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「あかり」は、日本初の赤外線天文観測専用衛星で、高度約700キロの太陽同期軌道を回り、昨年5月から本観測を続けている。米国、オランダ、英国が共同開発した赤外線天文衛星「IRAS」による宇宙地図を24年ぶりに高解像度で書き換えた。

赤外線天文衛星による全天画像が宇宙航空研究開発機構により11日に公表された。赤外線で見る全天は肉眼で見る宇宙と違った美しさがある。空気のない宇宙空間で撮った映像は繊細でシャープだ。

 
赤外線による宇宙観測により、何がわかるのだろうか?今日は赤外線天文衛星「あかり」について調べる。(参考HP JAXA・ISAS)

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赤外線全天地図:JAXAが公開 宇宙のチリもはっきり


宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日、日本の赤外線天文衛星「あかり」の観測によって作成した宇宙の全天地図を公開した。米欧の衛星の観測で作られた地図を、数倍の高解像度で約20年ぶりに更新した。可視光だと見えにくい高温のガスやチリをはっきりとらえることができる。

「あかり」は06年2月に打ち上げられ、5月から観測を始めた。月に隠れた領域などを除き、これまでに全天の95%以上を観測。これらの画像を組み合わせて全天地図を作製した。

波長9マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の赤外線で見た全天地図では、生まれたばかりの星によって温められたチリやガスが銀河系の中心方向に集中している様子が分かる。JAXA宇宙研究本部の村上浩教授(赤外線天文学)は「ガスがあるのに星が生まれていない領域もある。何がきっかけに星が生まれ、どのように進化していくのかを解明する基礎データにしたい」と話している。(毎日新聞 2007年7月11日)

赤外線天文衛星「あかり」とは何か?


2006年2月22日鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から「あかり」は打ち上げられた。

「あかり(ASTRO-F)」は、日本初の本格的な赤外線天文衛星で、空全体にわたって星や銀河などすべての赤外線源を調べあげる「サーベイ観測」を目的とする。同様の目的でアメリカ・イギリス・オランダによって1983(昭和58)年に打ち上げられた世界初の赤外線天文衛星IRAS(Infrared Astronomy Satellite)と比べ、はるかに高い性能を持つ。

IRASが口径57センチの赤外線望遠鏡を搭載、約10カ月間の観測をしたのに対して、「あかり」は口径67センチで打ち上げ後約550日の観測が可能。

観測装置は遠赤外線を観測するFISと、近・中間赤外線カメラであるIRCの2種類(IRCの近赤外線カメラだけは数年間にわたって観測可能)。撮影能力もIRASの1桁以上高い感度、数倍以上高い解像度を備える。「あかり」は波長9μm、18μm, 65μm, 90μm, 140μm, 160μmの赤外線で全天観測を行う。

「あかり」の主な目標は、「銀河がいつどのようにして生まれ、現在の姿に進化してきたか」「星の誕生とその周りで惑星がどのように形成されたのか」というプロセスの解明だ。

「あかり」の赤外線観測装置で何がわかるか?


1.星の誕生に発生する赤外線を観測する。
銀河の中で星がすごい勢いで誕生している時には、星は雲(暗黒星雲)の中に埋もれてしまって可視光線ではそれほど明るく見えませんが、赤外線で見るととても明るくて、星が生まれているのがよく分かります

2.宇宙はタイムマシン。赤外線で遠い過去を探る。
宇宙の初めの頃に作られた星の光は、大きなドップラー効果によって赤外線として観測されます。そこで「あかり」は、高感度の赤外線観測により数百万個にのぼる銀河を しらみつぶしに観測し、原始銀河を探索します。

3.まだまだわからない恒星の生と死を調べる。
銀河系の中では、今も少しずつ星が作られている。「あかり」は暗黒星雲の中で生まれたばかりの星を探査して、どのような場所でどのようなきっかけで星ができるのか、どのような質量の星がどのような割合で作られるのか、などを調べる。

4.惑星系の誕生を調べる。
惑星の原料である宇宙塵が赤外線で最も良く観測できることを利用して、惑星が作られる過程を解明するのも、「あかり」の重要な仕事である。

「あかり」のこれまでの成果


・平成18年5月の観測開始から1年以上の観測(フル成功基準の要求)を達成
・全天観測による宇宙の赤外線地図作り(6波長帯で連続的に天球を走査)
・ 2回以上観測した天域が、全天の90%を超えた
・赤外線天体検出の信頼性を上げるため、2回以上の観測を要求
・月に隠される等により2回の観測ができなかったところは今後観測
・IRAS衛星による宇宙地図を24年ぶりに高解像度で書き換え
 (IRAS: 米、蘭、英により1983年に打上げられた世界初の赤外線天文衛星)
 指向観測(10分間程度望遠鏡を固定し、詳細観測)
・ 1年間で約3500回の観測を実施
・北黄極、大マゼラン銀河の大規模な高感度サーベイ
・黄道光、星間物質、星・惑星系形成、晩期型星、活動的銀河核/赤外線銀河、
 宇宙背景放射等、15項目の観測計画に基づく系統的観測
・観測機会の一部に対して、日韓欧の研究者を対象とした公募観測を実施
・初期成果の一部は、今年3月に東京大学より報道発表。8月頃に、名古屋
 大学からも発表予定。  
 

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