
中国・四川大地震の被災地では5月27日、土砂崩れで川がせき止められてできた巨大な「地震湖」の決壊による2次災害を防ぐため、現在、兵士らが懸命に水路を掘る作業を続けている。
現時点で同地震による死者数は、6万5080人。依然として2万3000人以上が行方不明となっているほか、負傷者の数は36万人を超えている。
中国政府は初め「要員の派遣は当面必要ない」と日本政府に連絡してきた。その後、生存率が極端に低下する地震発生から72時間経過後の5月15日、日本政府が派遣する救援チームを受け入れることを中国は発表した。
日本の国際緊急援助隊第1陣31人が16日、中国四川省青川県の被災地で救助活動を始めたが当初、中国人民解放軍に煙たがられている一幕もあった。中学校や市街地で14遺体を収容、残念ながら生存者の救出はできなかったが、これらの活動に対し、日本大使館に市民からの感謝の意思が多く寄せられたり、新聞やウェブサイトには日本の援助隊を高く評価する記事が掲載された。
この話を聞いて、やはり援助にいってよかったとホッとした。援助隊の方々ご苦労様でした。近くのコンビニで、四川省大地震の募金箱が設置されていたので、少ないながらも募金した。
ところで救援現場では不思議な出来事が起きていた。瓦礫の下にいて救出された者のうち、意識もあり軽症者と判断されていた者が、しばらくして容体が急変。急性腎不全や心不全を起こし、死亡するケースがあいつぎ、問題となった。
この原因は何だろう?
原因は「クラッシュ症候群」だった。地震国日本の医療チームは、この原因がわかっていたが、地震の少ないこの地域ではわかる医師がおらず、対応が遅れた。
コンクリートや家具の下敷きになり、手足など「身体の一部」が挟まれて「血液」が通わなくなると「筋肉」は数時間程度で「壊死」する。このとき尿が茶色に変わり量も減少するのが特徴。これは筋肉の一部が溶出した、タンパク質「ミオグロビン」が原因。
さらに、圧迫された状態から解放されると、壊死した筋細胞からカリウム、ミオグロビン、乳酸などが血液中に大量に漏出する。この時、高カリウム血症により心不全が起きたり、ミオグロビンにより腎臓の尿細管が壊死し急性腎不全を起こす恐ろしい病気。
「クラッシュ症候群」の治療は、時間との勝負。また、特別な医薬品と透析装置などの設備が必要。高カリウム血症、代謝性アシドーシスを改善するために、炭酸ナトリウム、グルコン酸カルシウムを投与する。腎不全を起こした場合は、血液透析を必要とする。
瓦礫から奇跡の生還!やった助かった!と思っていたら、まだ安心できないなんて!人の体は本当に繊細にできている。知っておいた方がよい情報だ。
この症状は、第二次世界大戦中の1940年、ドイツ軍の空爆を受けたロンドンにおいて瓦礫の下から救出された人々が発症し、これが最初の症例報告とされる。日本においては1995年の阪神・淡路大震災で約400人が発症し、そのうち約50人が死亡した。 2005年に起きたJR福知山線脱線事故でも多数の人々が発症し、1人が死亡している。
クラッシュ症候群とは何か?
クラッシュ症候群とは挫滅症候群(ざめつしょうこうぐん)ともいう。身体の一部が長時間挟まれるなどして圧迫され、その解放後に起こる様々な症候をいう。重傷であることが見落とされる場合もあり、致死率は比較的高い。
身体の一部、特に四肢が長時間圧迫を受けると、筋肉が損傷を受ける。その後、圧迫された状態から解放されると、壊死した筋細胞からカリウム、ミオグロビン、乳酸などが血液中に大量に漏出する。発症すると意識の混濁、チアノーゼ、失禁などの症状が見られる他、高カリウム血症により心室細動、心停止が引き起こされたり、ミオグロビンにより腎臓の尿細管が壊死し急性腎不全を起こしたりする。
戦災、自然災害、事故に伴い、倒壊した建物等の下敷きになるなどして発症する場合が多い。圧迫からの解放直後は、意識があるために軽傷とみなされ、その後重篤となり死に至ることも少なくない。まれに、特定の筋肉を過度に酷使する運動を行うことにより発症する場合もある。
血液透析、血漿交換などの血液浄化療法。また、一時間以上挟まれている状態の場合、現場で、患者が水を飲める場合は水分補給、また医師による生理食塩液や乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液の大量輸液による血液中の毒素の希釈も有効。その他に心臓に近い所をゴムバンドなどで締めることで急激に毒素が心臓に回るのを防ぐことができる。(出典:Wikipedia)
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