科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、最新科学の?をなるべくわかりやすくコメントします。
ライフサイエンスの分野での発見が続いている。

1つはさまざまな生物のタンパク質の構造と働き。もう1つはさまざまな生物のDNAのゲノム(塩基配列)と働きである。そしてDNAを元にしてタンパク質はつくられているので両者は密接な関係がある。

実際にDNAのゲノム(塩基配列)によってタンパク質の種類が決まっている。そして染色体はDNAとタンパク質が結合してできており、不思議なことにどんな生物の染色体もX型の構造をしている。 


この生物研究者にはおなじみの染色体のXの形。どうしてこんな形に決まっているのだろうか?雄のY染色体以外はすべてX型である。

今回、大阪大工学研究科の松永幸大(さちひろ)講師(分子遺伝学)らの研究グループが染色体のXの交点にあるタンパク質が染色体をつなぎ止め、正しく分裂させていることを発見。「アシュラ」と名付けた。

今日は「染色体」と「アシュラ」というタンパク質について調べる。(参考HP Wikipedia)

関連するニュース
「3つの顔」もつたんぱく質解明 染色体形成でも役割


細胞が分裂する時に、遺伝情報を収納する染色体をつくるうえで必須のたんぱく質を、大阪大工学研究科の松永幸大(さちひろ)講師(分子遺伝学)らの研究グループがみつけ、26日付の米科学誌カレント・バイオロジー電子版に発表した。

このたんぱく質はすでに二つの機能が知られており、今回発見の機能が三つ目。研究グループは、三つの顔を持つ仏法の守護神にちなみ「ASURA(アシュラ)」と命名した。

染色体は、DNAがまとまったもので、ヒトでは23対46本ある。男性のY染色体をのぞき、すべてX字形をしており、左右対称に同じ遺伝情報がある。

研究では、アシュラがヒト細胞でX染色体の要になる部分に作用し、細胞分裂の途中まで左右をつなぎとめる役割をすることを突き止めた。アシュラがないと、染色体がうまく形作られず、遺伝情報がバラバラになり、分裂がうまくいかなかった。

このたんぱく質は、細胞内で酸素呼吸にかかわるミトコンドリアを形成する機能と、排卵を促す女性ホルモンの作用を抑制する機能が知られている。今回の発見で、染色体異常が起きるがんの発生メカニズム解明や治療法開発への貢献が期待される。(asahi.com 2007年07月27日)
 

タンパク質「アシュラ」とは何か?


このたんぱく質は、細胞内で酸素呼吸にかかわるミトコンドリアを形成する機能と、排卵を促す女性ホルモンの作用を抑制する機能が知られている。

今回の発見で細胞分裂のときの染色体形成の働きをすることがわかった。

ミトコンドリア形成、ホルモン抑制、染色体形成とまったく違う、3つの働きをするタンパク質ということで、3つの顔を持つ仏法の守護神「阿修羅」にちなんで名前をつけたという。

染色体とは何か?


染色体(せんしょくたい)は遺伝情報をになう生体物質である。

塩基性の色素でよく染色されることから、1888年にヴァルデヤー (Heinrich Wilhelm Gottfried von Waldeyer-Hartz) によって Chromosom と名付けられた。ギリシャ語で「色のついた物体」を意味する。

染色体は非常に長いDNA分子がヒストンなどのタンパク質に巻き付きながら折り畳まれた構造体である。真核生物では核内に保持されている。染色体には歴史的な理由からいくつかの定義がある。

もとの意味では、細胞周期の分裂期に見られる凝縮した構造体を指す。一般的に染色体の形態として認識されている X状の構造(上図参照)はこの時期のものである。

形態や細胞周期に関わらず、真核生物の細胞にあるDNAと塩基性タンパク質のヒストン、およびその他の多様なタンパク質からなる生体物質を指す場合、これはクロマチン・染色質の意味も含む。 

染色体の構造とは?


染色体の基本構造はDNAとヒストンというタンパク質からなる。

一本の染色体には一本のDNAが含まれている。DNAは非常に長い物質であり、細胞核に収納するには折り畳む必要がある。DNAは核酸なので酸性であり、塩基性タンパク質のヒストンとの親和性が高く、全体的には電荷的に中和され安定化している。DNAとヒストンの重量比は、ほぼ1:1である。

最も基本的な構造はヌクレオソームである。8つのヒストンタンパク質からなるヌクレオソームヒストン(コアヒストン)は、約150塩基対のDNAを巻き取ることができる。ヌクレオソームの間にはヒストンH1(リンカーヒストン)が結合する。最も低次のヌクレオソームと、分裂期に見られる最も高次の染色体形態の間にあるクロマチン構造についてはあまり研究が進んでおらず、いくつかのモデルが提唱されているものの詳しいことは不明である。

ただし、ヌクレオソーム構造はさらに凝集し、直径30nmの繊維となり、通常は顕微鏡下では見えないが、細胞分裂中期に現れる糸状の物体として確認できる。基本的にはこのような繊維が螺旋状に巻き、折り畳まれることによって高次化していく。この過程には、コンデンシン複合体やトポイソメラーゼIIが関与していることが知られているが、その詳細な分子メカニズムはよく分かっていない。 

染色体研究の歴史


染色体が遺伝に関係があるとわかってからまだ100年も経っていない

染色体が発見されたのは1842年。カール・ネーゲリ (Karl Wilhelm von Nägeli) によって発見された。

1888年に染色体(chromosom)と名付けたのはヴァルデヤーである。

1902年にウォルター・S・サットンにより染色体が遺伝子の担体であるとする染色体説が提唱され、1920年ごろまでにはモーガンらにより実証された。  


タンパク質がわかる本―この不思議な「生命の万能素材」 (ニュートンムック)

ニュートンプレス

このアイテムの詳細を見る
進化からDNAへ―地球生命40億年の旅

ニュートンプレス

このアイテムの詳細を見る

ランキングブログ検索 ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ ←One Click please