2008年1月15日、米食品医薬品局(FDA)はクローン牛やクローン豚などクローン技術によって、製作された動物の肉や乳を食しても健康上の問題は発生しないとするクローン動物安全宣言を出し、クローン動物の食用を許可した。

 1997年にイギリスで最初のクローン羊「ドーリー」が誕生してから約10年で、クローン技術は食用肉生産に利用されるまでに発展したこととなる。実際は消費者団体の反対は根強く一般に普及するのはもう少し時間がかかりそうだ。



 体細胞クローン

 クローン牛は体細胞を使ったクローンである。体細胞クローンは遺伝子操作を行なっておらず、染色体に影響をおよぼす可能性はほとんどないため基本的に安全性の問題はないと考えられる。しかし、日本では技術レベルが未確立であり、発育や繁殖、形質発現の同一性等調査の段階ということもあり、まだ認可されていない。


 受精卵クローン

 クローンとは染色体が同一の生命体のことである。双子の場合も染色体が同一なのでそっくりである。しかし染色体が同一=何でも同じというわけではないようで、双子の性格は多少違うようだ。この場合もクローンであるがこれを受精卵クローンという。受精卵が分裂し、2細胞になった時、何かの原因で分かれた場合双子になる。


 単為生殖

 クローン牛は体細胞の核を卵細胞の核に移植して子宮にもどしてつくられるが、サメやトカゲの一部のなかまでは、雄がいないとき雌だけでもなかまを殖やすことが知られている。これも染色体がまったく同じなので、クローンであるが、単為生殖という。

 哺乳類については単為生殖の可能性は少ない。実験的には2004年マウスの未成熟な卵母細胞の細胞核を卵子に移植することによって、世界で初めて雌ゲノムのみからなる単為発生マウス「かぐや」の誕生に成功している。


 雌雄同体

 雌だけでもなかまをふやす動物がいるかと思えば、雄と雌が一緒になった生物もいる。これを雌雄同体という。雌雄同体では、一般に雄の生殖器官と雌の生殖器官を1個体に持っているものを言う。植物の場合には雌雄同株(しゆうどうしゅ)と言う。そうでないものを雌雄異体(しゆういたい)、植物の場合には雌雄異株(しゆういしゅ)と呼ぶ。

 雌雄同体の場合、雄の生殖器官と雌の生殖器官が別々に存在し、機能する。カタツムリ、アメフラシ、ミミズなどが有名で、両方の生殖器官が発達し生殖を行う。 カタツムリやミミズでは体に前後に並んで雄性器と雌性器があり、2個体が行き違うように逆向きに並んで、互いの精子を雌性器に注入し合う。アメフラシでは、体の左右に雄性器と雌性器があり、雄性器を雌性器に挿入した方が雄の役割をするが、その個体の後方から別個体が雄として交尾をすることもあり、数個体が数珠繋ぎになるのも観察される。


 雌雄同株
 被子植物では一つの花におしべとめしべを備える雌雄同株(しゆうどうしゅ)のものが多い。このような花を「両性花」と呼ぶ。裸子植物ではおしべのみを含む雄花と、めしべのみを含む雌花をつけ、同じ株の上に両者を出す雌雄同株のものが多い。このような花を「単性花」と呼ぶ。植物によっては、同じ株に両性花と単性花をつけるものもある。
 両性花と雄花をつけるものを雄性両全性同株と呼び(ヤツデ、バイケイソウなど)、両性花と雌花をつけるものを雌性両全性同株と呼ぶ(エゾノヨモギギク)。

 イチョウ、ソテツ、ヤマモモ、ヤナギなどは、株によって雄花か雌花かのどちらかしかつけないので、完全に雌雄異株である。(参考:Wikipedia)
 


クローン、是か非か

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