2007年7月1日には「新幹線N700系」の運転が開始された。そこには新しい技術がたくさん使われている。最高スピードは300km/h。 これでも十分速いのだが、2025年には時速500km/hの「中央リニア新幹線」が開業予定である。 東京〜大阪間をわずか1時間で結ぶ。
「新幹線N700系」や「中央リニア新幹線」で使われている動力は何だろうか?
現在新幹線は「モーター」、リニア新幹線では「リニアモーター」を使っている。両方ともモーターには違いないが何が違うのだろうか?
簡単にいうと「リニアモーター」とは直線状のモーターのこと。ふつうのモーターが回転するのに対し、リニアモーターは直線上を運動する。
リニアモーターの原理を簡単に表すと、次のようなしくみである。(上の図参照)
(1)
(2)駆動時は、動かしたい方向の直線的に配置された固定側電磁石をSにする。すると、運動側磁石はその方向に動き出す。(動かしたい方向と反対側の固定側電磁石をNにすると、より強い力で駆動される。)
(3)加速時は、固定側電磁石の磁極変化を繰り返していくと、運動側磁石は、前方に引き寄せられつづける。
静止時は、直線的に配置された固定側電磁石と運動側磁石は逆の極(たとえばNとS)。
(2)駆動時は、動かしたい方向の直線的に配置された固定側電磁石をSにする。すると、運動側磁石はその方向に動き出す。(動かしたい方向と反対側の固定側電磁石をNにすると、より強い力で駆動される。)
(3)加速時は、固定側電磁石の磁極変化を繰り返していくと、運動側磁石は、前方に引き寄せられつづける。
今日は実用化されている「リニアモーター」のしくみと、ふつうの「モーター」との違いについて調べる。(参考HP Wikipeia)
どんな「リニアモーター」が実用化されているか?
リニア新幹線で使う「リニアモーター」は「JRマグレブ」といって「超伝導電磁石」により走行するリニアモーターカーである。「超伝導磁石」を使う方式を研究・開発しているのは日本だけである。
しかし、ふつうの「リニアモーター」を使った「リニアモーターカー」はもうすでに実用化されている。どんなものがあるのだろうか?
日本では1991年開業の都営地下鉄大江戸線、2001年開業の神戸市営地下鉄海岸線、2005年開業の福岡市地下鉄七隈線、2006年開業の大阪市営地下鉄今里筋線がある。
世界的にはドイツが開発したトランスラピッド、英国が開発したバーミンガムピープルムーバ、米国のインダクトラックなどがある。
上海では、英国、ドイツに次ぐ世界3番目の営業用(博覧会などでの営業用は除く)磁気浮上式リニアモーターカー上海トランスラピッド(最高速度430km/h)が、営業中である。
またリニアモーターは身の回りの物にも使われている。例えば、電動ひげそりにもリニアモーターが使用されているものがある。磁石のN極・S極を高速で変化させ、刃を左右に動かしている。また自動ドアにも、リニアモーターの原理を利用して、ドアの開閉をさせているものがある。
モーターとは何か?
一般に電気で動く「電動機」を「モーター」という。しかし、本来の「モーター」という言葉そのものは、単に「動力」という意味であり、特に電動機に限定した用語ではない。
従って、何らかの動力の役割を果たす構造・機構は、モーターと形容されることもよくある(モーターサイクルやモーターボート、モータースポーツなどがその例)。
電動機(電気モーター)とは?
電動機(electric motor)は、一般にモーターと呼ばれている。電気エネルギーを機械エネルギーに変換する電力機器(原動機)の総称である。
一般に、磁場(磁界)と電流の相互作用による力(ローレンツ力)を利用して、回転運動を出力するものが多いが、直線運動を得るリニアモーターや磁場を用いず圧電効果を利用する圧電モーターなども実用化されている。
モーターにはいろいろな種類があるが、モーターは固定側(ステータ)と運動側(回転側:ロータ)があって、どちらかが、回転(変動)する磁界を発生して、その磁界の変化によって、駆動力を得るものである。
まず理解しやすい、固定側に磁石があって、運動側の電磁石のコイルに変化する電流を供給することによって、変動する磁界を発生させるモーター(いわゆる整流子電動機(Brush Motor)について考えるとわかりやすい。(上の図参照)
リニアモーターとは何か?
リニアとは線状という意味であり、円形の回転モーターを開いて平らにし、線状にのばしたものをリニアモーターという。円形の回転モーターに対して「平面上に線状に誘導体を並べた構造の」モーターのことである。
一般的には、電気エネルギーを直線的な推進力にかえる仕組みとしてつかわれる。いくつかの種類があるが、実際にモーターとして利用される場面では、誘導型モーターと同期型モーターがある。
リニアモーターの原理は、磁石の力である。磁石にはN極とS極のふたつの極があり、同じ極どうしは反発しあい、異なる極どうしは引きあう。同期型では磁石の反発力や吸引力を利用して、推進力を発生させる。
同期型のリニアモーターの原理を簡略的に表すと、上の図のようになる。
接地式と浮上式
リニアモーターカーは和製英語である。リニアモーターは、部品として見た場合は、連続的に誘導体が配置された(電磁誘導式)モーターのことで単に動力の種類を指しており、鉄道や浮上式かどうかに限定した用語ではない。
例えば、普通の自動車・バスなどで、リニアモーターの誘導体を車体とホイールハブに円弧状に内蔵して、タイヤの回転力を生み出し、それにより駆動するシステムを採用すれば、これもリニアモーターカーである。
磁気により浮上するリニアモーターカー(磁気浮上式鉄道)に関しては、日本の東海旅客鉄道(JR東海)や欧米諸国では「マグレブ」と呼ぶことが多い。
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梅原 淳 | |
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