれた材料が新型の電池に変わるというのだから不思議だ。

「太陽電池」では、光を当てると電気が発生するが、この電池は熱を加えると電気が発生する。「熱電変換」という技術だ。名古屋大学のグループではチタン酸ストロンチウムとニオブという金属を組み合わせて「熱電変換」することを発見した。

今日はこのすばらしい発見と、「熱電変換」について調べる。

  どちらがダイアモンド?


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人工宝石原料を加熱し発電 「体温充電」携帯も可能に


人工宝石などの原料になるありふれた物質に熱を加えると効率のよい発電ができることを、名古屋大などのグループが見つけた。工場や自動車の廃熱で発電すればエネルギー損失を大幅に減らせ、地球温暖化対策にもなるという。21日付英科学誌ネイチャー・マテリアルズ電子版に発表した。

細長い物質の一方の端を温めると、もう片端との間に温度差ができる。ビスマスや鉛など重金属では、この温度差から電力が生じる。「熱電変換」という仕組みだ。人工衛星や一部の腕時計の電源に使われるが、重金属は資源量が少なく、1000度以下の熱で溶けるため、用途が限られる。

名古屋大の太田裕道・助教授らは、重金属に代えて、人工宝石の原料となるチタン酸ストロンチウムという酸化物を使った。これ自体は電気を通さないが、この酸化物と金属のニオブで、厚さが原子1個分と薄く、電気を通す層を作って間に挟むと、重金属の倍の効率で熱電変換が起きるのを見つけた。効率がいいのは、電気が極薄の層から外に漏れないためらしい。極薄の層の数を増やすと、さらに効率が上がるのもわかった。

2000度でも溶けず、自動車のエンジンや工場から出る700度以上の廃熱を利用して発電できる。発電効率がよいため、体温で充電する携帯電話などへの応用もできそうだ。熱電変換と逆に、電気を通すと冷える性質もあり、携帯型の冷蔵庫などへの応用も期待できる。重金属のような毒性はなく、ストロンチウムの資源量はビスマスの約1000倍とされる。

極薄の層を挟む微細な加工はコンピューターの半導体素子を作る技術を活用でき、大型化のめどもつきそう。製造法の特許を出願中だ。 (asahi.com 2007年01月22日)
 

チタン酸ストロンチウムとは何か?


チタン酸ストロンチウムはダイアモンドに似た宝石として使われる。屈折率が約2.41とダイアモンドの2.417とほとんど同じであるため、イミテーションになりそうですが、ダイヤモンドの硬度が10なのに対し、チタン酸ストロンチウムは硬度が5.5程度と低く、ガラスと同程度なので見分けがつく。


熱電変換とは何か?


ビスマスや鉛などの重金属では、金属面に温度差ができると電流が流れる。「熱電変換」という。

「熱電変換」は熱エネルギーと電気エネルギーの間の直接変換で、特殊な半導体や金属材料を用いて、効率良く相互エネルギー変換を行うものだ。

材料に温度差を与えると起電力が発生する効果(ゼーベック効果)を用いて熱流から電力を取り出したり、反対に材料に電流を流すことで吸熱・冷却現象を起こす効果(ペルチェ効果)を用いて物を冷やすことができる。 
 

熱電変換システム設計のための解析―ペルチェ冷却・ゼーベック発電

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