
何の数だかわかりますか?
アフガニスタン(1000万個)、カンボジア(400〜600万個)、イラク北部(クルド人地区400万個)、アンゴラ(1500万個)、ボスニア・ヘルツェゴビナ(300万個)、クロアチア(300万個)、モザンビーク(300万個)、ベトナム(350万個)
地中に残存する地雷の数である。世界中では7000万もの地雷があるといわれている。
国際赤十字の調べでは、毎日約70人、つまり20分間に1人がその地雷によって無残に殺されたり手足を吹き飛ばされたりしている。年間約10万個の地雷が撤去されているが、5,000個の除去につき1人の死者と2人の負傷者、つまり年間60名以上が除去作業中に犠牲になるという。
地雷は「今後、新たに埋められなくても、すべて除去するのに数百年を要す」といわれている。それまで埋設地帯の人々は自らの手や足と引き替えに地雷を爆破していくという危機にさらされている。( CMCカンボジア地雷除去キャンペーンより)
このように現代の戦争は、戦争が終わった後も傷跡が何百年も残る、本当に悲惨なものだ。これは、外国だけの話かと思っていたら、先日、東京都調布市で不発弾の撤去作業があった。付近の住民約1万6000人に退去命令が出された。これは終戦後60年も経った、東京の真ん中で休日の昼間に行われることなのか?不思議な感じがした。
不発弾を調べてみると、現代でも時々発見されており、第二次世界大戦において空襲を受けた市街地や、地上戦の行われた沖縄や硫黄島などで、各種建設現場(マンションなどの再開発、鉄道の連続立体交差工事など)や海岸から不発弾が発掘されることは現在でも珍しくなく、空襲を受けなかった京都でも戊辰戦争当時の砲弾が発掘された事例もある。
平成15年度までに処理された不発弾は5,444t、113,703件に及ぶ。沖縄戦の影響もあり、沖縄県において行なわれる例が多い、また阪神・淡路大震災の際には大量の家屋倒壊に伴い1月24日〜4月26日までの間に16件146発の不発弾が処理されている。神戸も戦時中空襲を受けた記録があり、日本に後何発残っているかわからない状況といえる。
戦時中の空襲としては、1945年3月の束京大空襲でが有名。10万人もの人が死亡した。東京に続いて10日間の間に名古屋、大阪、神戸など大都市への焼夷弾攻撃が相次いだ。(参考:Wikipedia)
不発弾が私たちの街の下に眠っている!そんな現状があるのはショックだ。不発弾とは何だろう?その上に住む私たちは、危なくないのだろうか?
不発弾とは?
不発弾(ふはつだん)とは、炸薬系列に何等かの異常があって爆発せずにある砲弾・ロケット弾・誘導弾等の弾薬類の総称。一般には航空機から投下された爆弾が爆発せずに残っている物をこのように呼ぶ。
不発弾の原因のほとんどは信管の動作不良によるものだが、外見から原因を断定するのは困難かつ危険である。
弾薬類の構造は、先端・後端または両端に取り付けられた非常に敏感な信管が先に炸裂し、鈍感だが威力の高い炸薬を誘爆させるという構成をとる。信管の細部構造は、衝撃等で作動する撃針が、敏感だが威力の弱い起爆薬を爆発させ、やや感度は劣るが威力の高い伝爆薬を誘爆させる構成が一般的である。
原因の一例を挙げれば以下のようなものがある。
適切な衝撃が与えられなかったために撃針が作動しなかったもの(これが一般的)、
起爆薬・伝爆薬・炸薬いずれかの劣化による炸薬系列の断裂によるもの、安全機構の解除に必要な遠心力等の外力がなんらかの原因で得られなかったもの、レーダーの電気的なトラブルによるもの、この他にも様々な要因によって発生し得る。
使用される際には、安全機構内のストッパー等を外してから投下機構などに装填される。(出典:Wikipedia)
日本における不発弾の扱い
自衛隊が行なう不発弾処理は、自衛隊法附則第14条(防衛省移行に伴い附則第4条)により定められた自衛隊業務のひとつ。発見された不発弾を処理し、除去する業務である。
不発弾処理は、長官の命により「当分の間」行なうこととされている。陸上において不発弾が発見された場合、警視総監または道府県警本部長が駐屯地司令または方面総監に要請し、方面総監が隷下の師団や方面後方支援隊などに処理を命じる事になる。
具体的には爆弾を掘り出し、信管を取り外し、安全を保って演習場に搬送、爆破処理により廃棄する。(出典:Wikipedia)
信管とは?
信管(しんかん、英:Munition fuzes) とは弾薬を構成する部品の一つであり、弾薬の種類と用途に応じて所望の時期と場所で弾薬を作動させるための装置である。衝撃、水圧、電気刺激、化学反応などにより作動するが、意図せぬタイミングでは作動することが決して無く、かつ望むときには確実に作動する信頼性が要求される。
現在、以下の4つの機能を持っていて、以下の機能が一つに結合された装置を信管と呼んでいる。
1.起爆時期を感知する機能 2.所望の時期以外では絶対に起爆させないための安全装置 3.安全装置の解除機構 4.弾薬の起爆装置
銃や砲の発射薬に点火する装置は単独では「起爆時期を感知する機能」を持たないため雷管と呼ぶ。(出典:Wikipedia)
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人が消えた街…不発弾処理で1万6千人が退去
東京都調布市の住宅街で3月に見つかった不発弾の撤去作業が18日午前に行われ、付近の住民約1万6000人に退去命令が出された。自衛隊による信管処理は午前11時から始まり、約35分後、無事に終了した。
不発弾処理で1万人超の退去命令は異例の規模。国道20号(甲州街道)の封鎖や京王線の区間運休のほか、病院の入院患者が転院、サッカーJリーグの試合開始が繰り下げられるなどした。
現場は京王線国領駅近くの線路沿い。不発弾は長さ約1・8メートル、直径60センチの米国製1トン爆弾で、墜落した米軍爆撃機B29が積んでいたとみられる。
撤去作業に伴い、同市は災害対策基本法に基づいて午前8時、住民に退去命令を出し、半径500メートルを警戒区域に設定。住民の避難が完了したことを確認し、陸上自衛隊東部方面後方支援隊第102不発弾処理隊(東京都練馬区)が爆弾の信管処理を行った。
撤去作業の影響で、警戒区域内にある多摩川病院ではこの日午前3時半から、入院患者が近くの病院に移送されたほか、国道20号など周辺道路が通行止めになり、京王線はつつじケ丘−調布駅間を運休。府中競馬正門前駅が最寄りの東京競馬場ではGI「ヴィクトリアマイル」が開催されるため、日本中央競馬会(JRA)が注意を呼び掛けた。
また、飛田給駅近くの味の素スタジアムでのJリーグ東京ヴェルディ−清水エスパルス戦は、試合開始を午後4時から同6時に繰り下げた。( asahi.com 2008.5.18 )
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