科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、最新科学の?をなるべくわかりやすくコメントします。
公害は日本においては、高度成長期の1950〜1960年代に表面化した環境問題である。企業による水質汚染、大気汚染などの環境破壊により、人の健康や生活環境に関係する被害が生じた。

四大公害病として、イタイイタイ病、水俣病、第二水俣病(新潟水俣病)、四日市ぜんそくなどが知られている。

現在、工業化を開始した発展途上国(中華人民共和国等)では、かつて日本で起きたような大規模公害が発生し、社会問題となっている。

最近では中国でつくられたビーズを口に入れた子供が、眠気を訴える症状の出たことで、有害物質を使っていることがわかり問題になった。

世界的に見ても公害は終わっていない、現在進行形である。南極のペンギンやクジラ、イルカなどの動物から高濃度のPCBが検出されているからだ。

日本においても、公害は過去のものになっていない。かつては東京湾を悪臭と魚の住めない海にしたヘドロ。ヘドロ中の水銀やPCBなどダイオキシン類はかなり取り除くことはできたが、場所によってはまだ残っていて問題になっている。 

1973年〜1987年にかけて、ヘドロ除去事業が開始され、水銀やPCBに係る底質汚染については暫定除去基準を超え除去等の対策を講じる必要がある事業はほぼ完了した。
1987年以降PCBなどダイオキシン類についての底質汚染の調査は続けられている。そして低濃度ではあるが0.001〜0.006ppbの2,3,7,8-TCDFが18箇の検体より検出された。
1999年「海、川、湖の底質、生物についてもこれまで10年以上にわたって毎年調査しているが、ダイオキシン類濃度に特段大きな変化は認められない。しかし、環境中から広く検出されており、引き続き調査が必要である。」と環境白書で総括されている。
2002年にダイオキシン類の環境基準が変更され、底質ダイオキシン類については757地点中18点の港湾、河川、湖沼で環境基準を超える底質が発見され、その対策が緊急の課題となった。
2003年国土交通省は、底質ダイオキシン類対策を安全かつ的確に実施するため、「港湾における底質ダイオキシン類対策技術指針」と( 国土交通省港湾局)と、「河川、湖沼等における底質ダイオキシン類対策マニュアル(案)」( 国土交通省河川局)を策定した。(2005年改訂)

こうした状況の中、ヘドロ中のPCBを液化したジメチルエーテル(DME)で洗うと、PCBをほぼ完全に除去できることが京都大と財団法人電力中央研究所(東京都)の実験で分かった。今後の実用化、完全除去を目指す。(参考HP アイラブサイエンス「PCB・ダイオキシン類」)

関連するニュース
PCB:ヘドロを液化DMEで洗浄…完全除去 京大など


有害物質PCB(ポリ塩化ビフェニール)を含んだヘドロを、液化したジメチルエーテル(DME)で洗うと、PCBをほぼ完全に除去できることが京都大と財団法人電力中央研究所(東京都)の実験で分かった。非加熱で処理でき、必要なエネルギーも少なくて済むのが特長。16日から山口大で開かれる土木学会第44回環境工学研究フォーラムで成果を発表する。

DMEは人体などに無害で、常温・常圧では気体だが、加圧して液体になると水分を吸収する性質がある。この特性を利用し、河川から採取したヘドロ1グラムを液化DME180ミリリットルで36分間洗浄した結果、PCBは最大99.1%、水分は同96.6%を除去できた。

ヘドロから有害物質を除去する技術としては、アセトンなどの有機溶媒を使う方法が既に確立されている。しかし、処理後の土壌に残った溶媒の再処理が必要になるなど効率が悪い。一方、DMEは次世代燃料として利用が進んでおり、安全性や安定供給の面でも有望視されているという。

研究グループの高岡昌輝・京都大准教授(環境工学)は「洗浄後、気化するDMEの再利用法を確立すれば、無害化処理のシステムとして実用化できる」と話している。

PCBは「カネミ油症事件」の原因となった有機塩素化合物。74年に製造・使用が禁止された。(毎日新聞 2007年11月12日)

PCB(ポリ塩化ビフェニル)とは?


ポリ塩化ビフェニル(ポリえんかビフェニル、polychlorinated biphenyl)またはポリクロロビフェニル (polychlorobiphenyl) は、ビフェニルの水素原子が塩素原子で置換された化合物の総称で、一般式 C12HnCl(10-n) (0≦n≦9) で表される。置換塩素の数や位置によって、計算上209種の異性体が存在する。略してPCB(ピーシービー)とも呼ばれる。

熱に対して安定で、電気絶縁性が高く、耐薬品性に優れている。加熱や冷却用熱媒体、変圧器やコンデンサといった電気機器の絶縁油、可塑剤、塗料、ノンカーボン紙の溶剤など、非常に幅広い分野に用いられた。

一方、生体に対する毒性が高く、脂肪組織に蓄積しやすい。発ガン性があり、また皮膚障害、内臓障害、ホルモン異常を引き起こすことが分かっている。

PCBの異性体の中でも特に、コプラナーPCB (Co-PCB) と呼ばれる平面状の構造をとるものは、一般のPCBに比べて毒性が高く、ダイオキシン類にも分類されている。これには29種類の異性体が存在する(例えば、2および2'の位置に塩素の置換が起こると、塩素原子同士が重なり合ってしまうために平面状分子ではなくなる)。

ジメチルエーテル(DME)とは?


ジメチルエーテルはエーテルの一種で最も単純なもの。DME と略称され、メトキシメタンとも呼ばれる。低温でメタノールを硫酸で脱水すると得られる。組成式は C2H6O、示性式は CH3OCH3 で、分子量は 46.07 である。水素結合を形成するものの、分子の幾何学的構造により、水素結合の強度が弱いため、沸点や融点は低いが毒性はそれほど高くはない。(出典:Wikipedia) 

 

ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法逐条解説・Q&A
廃棄物法令研究会
中央法規出版

このアイテムの詳細を見る
廃棄物処理法新処理基準に基づくPCB処理技術ガイドブック
産業廃棄物処理事業振興財団
ぎょうせい

このアイテムの詳細を見る

ランキング ブログ検索 ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ ←One Click please