科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、最新科学の?をなるべくわかりやすくコメントします。
前回、飛行機の飛ぶ原理を学んだが、今回は飛行機の落ちる原因と事故対策を学ぶ。 

今から22年前、1985年 8月12日、日本航空 123便ボーイング747が群馬県 多野郡上野村の高天原山 (いわゆる「御巣鷹の尾根」) に墜落した。 

乗員乗客524人中520人が死亡。一機の事故としては史上最悪の犠牲者を出す。歌手の坂本九、元宝塚娘役で女優の北原遥子、阪神タイガースの中埜肇球団社長、ハウス食品の浦上郁夫社長、大相撲の伊勢ヶ浜親方 (元大関 清國) の妻子、脳神経学者の塚原仲晃など、著名人の多くが巻き込まれた。 

原因は過去のしりもち事故で機体に施した修理にミスがあったため、羽田を離陸して間もなく後部圧力隔壁が破損、機内から圧縮空気が一気に垂直尾翼内に吹き込み、これを破壊したため全油圧系統を喪失し、操縦不能に陥ったためであった。

事故現場となった群馬県の御巣鷹の尾根などでは今年も追悼行事が行われた。

あれから、あれほどの事故は起こっていないようだが、航空事故というのはどんなことが原因なのだろうか?

また事故防止のためにどんな対策がとられているのか調べたい。(参考HP Wikipedia)


航空事故の原因とは何か? 


航空事故のおよそ8割は、機が離陸・上昇を行う際と進入・着陸を行う際の短い時間帯に起こっている。巡航中に発生する事故も少なくはない。

事故原因の大半は人為的なミス (操縦ミス、判断ミス、定められた手順の不履行、正しくない地理情報に基づいた飛行、飲酒等の過失など) または機械的故障 (構造的欠陥、不良製造、不良整備、老朽化など) に端を発するものとなっている。

航空事故を専門に追跡する planecrashinfo.com が1950年から2004年までに起った民間航空事故2147件をもとに作った統計によると、事故原因の内訳は以下の通りとなっている:

37%: 操縦ミス  33%: 原因不明  13%: 機械的故障   7%: 天候  
5%: 破壊行為 (爆破、ハイジャック、撃墜など) 
4%:操縦以外の人為的ミス (不適切な航空管制・荷積・機体整備、燃料汚濁、言語、意思疎通の不良、操縦士間の人間関係など) 
1%: その他

航空事故の対策とは何か?


操縦ミスやハイジャックなどの問題はあってはならないことだが、セキュリティーの問題で事前にチェックすれば回避できる。

次に多いのは機械的故障などで、これには1985年の日航機墜落事故がある。金属は丈夫なようで、もろく、金属疲労を起こしやすい欠点があった。そのため初期の航空事故の大半は、飛行中に突然機体が分解するというものが多かった。

これに対しては近年、「より速くより遠くへ」という考え方から「より安全でより効率的に」飛ぶことが重要視されるようになっている。その鍵となる技術が「炭素複合材」だ。従来のアルミ合金よりも軽量でしかも強度が高いという性質を持つ。

たとえば最新航空機ボーイング787では胴体と翼など、全体のおよそ50%を炭素複合素材が占めている。燃費は2割程度向上するといわれ、また部品同士をつなぐリベットも減らすことができるため、整備の負担が減り、機体の安全性もより高くなることが期待されている。

また、大型航空機事故のおよそ5割に関わっている乱気流の対策も進められている。JAXAでは、飛行中に乱気流を避けるため機体にレーザー光で風を検知する装置をとりつけ乱気流をさけながら航行できる手法を研究中。

さらに、究極の「落ちない飛行機」の研究も行なわれている。東京大学では、翼に突起を付けることで失速せずに安定した飛行ができる翼の研究を進めている。また、故障が起きてもそれを自動的に認識し、安全な航行を実現するコンピュータープログラムも開発中である。(NHK:サイエンスZERO HPより)

最新型ボーイング787とは?


ボーイング 787「 ドリームライナー (Boeing 787 Dreamliner)」 は、ボーイング社が開発している次世代中型旅客機。ボーイング757、ボーイング767およびボーイング777の一部の後継となる。中型機としては航続距離が長く、今までは大型機でないと行けなかった距離もボーイング787シリーズを使うことにより直行が可能になる。この事により、需要のあまり多くない路線でも開設する事が可能になるとされている。

経済性(Economy)と効率(Efficiency)を追求したのが特徴。省エネルギー運航の実現のために、機体の構造材料には「軽くて強く、高耐久性を有する」炭素繊維複合材料が大幅に使用されている。構造材重量の約50%に炭素繊維複合材料が使われ、一機あたりの炭素繊維使用量は一次構造材、二次構造材を合わせて約30トンに達する。

炭素繊維を大量に構造材に用いたことによって、軽量化に成功。燃費効率の向上(従来比+20%)による運航コストの大幅削減に加え、機内環境についても居住空間の拡張、窓面積の大幅拡大、キャビン内の湿度を高くできるなど、乗客の快適性を向上させることができることから、世界の航空会社から好評を博し、その受注は非常に好調に拡大している。

炭素複合材とは?

炭素複合材は炭素繊維と樹脂を組み合わせたもので、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)ともいう。従来のアルミ合金やチタン合金に比べ強度・剛性および耐蝕性に優れている。

ボーイング747とは何か?


ジャンボジェットの愛称で呼ばれる機体である。この愛称は、デイズニーのアニメ「ダンボ」の母親の名から来ている。機首から主翼付近までは2階建てという特徴的な胴体を持っており、断面は達磨のような形状である。

当初ボーイングでは、「鈍重なイメージがあるこの愛称は最新鋭機にふさわしくない」として最近までこの愛称を認めておらず、「スーパーエアバス」と呼んでいた。しかし、「ジャンボ」が一般に受け入れられていることもあり、現在ではボーイングも「ジャンボ」と呼んでいる。

1969年2月に初飛行してから現在でも生産が続けられているベストセラー旅客機で、エアバスが初飛行するまでは世界一巨大な旅客機であった。また日本の政府専用機やアメリカの大統領専用機VC-25(エアフォースワン)、シャトル輸送機としても使われている。なお、現在の航空会社1社の保有機数は日本航空の70機が世界最多である。 
 

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