
植物では3倍体などの倍数体にすることで豊かな実りをもたらした。動物でも魚類などに3倍体ができやすく大型になるので養殖されている。
3倍体のヤマメはふつう卵や精子はできないが、この稚魚にニジマスの精原細胞を移植すると、稚魚が成熟し卵や精子ができた。するとヤマメから正常なニジマスが誕生した。
東京海洋大の吉崎悟朗・准教授らがこの実験に成功した。この技術を応用すれば安価なサバから高価なマグロが生まれる可能性があるという。
この実験で不思議なことがいくつかある。
1.なぜ3倍体から卵や精子ができたか?
2.なぜ精原細胞から精子だけでなく、卵ができるのか?
3.なぜヤマメからニジマスが生まれるか?
また、ヒトの場合の代理母も話題になっているが、これは魚ばんの代理母にあたる。ちなみにアメリカに行って子供を産んでもらった向井亜紀さんの例があったが、代理母は日本で認められていない。
「ヤマメ」や「ニジマス」は両方ともサケ目・サケ科のなかまで自然界で交雑することもあるから、今回のような複雑な代理母(代理魚?)のしくみもわからないではない。
「ヤマメ」や「ニジマス」はまた両方ともサケ目・サケ科のなかまなので、海にまで行くなかまがあるという。
さらに近い仲間としては「イワナ」・「アマゴ」・「サツキマス」・「サクラマス」など多数あり、ややこしい。
今日は渓流釣りでも人気がある「ヤマメ」や「ニジマス」「イワナ」について調べる。
(参考HP Wikipedia)
ヤマメ夫婦からニジマス誕生 東京海洋大准教授ら成功
両親共にヤマメなのに生まれてくる稚魚はすべてニジマス――東京海洋大の吉崎悟朗・准教授らが、ニジマスの精子のもとになる細胞(精原細胞)を、ヤマメの稚魚に移植してニジマスの精子と卵をそれぞれ持ったオスとメスのヤマメをつくり、両者からニジマスを誕生させることに成功した。14日発行の米科学誌サイエンスに発表した。
絶滅危惧(きぐ)種の魚の精原細胞を別の魚に移植して、危惧種を復活させたり、管理のしやすい小さな魚にマグロを産ませたりすることが期待できるという。
吉崎さんらは、ニジマスのオスから精原細胞を取り出し、不妊処理をしたヤマメの稚魚の腹部に入れた。すると、本来は性成熟しないはずの稚魚が、ニジマスの精子と卵だけをそれぞれ持ったオスとメスのヤマメに成長。この両者をかけ合わせて生まれたのはすべて正常なニジマスだった。
不妊処理したヤマメの稚魚は、染色体の数を2組から3組にした「3倍体」というもので、成長しても精子や卵はできないようになっている。
しかし、この3倍体の稚魚にニジマスの精原細胞を入れると、この細胞が、精巣や卵巣のもとになる生殖腺に移動。稚魚がメスの場合はニジマス由来の卵が、稚魚がオスの場合は精子が、ヤマメの生殖腺内にできることがわかった。
吉崎さんは「精原細胞が精子にも卵にもなりえるメカニズムはわからない」としながらも、ヤマメの生殖腺が、移植したニジマスの精原細胞が精子や卵に育つ器として、役立ったとみている。今回の技術を生かし、「5年後にはマグロを産むサバをつくりたい」としている。(asahi.com 2007年09月14日)
ヘテロシス
ヘテロシスは雑種強勢のことであり、交雑F1が両親よりも生産性が高い場合や、生育力の強いことをいう。
魚類の場合、同じ科の別種の魚(例:イワナ+ヤマメ)が交雑して、3倍体に似て一代限りの強くたくましい性質を持つケースの事をいう。
ニジマス+アマゴ、ニジマス+ヤマメも自然界で交雑する。
ヘテロシスを3倍体と掛け合わせたりして、成熟せず産卵もしないはずなのに産卵するようになったという特殊ケースも研究されている。
ヤマメ(学名 Oncorhynchus masou masou )とは何か?
