
今年の夏は暑いことと降水量が少ないのが特徴である。梅雨は長かったが暑さは十分取り戻せたように思う。しかし晴れているおかげで夜暖かく、天体観測には好都合だ。
8月28日夕方、いよいよ夏休み最後の天体ショー「皆既日食」を全国各地で見ることができる。
28日は17時51分に欠けはじめ、18時52分皆既日食となる。食の最大は、19時37分。そして再び本影の縁に月が差しかかり、皆既食が終わるのは20時23分。ここからは約1時間部分食が続き、21時24分に月食は完全に終わる。

しかし東京の月出は18時11分で月は約3割ほど欠けた状態で昇ってくる。月食の経過は日本全国どこでもほとんど同じ時刻だが、月出の時刻は観察する場所によって異なるので注意。沖縄南西諸島では皆既月食となった後に月出となる。
見所は皆既月食になったとき、見えないはずの月が赤銅色に星空に浮かぶ姿。そして、皆既月食の間に輝く星たち、南の低い空に1番星の木星、その下にさそり座のアンタレス、さらに天頂には夏の大三角形が街中でも見られる。
国立天文台では、「皆既月食どんな色?」キャンペーンを行っている。
くわしくはこちら → http://www.nao.ac.jp/phenomena/20070828/index.html
今日は28日の月食について調べる。(参考HP 国立天文台)
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皆既月食:28日、6年半ぶりに全国で
「皆既月食」が28日、6年半ぶりに全国で見られる。ペルセウス座流星群に続く夏の宵の天文ショーだ。日本で次に皆既月食が見られるのは、2010年12月。楽しみ方を紹介する。
「夕焼け空の美しさが、そのまま月に映ったよう。神秘的で素晴らしい色合いです」。天体写真家の藤井旭さん=福島県郡山市=は、皆既月食の魅力をこう語る。
欠ける部分の少ない部分月食の場合、欠けた部分は黒く見える。皆既月食では、半分程度以上欠けた段階から、欠けた部分が赤銅色に見えるのが特徴だ。皆既時には、赤銅色の円い月が星空に浮かぶ。
月食は、太陽、地球、月が一直線に並び、月を照らす太陽光が地球に遮られるために、月が欠けて見える。今回は28日午後5時51分に月が地球の影に入るため、ほとんどの地域では、月の出の段階で既に月食が始まっている。
国立天文台(東京都三鷹市)によると、東京では午後6時11分に3割ほど欠けた月が昇る。月全体が地球の影の中にすっぽりと入る皆既月食は同52分から約1時間半。その後、欠けた部分が徐々に小さくなっていき、9時24分に月食が終わる。
欠けた部分が黒くならないのは、太陽光が地球の大気で屈折し、一部の光が地球の影になった月まで届くためだ。太陽光が大気を通る際、夕焼けと同じ原理で、青い光はチリなどで散乱され、赤い光が多く残るため、月が赤銅色に見える。
実は、部分月食でも欠けている部分は赤銅色をしているが、欠けていない部分が大きいと、その部分の明るさが強いために赤銅色に見えない。
欠けている部分も欠けていない部分も、明るさや色合いは刻々と変化する。肉眼でも十分に楽しめるが、双眼鏡があれば変化を詳しく見ることができ、藤井さんは「影の端ほど赤みが薄れ、黄や緑がわずかに交じって見えることもある」と話す。変化を色鉛筆などでスケッチすれば、夏休みの自由研究にもなりそうだ。
明るさや色合いは、大気の透明度によっても変化する。93年6月4日の皆既月食では、その2年前にフィリピン・ルソン島のピナツボ火山で大噴火が起きた影響で、大気中のチリが多かった。赤い光まで散乱され、月のほとんどの部分が灰色に見えたという。
多くのプラネタリウムでは現在、月食の仕組みや見え方を解説している。名古屋市科学館の毛利勝廣学芸員は「仕組みが分かると、当日の楽しさが増す。今の時期、南の低い空に1番星の木星、その下にさそり座のアンタレス、さらに天頂には夏の大三角形が街中でも見られる。月食をきっかけに、身近な星の魅力にも気付いてほしい」と話す。皆既月食の解説や、観望会を開く施設などの情報は、国立天文台のホームページ(http://www.nao.ac.jp/)へ。(毎日新聞 2007年8月25日 )
そもそも月食とは何か?
月は太陽光を反射して輝いています。月食とは、太陽−地球−月が一直線に並んで、月が地球の影に入ることで暗くなり、まるで月が欠けてしまったかのように見える現象です。
地球の影には、太陽光の一部だけがさえぎられた「半影」と、太陽光の大部分がさえぎられた「本影」の2種類があります。月が半影に入ることを「半影食」といいます。半影はぼんやりとした影なので、目で見ただけでは月食なのかどうか、はっきりとはわかりません。
一方、月が本影に入ることを「本影食」といいます。本影は暗い影なので、本影食が始まると、肉眼でも、まるで月が欠けているかのように見ることができます。一般に「月食」という場合は「本影食」のことを指します。
月がこの本影の中に入ると、月食が始まります。月の一部分だけが本影の中に入ることを部分食(部分月食)といいます。月が、影の中心からだいぶそれて通る場合には、部分食しか起こらないこともあります。
一方で、8月28日のように本影の中にすっぽりと入ってしまうと、部分食につづいて皆既食(皆既月食)となります。あとで詳しく述べますが、この本影には、通常わずかに赤い光が入り込んでいるため、皆既中の月は赤銅色と表現されるような赤黒い色で見られることが多いです。
皆既食が終わると、再び部分食となります。やがて本影から月が完全に離れると、月食が終わります。もしかしたら月食が終わったあとも、月面に少しだけぼんやりとした暗さが残って見えるかもしれません。これは半影食の影響です。やがて半影食も終わると、完全に明るくなった満月に戻ります。
今回の皆既月食について
8月28日の月食(本影食)は、17時51分に始まります。しかしこの時刻には、日本のほとんどの地域で月が地平線の下にあり見られません。したがって月は、月食が始まった状態(月が欠けた状態)で地平線から昇ってきます(「月出帯食」といいます)。
月食の経過は日本全国どこでもほとんど同じ時刻ですが、月の出の時刻は観察する場所によって大きく異なります。東京では18時11分に月の出となりますが、この時の月は約3割ほど欠けた状態で昇ってきます。大まかにいうと、東日本ほど早い時間帯に月の出となります。
このため、月食を観察できる時間は東日本ほど長くなります。また皆既月食が始まるときの月の地平線からの高さも、東日本の方が高く、条件が良いことになります。
皆既食は、18時52分に始まります。このとき、月は本影の中にすっぽりと入り込んでしまいます。皆既食はこのあと、約1時間半続きます(なお、南西諸島の一部では、皆既食となった後に月の出となります)。
食の最大(月が、本影の最も中側に入り込むこと)は、19時37分です。そして再び本影の縁に月が差しかかり、皆既食が終わるのは20時23分となります。ここからは約1時間部分食が続き、21時24分に月食が終わります。
この後もまだ月は半影の中を通過しているため、しばらくは薄暗い部分が月面に残って見えるかもしれません。この半影食は22時23分まで続きますが、半影の縁ははっきりしないため、いつ終わったかを見極めることは困難です。いつの間にか、明るい満月に戻って見られるでしょう。
なお、各地の月の出や月食中の月の位置は、暦計算室の月食各地予報で調べることができます。ぜひご参照ください。(国立天文台より記事引用)
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