
7月21日はJAXA一般公開日である。今年も訪問した。当日は梅雨も終わっておらず雨が心配であったが、やはり宇宙の人気は高い、多くの人が訪れていた。
内容としては、ほぼ昨年と同じだが着実に進化する先端科学の雰囲気を感じることができ、満足できた。
入口で、紙でできた「月のうちわ」とエコバッグのような「JAXAオリジナルバッグ」をもらえるのがうれしい。
「人工オーロラ」の発生装置では大勢の人が並んた。待ち時間は1時間という人気ぶりだった。毎年楽しみなのは「クイズコーナー」。室内の掲示物を見て宇宙のクイズに答えると、JAXAのバッチやファイル、ストラップなどがもらえるので子供から大人まで大勢が参加していた。これは宇宙の勉強になるからよいと思う。
宇宙で食べる食料研究も進んでいた。将来の火星など長期宇宙旅行にそなえ、動物性タンパク質としてカイコを飼育して食べる。昨年はカイコの佃煮だったが今年はサナギ入りクッキーを食べてみた。味はふつうのクッキーと同じ。知らずに食べたある若い女性は悲鳴を上げた。
宇宙研究所といってもロケットや人工衛星はもちろん、物質の性質から、太陽電池、燃料電池、固有振動数、ロボット、放射線、動物、植物など、さまざまな分野の最先端の科学研究が集まっているので飽きることがない。
さまざまな研究を紹介したいのだが、今回はソーラーセイルについて取り上げたい。
中越沖地震で問題になった柏崎原発の放射線漏れ。宇宙旅行でも問題になるのが宇宙放射線である。中でも太陽から飛んでくる太陽風の中の放射線は強烈である。
この嫌われ者の放射線であるが、これを宇宙旅行に利用しようというのがソーラーセイルだ。簡単にいうと宇宙に帆を広げ太陽からの光や放射線をうけとって宇宙船が進む。今日はソーラーセイルについて調べる。(参考HP JAXA宇宙航空開発機構)
ソーラーセイルとは何か?
ソーラーセイルは、太陽からの光の圧力を推進力として航行する宇宙船だ。太陽光の 圧力を受けるというのは、太陽電池のようなものではなく、光子と呼ばれる光の粒子がソー ラーセイルの膜面に衝突することによって、推進力を得る。これはちょうど、風の力 を受けて海上を進む帆船に似ている。
また、帆船の場合は風に向かって進むことができるが、ソーラーセイルに関しても同様 に、膜面の向きを変えることによって、太陽に向かって進むことができる。
光の圧力というのは、地球上にいる私たちが全く感じることができないほど小さなものだ。しかし、この小さな力をソーラーセイルの非常に大きな膜面で受けることにより、ソーラ ーセイルを動かすことができるほどの力になる。さらに、光を受け続けている限り、ソーラーセイルは加速し続け、非常に大きな速度を得ることができる。
ソーラーセイルが従来の宇宙船と異なる最大の特徴は、「燃料がいらない」ということである。このため、多くの燃料が必要になる遠くの惑星にも行くことができる。
ソーラーセイルの構造 〜 遠心力による膜の展開方式 〜
太陽からの光の圧力を推進力とするソーラーセイルは、光を受ける膜面が非常に大きく なければならない。現在考えられているものではその大きさが1万平方メートルにもなる。もちろん、これほど大きいものを宇宙空間に打ち上げることは不可能なので、打ち上 げ時に膜面は折りたたんだ状態にある。
宇宙空間でソーラーセイルの膜面を展開する方式として、2つの案が考えられているが、ソーラーセイル本体が回転することによる遠心力で展開するという点で共通している。
一方は、本体を中心に扇子状に展開してゆくもので、「せんす型」と呼ばれる。もう一方は、「逆傘型」と呼ばれるもので、本体から離れたところを中心に展開し、四葉の クローバーのような形になる。
ソーラーセイルの膜 〜 ポリイミドフィルムの優れた性質 〜
太陽の光を受けるソーラセールの膜面は,100℃以上の高温になる。また、宇宙には いろいろな放射線があるため。ソーラセールに使う膜はこれらに長期間、十分耐え得るよう な性質の高分子フィルムでなければならない。
沢山の高分子フィルムの中で、この条件 に最も適している膜として「ポリイミド」が選ばれています。ポリイミド(PI)は,短い時間なら400℃の高温でも使用できる唯一の超耐熱性高分子フィルムである。
太陽光や放射線に対しては,ポリエチレンやナイロンに比べて100〜1000倍も強く、 宇宙空間で10年間も使用することができる。このような優れた性質のため、 宇宙開 発分野においては人工衛星の表面を被うなど、広く利用されている。
それだけでなく、現 在ではマイクロエレクトロニクス分野をはじめとして、多くの産業分野で重要な耐熱性高分子フィルムとなっている。ソーラセールの膜面には,このポリイミドの厚さ10μm程の膜に、さらに薄い金属アルミニ ウムを付けた材料を張り合わせて使う。 (JAXA記事より引用)
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