
先日、コウノトリが絶滅の淵から蘇ったのもつかの間、3日環境省から哺乳類や魚類などのレッドリストが発表された。7年〜10年ぶりの変更で、残念ながら全体では絶滅危惧種は461種増え、合計3155種になった。
ただし哺乳類については前回48種であったが、今回42種に減った。淡水魚類については76種から144種に増えた。
主な変更危惧種はジュゴン(絶滅危惧1A類に追加)、イリオモテヤマネコ(絶滅危惧1B類から1A類に引き上げ) 琵琶湖のニゴロブナ・ゲンゴロウブナ(絶滅危惧1B類に追加)
逆に増えたものは下北半島のホンドザル、植物ではアサザ、サクラソウ、シバナ、サギソウなどがある。
環境の問題は簡単ではないが、まずはみんなで関心を持つことが大切。どんな生物が絶滅危惧種なのだろうか?
今日は「ジュゴン」と8月3日発表された「レッドリスト」について調べる。(参考HP Wikipedia・環境省)
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ジュゴンなど絶滅危惧種に 環境省がレッドリスト見直し
環境省は3日、絶滅の恐れのある野生生物の一覧表「レッドリスト」の見直し結果を公表した。海にすむ哺乳(ほにゅう)類ジュゴンを初めて評価対象に加え、絶滅の危険が最も高いランクに分類した。琵琶湖沿岸の伝統食品ふなずしの材料、ニゴロブナも絶滅危惧(きぐ)種になった。
レッドリストは野生生物について、絶滅、野生絶滅、絶滅危惧(1A類、1B類、2類)、準絶滅危惧など8区分で評価している。
ジュゴンは国内では沖縄本島周辺のみに50頭未満生息するとみられ、絶滅危惧1A類に。これまで上陸しない海の哺乳類は評価の対象外だったが、ジュゴンのエサ場は浅い沿岸域で、陸上の開発行為の影響を受けやすいため、対象に加えたという。哺乳類では他にイリオモテヤマネコやラッコの危険度も引き上げられた。
汽水・淡水魚類では、琵琶湖のニゴロブナやゲンゴロウブナが、オオクチバス(ブラックバス)といった外来種の影響などで数が減り、絶滅危惧1B類に。また田園地帯のタナゴ類の多くで絶滅の恐れが高まっていることがわかった。
7〜10年ぶりに全面的なリスト見直し作業を進めており、昨年末の4分類に続いて今回は、哺乳類や魚類など6分類の見直し結果が公表された。絶滅の恐れがある種は461種増え、計3155種となった。
レッドリスト見直しの主な内容
・ジュゴンが絶滅危惧1A類に追加
・イリオモテヤマネコが減少傾向で、絶滅危惧1B類から1A類に引き上げ
・絶滅の恐れがある地域個体群としていた下北半島のホンドザルが増加傾向でランク外に
・琵琶湖のニゴロブナ(ふなずしの材料)、ゲンゴロウブナが絶滅危惧1B類に追加。オオクチバスなどの外来種の影響
・メダカはこれまで通り絶滅危惧2類
・保全の結果、絶滅危惧2類だったアサザ、サクラソウ、シバナ、サギソウが準絶滅危惧に (asahi.com 2007年08月03日)
絶滅のおそれのある種としてレッドリストに掲載された種数の表
各分類群 旧リスト → 新リスト
哺乳類レッドリスト 48種 → 42種 別添資料1
汽水・淡水魚類レッドリスト 76種 → 144種 別添資料2
昆虫類レッドリスト 171種 → 239種 別添資料3
貝類レッドリスト 251種 → 377種 別添資料4
植物Iレッドリスト 1665種 → 1690種
植物IIレッドリスト 329種 → 463種
(6分類群のレッドリスト合計) 2540種 → 2955種
全10分類群合計で2694種(旧リスト)から3155種(新リスト)
環境省では、レッドリストについて広く普及を図ることで、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存への国民の理解を深めるとともに、関係省庁や地方公共団体等に配布することにより各種計画における配慮等を促す予定である。(出典:環境省)
ジュゴンとは何か?
人魚の伝説のモデルとなったのは、このジュゴンであるとも言われる。人魚になぞらえられるのは、一つには、ひれ状の前肢で子を抱いて、立った形で海上に浮くからだともいう。また、ジュゴンにはヒトと同じく2つの乳頭が、胸びれの付け根にある。
西洋人ではじめてジュゴンを見たのは16世紀にインド洋を航海したポルトガルの探検家兼海賊であり、1560年に、7頭のジュゴンがヨーロッパへ持ち込まれたという。
人魚と混同されたことから、(実際に高級牛肉のように霜降りで美味しいのも手伝って)ジュゴンの肉や歯にはさまざまな薬効があるとされ、乱獲されることになった。琉球でも、ジュゴンの肉が長寿の薬として珍重されていたという。
ジュゴンは海棲哺乳類の1種。ジュゴン目(海牛目)ジュゴン科に属する。かつては2属2種であったが、1760年代にステラーカイギュウが絶滅したため、現在はジュゴン Dugong dugon (1属1種)のみである。
体長2.5m前後(最大3.3m)、体重は平均230-500kgといわれる。 最高は908kgとの記録が残されている。前肢は短く顔には届かない。尾鰭は半月状。
生態
単独で、または数頭の少群で暮らす。つがいで行動することはなく、群で行動するのは授乳中の母子のみともいう。夜行性で、昼間は海底で休息する。遊泳速度は時速3kmほど、潜水の深度は深くて12mほど。2-12分ごとに呼吸のために浮上する。
好奇心旺盛で、潜水漁をしている漁師の様子を見に来ることもあるが、音には敏感で、船のエンジン音を聞くと一目散に逃げるという。
浅い砂地の海に生えるアマモ等の海草を食べる。アマモ類は藻類ではなく、むしろ地上の草に近い植物だが、ジュゴンは極端な偏食であるため、餌場であるアマモの藻場(もば)がなくなれば、その地域では絶滅する。海草のほか、ゴカイ、カニ、ホヤなどを補助栄養とすることがある。
6-17年で成熟し、繁殖可能となる。妊娠期間は13-15か月。1回の出産で1頭の仔を生む。個体の増加率は低く、5%以下と言われる。種を維持するためには、捕獲できるのは全個体数の2%以下とされる。寿命は70年以上。
生息海域
かつてはアフリカ東海岸から東シナ海、オーストラリア付近まで広く分布していたが、現在はこのうちの限られた海域にしか分布していないといわれる。オーストラリアには8万頭、他の36か国の沿岸域に2万頭、計10万頭と推定されている。オーストラリアでは手厚い保護の対象となっているが、それ以外の国では、十分な保護を受けているとはいえず、17か国では減少しつつあると見られる。
分布の北限は日本の南西諸島海域であるが、少数であり、すでに50頭未満となっていると見られる。日本哺乳類学会のレッドリストでは、南西諸島のジュゴンを「近絶滅種」として、警告を発している。また、水産庁のレッドデータブックでも、「絶滅危惧種」となっている。環境省および沖縄県のレッドリストには記載されていなかった。
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