黄道と黄道12星座
黄道とは天球上の太陽の見かけの通り道のこと。黄道の読み方はこうどう、おうどうどちらでもよい。太陽は昼間は見えないが、ある星座の前を横切るように移動している。昼間でも星が出ているというのは、皆既日食の時にわかる。
太陽はどんな星座を移動するのだろう?それが星占いでおなじみの黄道12星座である。つまり、いて座、やぎ座、みずがめ座、うお座、おひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座、しし座、おとめ座、てんびん座、さそり座である。
太陽はこれらの星座を1年かけてゆったり移動する。星座を通る時期は1月1日にはいて座、2月1日にはやぎ座、3月1日はみずがめ座、4月1日うお座、5月1日おひつじ座、6月1日おうし座、7月1日ふたご座、8月1日かに座、9月1日しし座、10月1日おとめ座、11月1日てんびん座、12月1日さそり座である。
黄道12星座と星占いの星座の違い
この星座を通過する日付を見ると星占いの日付と違うことに気がつく。この理由は何だろう?
星占いの星座の日付は次の通りである。いて座(11/22〜12/21)、やぎ座(12/22〜1/19)、みずがめ座(1/20〜2/18)、うお座(2/19〜3/20)、おひつじ座(3/21〜4/19)、おうし座(4/20〜5/20)、ふたご座(5/21〜6/21)、かに座(6/22〜7/22)、しし座(7/23〜8/22)、おとめ座(8/23〜9/22)、てんびん座(9/23〜10/23)、さそり座(10/24〜11/21)。
正解は地球が歳差運動をしているからである。歳差運動とは何だろう?
歳差運動とはコマの首振り
歳差運動とは地軸の首振り運動のことで、コマの首振り運動に似ている。地球は地軸を中心に、単に西から東に回転しているだけでなく、地軸自体も円を描きながら回転している。この動きはゆっくりしているのでふだんは気づかない。約25800年に1回という遅さである。
歳差運動があると具体的に何が違うのだろうか?
古代ギリシャと現代日本の星空比較
現在の星占いの12星座が固定したのは古代ギリシアの時代、紀元前250年ころであったと考えられている。そのころの星座を想像してみよう。紀元前250年1月1日の元日。真夜中に南の空を見上げるとやぎ座が南中している。このとき、いて座は南から西に30°の方向に見える。
ところが現代日本、2008年1月1日になると様子が一変する。真夜中、南の空にはいて座が南中しており、やぎ座は南から30°東に輝いて見える。
これが歳差運動で起きる現象である。25800年に360°とは、約72年に1°という小さな変化である。よく気がついたなと思うが、何と紀元前150年にはわかっていた。それほど昔の天文学者は毎日、正確に天体を観測していたのだ。
天文学(占星術)の始まり
古代の天文学は現在の天体観測を中心とした天文学と違って、生活のバイオリズムを計る星占い(占星術)と“混然一体”となっていた。天文学は現在のイラクにあたる、チグリス川とユーフラテス川の間のメソポタミアで生まれた。
歴史では今から約11000年前ごろから、この地で農耕が始まったとされる。農耕とともに暦が発達。紀元前3500年前ごろにメソポタミア文明が始まり、暦は太陰太陽暦を用い、1週間を7日(七曜)とした。暦と共に天文学(占星術)も発達。メソポタミアの遺跡からは、黄道12星座を記したものが発見されており、黄道12星座の原型はこのころつくられたと考えられている。
この星座は古代エジプトを通じて古代ギリシアに伝わり、ギリシア人たちは自分たちの神話体系にこれを取り入れるとともに、自分たちでもさらに新しい星座を設定した。
歳差運動の発見
歳差運動を最初に発見したのは、紀元前150年頃のギリシャの天文学者ヒッパルコスである。彼は黄経180度・黄緯0度にほぼに近い位置にあるおとめ座のスピカを使い、皆既月食の時に月とスピカの角距離を測った。
日食や月食は黄道と白道の交点でしか起こらないので、日食・月食時の月や太陽は必ず黄道上にいる。従ってこの時のスピカとの角距離は、そのままスピカと月または太陽との黄経の差になる。ヒッパルコスはこの黄経の差を、彼の時代より約150年前のティモカリスが作った星表と比較して、黄経の値が変わっていることを発見した。
現在では地球の地軸がコマの首振り運動のような回転をしているために春分点・秋分点が黄道に沿って少しずつ西向きに移動する現象が起きていることがわかっており、このことを指して歳差(さいさ)と呼ぶ。この歳差の周期は約25800年である。(出典:Wikipedia)
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