ヤマメ(山女魚)は、サケ目サケ科に属する魚であるサクラマスのうち、海に下らずに、一生を河川で過ごす個体群のこと。
アマゴと分布が分かれていたが、近年盛んになった放流により分布が乱れている。体側には青色のパ-マ-クが並び、全長40cm位まで成長する。神奈川県は、太平洋岸のヤマメの南限とされている。
文献によると神奈川県の相模川水系はヤマメが生息。 また、神奈川県平塚市に流れている花水川水系にはアマゴが生息していた。 この位置がアマゴとヤマメの生息域を分けていた。
サクラマス 学名 Oncorhynchus masou masou
ヤマメの降海型で日本国内では北海道、本州、九州に分布する。本州では神奈川県以北の太平側と日本海側、九州では熊本県以北の東シナ海側と大分県以南の太平洋側に分布。海外では日本海、オホーツク海に分布。産卵期が近づくと体が黒ずみ桜色のまだら模様が現れる。 全長 30〜80 cm 程度まで。
アマゴ 学名 Oncorhynchus masou ishikawai:
サツキマスの陸封型。神奈川県西部以西本州太平洋岸、四国、九州の一部以前はヤマメと分布が分かれていたが、近年盛んになった放流により分布が乱れ、混在するところがある。神奈川県西部はアマゴの分布の東限といわれている。ヤマメとの違いは、側線の上下から背部にかけて朱点が散在することである。
サツキマス 学名 Oncorhynchus masou ishikawai
アマゴの降海型。体長は40cm 程度でサクラマスより小さい。
現在サツキマスの自然繁殖が認められるのは木曽川・揖斐川・長良川の木曽三川だけであるが、渓流釣りのブームを受けヤマメの生息域にアマゴを放流する行為が目立ち、その結果アマゴが生息しないはずの河川でまれにサツキマスが釣れることがある。
ニジマス(学名 Oncorhynchus mykiss、英名 Rainbow trout)とは何か?
ニジマス(虹鱒) は、サケ目サケ科に属する淡水魚。日本が原産ではなく、北米からの外来種である。食用魚であり、釣りの対象にもなる。
体全体にはっきりした黒点があり、エラから尾びれにかけての体側部に赤から赤紫色の模様があるのが特徴。繁殖期のオスに現れる婚姻色として、非常に見事な虹色の光沢が発色し、それが名の由来ともなっている。仏語ではトリュイット・アルカンシエル (truite arc-en-ciel)。
全長は約40センチメートル程度が一般的だが、大きいものは60センチメートルから1メートルにまで成長することもある。基本的には、一生を淡水で過ごす陸封型の魚。夏でも水温が摂氏12度以下の冷たい水、特に流れが速く、酸素を多く含む川に生息する。冷水の湖などにも生息する。熱帯地域にも移入されたが、これは標高1200メートル以上の高地である。肉食性で、水生昆虫や貝類、甲殻類、他の魚の卵や小魚などを食べる。
一方、ニジマスは海水適応が可能な種として知られている。なかには汽水域や海に下る個体もいて、他のサケ類のように海を回遊し、河川への遡上を行う。降海型の個体は、特に大きく成長しやすく、全長1.2メートル、体重25キログラム程度の記録もある。頭部上面が黒っぽくなるので、日本ではテツ、英語ではスチールヘッド (Steelhead) などと呼ばれる。この個体が産地周辺の川を遡上することがある。
イワナ(学名 Salvelinus leucomaenis)とは何か?
イワナ(岩魚)は、サケ目 サケ科 イワナ属の魚。分類上は、イワナ属のうちの1種にイワナという和名がつけられているが、近縁種のオショロコマも含めて広義のイワナとして扱われることが多い。本稿ではイワナ、オショロコマを含むイワナ属の魚を総称して、イワナ類と呼ぶ。
日本のイワナ類のほとんどが一生を淡水で過ごす魚で、河川の上流の冷水域などに生息する場合が多い。多くの種類が食用となり、渓流釣りの対象魚としても人気がある。
イワナの亜種には、アメマス(エゾイワナ)、ニッコウイワナ、ヤマトイワナ(およびその地方変異であるキリクチ)、ゴギがあり、オショロコマの日本産亜種には、オショロコマとミヤベイワナがある。
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