
現代の観測技術はすばらしい。宇宙地図をつくるための宇宙三角測量法、最新の方法では、天体の位置を10マイクロ秒角(3億6千万分の1度)という超高精度で計測できる。
これは、地球上から月面上に置いた1円玉を見わけられる観測精度だそうだ。
この観測技術には「VERA」という名前が付けられている。「VERA」とは、「VLBI Exploration of Radio Astrometry」を略したもので、「VERA」はラテン語で「真実」を意味する。これは電波望遠鏡を使った、最先端の観測技術である。現在、国立天文台を中心に、多くの大学や研究所からさまざまな分野の研究者が参加し、2003年から観測が始まっているそうだ。
今日は「VERA」とは何か?調べたい。(参考HP:国立天文台)
「VERA」とは何か?
「VERA」は、銀河系の3次元立体地図を作るプロジェクト。
「VERA」がなぜ観測精度を上げることができたかというと、その電波望遠鏡による観測方法に特徴がある。
電波望遠鏡とは何か?
電波望遠鏡は天体から発する、さまざまな電磁波をとらえて増幅し、観測する装置である。
通常、望遠鏡では目に見える可視光だけを観測する。可視光も電磁波の一つだが、あらゆる電磁波をとらえることで、目に見えない天体や、見ただけではわからない電磁波を出す天体の特徴を観測できる。
「VERA」では、天体が発するマイクロ波(1メートルより波長の短い電波)を増幅して観測する。これをメーザーMASERという。
マイクロ波の代りに光(Light)を増幅したものを、レーザーLASERというのはよく知られている。
「VERA」の特徴2ビーム
「VERA」の最大の特徴は、2つの天体が同時に観測できる「2ビーム」望遠鏡だ。
これまでの1ビーム観測では大気の揺らぎのために天体の位置を正確に測定することができなかった。
「VERA」では隣接する2つの天体を同時に観測することで大気揺らぎを打ち消し、位置の精密測定を可能にする。(このような観測手法を相対VLBIという。)
「2ビーム」同時受信が可能な電波望遠鏡は、天文観測用としては「VERA」が世界で唯一のもので、これまでこのような電波望遠鏡はなかった。
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