酸とアルカリの違いは何か?
酸とは何か、アルカリとは何か?それぞれ、いくつか性質をあげてみよう。
酸
1.酸とはレモンのしぼり汁や食酢、胃液などは、酸っぱいもの。
2.リトマス紙を青から赤にする。BTB液は黄色にする。
3.マグネシウムと反応し水素を発生する。
4.薬品としては、塩酸、硫酸、酢酸、炭酸などがある。
5.水に溶けると水素イオンH+を出す物質。
6.水素イオン濃度 pH<7
アルカリ
1.アルカリとは灰汁や石けん、石灰水などのような苦いものをいう。さわるとぬるぬるする。
2.リトマス紙の赤を青にしBTB液は青色にする。フェノールフタレイン溶液を赤くする。
3.薬品としては、水酸化ナトリウム、石灰、アンモニアなどがある。
4.酸とアルカリは中和して、水と塩をつくる。
5.水に溶けると水酸化物イオンを出す物質。
6.水素イオン濃度 pH>7
さて、いくつ言えたであろうか?化学を学ぶとき、5の酸=水素イオンH+を出す物質、アルカリ=水酸化物イオンOH-を出す物質と学ぶ。こうして酸・塩基を定義するとすっきりとわかりやすくなる。
この考えを初めて、発表した人がアレニウスである。そして、この考えをアレニウスの定義という。アレニウスは1903年この定義により、第3回ノーベル化学賞を受賞した。
今日は「アレニウス」と「電解質の解離の理論」について学ぶことにする。
スヴァンテ・アレニウス
スヴァンテ・アレニウス(Svante August Arrhenius, 1859年2月19日 – 1927年10月2日)はスウェーデンの科学者で、物理学・化学の領域で活動した。
物理化学の創始者の1人といえる。1903年に電解質の解離の理論に関する業績により、ノーベル化学賞を受賞。
アレニウスの業績(アレニウスの名前が残っていることがら)
酸と塩基に対する「アレニウスの定義」。
化学反応の速度の温度依存性を表す式(アレニウスの式)。
炭酸ガスの温室効果について初めて言及した。
アレニウスの定義とは?
アレニウスが提唱した定義では、水 H2O に溶けてプロトン(正確にはヒドロン, 水素イオン)H+ を生じる物質を酸、水酸化イオンOH- を生じる物質を塩基という。この定義にあてはまる酸をアレニウス酸、塩基をアレニウス塩基と呼ぶ。
酸を HA、塩基を ROH とすると、水溶液中で酸は H+ を生じ、塩基は OH- を生じる。
HA → H+ + A-
ROH → R+ + OH-
具体例として、塩化水素 HCl は H2O に溶けると、H+ を生じるのでアレニウス酸である。
HCl → H+ + Cl- (正確にはHCl + H2O → H3O+ + Cl- だが実質的に H3O+ は H+ と同じ。)
水酸化ナトリウム NaOH は H2O に溶けると、OH- を生じるのでアレニウス塩基である。
NaOH → Na+ + OH-
この定義において、アンモニアは水酸化物イオンを生じないので塩基ではない。
アレニウス酸とアレニウス塩基を混合すると、塩(えん)及び水を発生する。アレニウス酸・塩基の強度はリトマス試験紙に代表されるさまざまな指示薬やpHメーターなどによって計測することができる。
アレニウスの式とは?
アレニウスの式(アレニウスのしき)はある温度での化学反応の速度を予測する式である。反応の反応定数 kは
- A:温度に無関係な定数(頻度因子)
- E:活性化エネルギー(アレニウスパラメータともいう)
- R:気体定数
- T:絶対温度(K)
であらわされる。反応速度は温度が高く、活性化エネルギーが低いと大きくなる。
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