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今年のノーベル生理学・医学賞は「ノックアウトマウス」の研究だった。ジーンターゲッティング法を使って、マウスのES細胞を改変。代々遺伝する特定の性質を持たせた「ノックアウトマウス」は様々な病気の解明に役立っている。

牛のベルギアン・ブルー種は「ミオスタチン」というタンパク質をつくる遺伝子がない特殊な牛の種類である。この種は、通常の牛より筋肉が2倍もある。この性質を人に利用して、筋ジストロフィーの「遺伝子治療」をする研究が進んでいる。すでにマウスでは成功していて筋肉が2倍になった「マイティマウスマウス」をつくり出すことができた。

そして、今回は「スーパーマウス」が誕生した。このマウスは「ツール・ド・フランス」で7年連続総合優勝したランス・アームストロング選手のように、持久力に優れ、分速20メートル(時速1.2キロ)ほどで5〜6キロを走り通した。普通のマウスには200m程度の持久力しかない。このマウスもジーンターゲッティング法(遺伝子操作)でつくり出されたという。

何ともうらやましい持久力だ。この持久力を人に使おうとするアスリート達が遺伝子ドーピングをするおそれがある。しかし、人間にそのまま当てはめるのは大変危険だ。「スーパーマウス」は普通のマウスと外見は変わらないし、寿命や生殖期間は長いという。しかし性質は行動的・攻撃的になり、普通の1.6倍ものエサを食べるなどの問題点がある。

「ノックアウトマウス」「マイティマウスマウス」「スーパーマウス」などマウスの受難?はまだまだ続く。(参考:アイラブサイエンス「遺伝子ドーピング」) 

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遺伝子組み換えで「スーパーマウス」が誕生 米大学


最大6時間も走り続ける「スーパーマウス」を遺伝子組み換え技術で作った、と米オハイオ州のケース・ウエスタン・リザーブ大学が発表した。エネルギー代謝に関係する酵素が活性化しているため、運動の際に筋肉にたまる乳酸が非常に少なく、激しい運動に耐えられるという。

スーパーマウスは、走行装置の上を、分速20メートル(時速1.2キロ)ほどで5〜6キロを走り通した。普通のマウスが200メートルで脱落した後も走り続ける映像が、大学のウェブサイト(http://blog.case.edu/case−news)に掲載された。普通のマウスと外見は変わらないが、行動的・攻撃的で、寿命や生殖期間は長いという。ただし、普通の1.6倍ものエサを食べる。

研究グループは、このスーパーマウスを著名な自転車レース「ツール・ド・フランス」で7年連続総合優勝したランス・アームストロング選手にたとえた。一方で、今回の動物実験はあくまで運動と病気などの関係を調べるのが目的で、人への応用は倫理的にも不適切と強調。「人の代謝過程への干渉は、どんなものであれ、効果よりも害の方が大きくなるだろう」と注意を促している。 (asahi.com 2007年11月09日)


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