「アライグマ」は動物園でも子供達に人気のある動物であるが、「特定外来生物」である。こう聞くと意外に思うかもしれない。日本では近年、野生化したアライグマによる被害が広がっている。
あらいぐまラスカル
「アライグマ」は「あらいぐまラスカル」というアニメで人気が出た動物である。原作は、スターリング・ノース(Sterling North)が1963年に少年時代を振り返って書いた「はるかなるわがラスカル」(Rascal)であり、ほとんどが実話である。
舞台は1910年代(原作では1918年〜1919年)のアメリカ農村地域・ウィスコンシン州。同時代の少年の日常を牧歌的に・または淡々と描写しつつ、同時に動物と人間との共存の難しさを、成長したラスカルを通して描いている。この作品はダットン動物文学賞、アメリカ図書館協会オーリアンヌ賞を受賞。1969年に映画化された。
日本では30年前「アライグマラスカル」としてアニメ化され、1977年1月〜1977年12月フジテレビ系の世界名作劇場枠で放送された。かわいいキャラクターとして人気を博した。
このアニメの影響からか、本来日本にはいない北米原産のアライグマがペットとして持ち込まれた。その後飼えなくなったアライグマが山などに捨てられて野生化し、農作物への被害や既存の野生動物の生息を脅かすなどして問題となっている。
意外に危険!特定外来生物「アライグマ」
アメリカ・ニューヨークでは、夜、大都会の中でエサを探す「アライグマ」に出会うことがある。愛くるしい姿をした動物だが、人間が接触すると狂犬病やアライグマ回虫の感染症で亡くなった人もいるほど、恐ろしい動物である。役所では、市民に警告を出すと同時に駆除に取り組んでいる。
日本では今年、千葉県でクサガメやイシガメなど在来種のカメ100匹以上が喰い殺される事件があった。犯人はアライグマ。日本古来の生き物に影響を与えて初めている。
また、神奈川県横須賀市では、住宅街に被害が続出している。民家の天袋をあけたらアライグマの赤ちゃんが発見された。別の家庭では、壁の中で不気味な音が聞こえるというのであけてみると、アライグマの一家が住み着いていた。
神奈川県で捕獲されたアライグマは10年前はわずか4頭だった。それが今年は1224頭。ものすごい繁殖力だ。(出典:素敵な宇宙船地球号「外来種は警告する」)
水の中の凶暴な外来種「アリゲーターガー」
外来種の動物による異変は水の中でも起きている。近頃水質がよくなってきた多摩川。長年、魚や水質の調査を行ってきた川崎漁協の山崎充哲さんによると、「多摩川だけで100種類もの外来種が確認されている」といいます。グッピーやエンゼルフィッシュなど、そのほとんどは観賞用に買った熱帯魚で、飼いきれなくなって人為的に放流したものだという。
地球の温暖化に加え、工場排水や生活排水が流れこむことによって水温が上昇したために、多摩川でも熱帯の魚が生息できるようになってしまった。中には冬を越し繁殖する熱帯魚もいる。
多摩川の支流、大田区を流れる呑川(のみかわ)では、今年の7月、取材班の前にとんでもない生物が現れた。「アリゲーターガー」。北米に生息する肉食魚。ビーバーまで食べてしまう鋭い歯をもっている。
川崎漁協の山崎さんの協力のもと、捕獲作戦を試みた。8月1日、大潮に流れるボラをおって「呑川」をあがってきたアリゲーターガーを狙い打ち。見事捕獲に成功した。体長は114センチ。こんな魚が都内を泳ぎまわっていると思うと、せっかく鮎が戻ってきた多摩川の自然が壊されてしまう。
「一番かわいそうなのは魚たち」だと山崎さん。身勝手な人間の振る舞いが、自然のサイクルを狂わせている。 (出典:素敵な宇宙船地球号「外来種は警告する」)
参考HP Wikipedia「アライグマ」「ガー目」・テレビ朝日「素敵な宇宙船地球号”外来種は警告する”」 → http://www.tv-asahi.co.jp/earth/
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