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新しい中間子が発見された。今回のものは4個の素粒子(クオーク)からできており、しかも電荷を持つタイプで珍しいそうだ。これまでの中間子の基本構造はクオークが2個で、正クオークと反クオーク が強い力で結びついたものであり、電荷はないものが多い。

ノーベル物理学賞の湯川秀樹博士の中間子論では、中間子とは陽子と中性子を結びつけ、原子核を形成する核力のもととなる粒子という考え方であった。

その中で陽子や中間子も最終の粒子ではなく素粒子(クオーク)というさらに小さな粒子が集まってでできていることがわかり、さらに中間子もクオークと反クオークという+と−のように2個のクオークどうしの引き合う力が核力を生み出していることがわかってきた。

現在はそのクオークの数も4個のものもあり、クオークの種類も多種多様で、現在知られている中間子は70個にもなるという。しかも当初電荷を持たないとされたが、電荷を持つものも発見されている。

大きな宇宙のスケールも想像以上に観測できる範囲が広がっているが、小さな微少世界も限りなく続くような世界が広がっていて非常に興味深い。(参考HP Wikipedia・MSNエンカルタ)

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新しい中間子発見 素粒子4個で電荷持つ 高エネ研発表


素粒子物理学では珍しい、4個の素粒子(クォーク)からできて電荷を持つ新しい中間子を発見したと、茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK)が9日、発表した。

これまで見つかっている中間子は基本的に、物質の最小単位とされるクォーク1個と反クォーク1個が強い力で結びつき、電荷がゼロだった。

KEKの加速器「Bファクトリー」で作った約6億6000万個のB中間子が崩壊する様子を詳しく調べたところ、知られていない中間子が約120個見つかった。「Z4430」と名付けられた新中間子は、クォーク2個と反クォーク2個の計4個から成り、しかも電荷を持つという。 (asahi.com 2007年11月10日)

中間子とは何か?


素粒子のうち、スピンが整数で強い相互作用をする粒子の総称。メソンともいう。ボース=アインシュタイン統計にしたがう。歴史的には、陽子や中性子の核子より軽く、電子よりも重い素粒子を一括してさしたが、現在では核子の10倍以上の質量をもつ中間子も発見されており、質量以外の性質から分類されている。素粒子のうち、強い相互作用をするものはハドロンとよばれ、素粒子の大多数を占める。ハドロンはさらに、スピンが半整数のバリオンと、スピンが整数の中間子に分類される。

中間子の代表的なものとしてはパイ中間子がある。パイ中間子には電荷が+1、-1、0の3種類があり、この電荷をスピンの第3成分のように考えれば、アイソスピンなる量がみちびかれる。アイソスピンの多様性をいれずに、現在その存在が確認されている粒子をかぞえてみると70個以上になる。100種類近くになる中間子は、さらに基本的な粒子の複合状態であると考えられ、基本粒子としてクォークが導入された。中間子は、クォークと反クォークの対が強い相互作用によって結合したものであると考えられている。

中間子の特徴のひとつとして、自然の状態で不安定であることがあげられる。中間子は崩壊してより軽い中間子にかわることができる。パイ中間子はそれ以上に軽い中間子がないが、最終的にはレプトンとフォトンに崩壊する。また、バリオンは崩壊するときに中間子を放出することもある。

中間子の歴史


1932年にドイツの物理学者ウェルナー・ハイゼンベルクは、中性子と陽子が原子核を構成する力として核力を導入した。
1934年にはイタリアの物理学者エンリコ・フェルミがベータ崩壊の理論を発表し、中性子は崩壊して陽子にかわると同時に、電子とニュートリノを放出すると論じた。
同年、湯川秀樹は、これら2つの理論をうけて、中性子が陽子にかわるときに未知の粒子を放出し、さらにその粒子が電子とニュートリノに崩壊すると考えた。そして、この未知の粒子が中性子と陽子を結合する核力のもとになっていると論じた。これが最初に理論的に提唱された中間子である。
核力はクーロン力にくらべると強さが100倍程度大きく、原子核の大きさ程度の距離でしか強くはたらかないという特徴がある。湯川は量子電気力学をもちい、核力は、電子と核子の中間の質量をもつ粒子が交換されることによって生じるという中間子論を提出した。

1937年にアメリカの物理学者カール・アンダーソンとS.H.ネダーメイヤーが宇宙線の霧箱写真(粒子検出器)から発見した質量106MeV程度の荷電粒子は、湯川の予想と反して原子核と強くは相互作用しないことから、坂田昌一らは二中間子論をとなえた。
この粒子は当初ミュー中間子とよばれたが、その後レプトンであることがわかり、現在ではミュー粒子とよばれている。

1947年になってはじめて、強い相互作用をする質量140MeVの粒子が、イギリスの物理学者セシル・パウエルによって宇宙線から発見され、パイ中間子と命名された。
1948年には加速器で人工的に生成されている。パイ中間子はもっとも軽い中間子だが、その次に軽いケー中間子は、47年にイギリスの物理学者G.D.ロチェスターとC.C.バトラーによって発見された。さらに高エネルギー加速器によって、ロー中間子、オメガ中間子など各種の中間子が発見され、陽子より重い粒子も多数発見されるようになり、中間子論は新しい素粒子論の中に吸収されていった。

核子とは何か?


核子(かくし、英nucleon)は、原子核を構成する陽子と中性子の総称。原子の原子核は陽子と中性子により構成されていることにより、これらを総称して核子と呼ぶ。陽子も中性子もバリオンの一種であるため、核子もまたバリオンの一種である。

核子はダウンクォーク(d)とアップクォーク(u)により構成される(中性子は2個のdと1個のu、陽子は1個のdと2個のu)。これに対し、ストレンジという重いクォークを含んだ重いバリオンをハイペロンと呼び、Λ(アイソスピン0、uds), Σ(アイソスピン1、uus, uds, dds), Ξ(アイソスピン1/2、uss, dss), Ω(アイソスピン0, sss)と呼ばれる。また、原子核を構成する粒子にハイペロンを含んだ核をハイパー核と呼ぶ。
(出典:Wikipedia)

 

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