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特定外来生物とは何か?

外来生物とは、たとえばアライグマ、カミツキガメのように、もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって外国から入ってきた生物のことを指す。

外来生物のうち、生態系等に被害を及ぼすものについて政府が指定し、輸入等が原則として禁止されているものに特定外来生物がある。特定外来種に指定されると飼育、栽培、保管及び運搬することが原則禁止される。

特定外来生物は人間の生命・身体、農林水産業、生態系に対してとても大きな影響を与えることが考えられる。したがって、もしこれに違反した場合、重い罰則が課せらることがある。「たくさんあるから一つ持ち帰えろう」ということはできないので注意を要する。

特定外来植物ミズヒマワリ・オオキンケイギク
特定外来生物は動物だけではなく、植物にも見られる。動物であれば手を出さずに気をつけるかもしれないが、植物だとうっかり持ち帰りそうである。茨城県利根・河内両町から稲敷市に流れる新利根川沿いに大発生しているミズヒマワリもその一つ。

ミズヒマワリは、中南米原産であるが、輸入熱帯魚とともにやってきた。ハスやアシのような水生植物の多年草で、高さは0.5〜1m以上になる。開花期は9〜10月。両性花。在来水草を駆逐し、酸素濃度の減少によって魚類の生育が脅かされることが指摘されている。

オオキンケイギクはキク科の植物の一種。北アメリカ原産の宿根草で、開花期は6〜7月頃。花が美しいので、よく栽培されている植物。キバナコスモスによく似ているが、葉の形が違う。2006年2月1日より外来生物法に基づき特定外来生物として栽培・譲渡・販売・輸出入などが原則禁止となった。

現在、オオキンケイギクは多くの家庭で栽培されている。しかし、特定外来生物に指定された植物は、個人が栽培しただけであっても、懲役または罰金が科せられるので、無許可で栽培してはならない。

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特定外来生物ミズヒマワリが猛威 茨城・新利根川沿い


中南米原産で国の特定外来生物に指定されている多年草のミズヒマワリが、茨城県利根・河内両町から稲敷市に流れる新利根川沿いに大発生している。13日は地元選出の国会議員や県議、県職員らが川沿いを視察した。在来種を駆逐するほか、霞ケ浦につながる排水機場の機能にも障害を与える恐れがあるため、参加者らは近く環境省や国土交通省に報告し、対策を検討する。

ミズヒマワリは95年に愛知県で初めて確認された。地元の農業者らによると、新利根川沿いでも10年ほど前から見かけるようになり、今年は霞ケ浦に注ぐ新利根川べりの約10キロの間に群落が点在している。高さ1メートルくらいに成長して白い花をつける。折れた茎や葉からも新芽を出すほど繁殖力が強いため、いずれ霞ケ浦でも大繁殖する可能性があるという。

川沿いに育つため、水質を悪化させる心配がある除草剤が使えない。今のところ、枯れる冬場に手作業で抜くしか駆除の方法がないという。同日調査に訪れた県環境政策課の宮本満課長は「繁殖力が強いため、抜いてもその場で放置することができない。専門家の話を聞き、国にも管理を申し入れたい」と語った。 (asahicom 2008年9月15日)

参考HP Wikipedia「ミズヒマワリ」「オオキンケイギク」
税関「特定外来生物」 → 
http://www.customs.go.jp/mizugiwa/gairai/gairai.htm
環境相「外来生物法」 → http://www.env.go.jp/nature/intro/ 

ほんとうの環境問題
池田 清彦,養老 孟司
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外来種ハンドブック
村上 興正,鷲谷 いづみ
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