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今年流行のインフルエンザとは?
インフルエンザが流行している。受験生は大変だ。試験を受けなければその時点で合格はない。たとえインフルエンザで高熱があっても行かねばならない。

さて今年はどのようなインフルエンザが流行しているのだろうか?

現在流行しているのは、A香港型が半分、Aソ連型が約36%、残りはB型14%である。ところが今年のAソ連型の97%はタミフルが効かない耐性を獲得しているのを確認した(国立感染症研究所)。タミフルはA香港型、B型には効く。インフルエンザウイルスは薬の使用に対し、生き残ろうとRNAを変化させ、耐性化する。

タミフルが効かない?耐性インフルエンザ
Aソ連型のタミフル耐性化は昨冬、欧州を中心に拡大していた。今冬には英米で9割以上で検出されていた。米疾病対策センター(CDC)は先月、吸入式治療薬の「リレンザ」などの併用を勧める緊急の治療指針を発表している。これまでのところリレンザに対する耐性は確認されていない。

日本ではタミフルが、出現が懸念されている新型インフルエンザ治療薬として、流通分も含め国内に2800万人分が備蓄されている。これが現在のAソ連型の流行には対応できないことがわかり、残念であるが、新型インフルエンザにはまだ有効である。

Aソ連型インフルエンザとは何だろう?
Aソ連型インフルザウイルスは、これまでは、ロシアからの漁船が寄港する北海道の港町などで流行する。ところが今年は関東地方でもこのウイルスが確認されている。本州には免疫を持っている人が少ないので、今年は大流行する可能性がある。

ロシアは世界でも屈指の埋蔵量を誇る産油国。昨今の石油高で膨らんだオイルマネーを背景に、漁船以外の船や飛行機で、観光だけでなく商用でも、多くの人が日本を訪れる。関東近郊では船の出入りが多い神奈川県、成田空港を持つ千葉県で患者数が増している。一方、空港、港から遠い群馬県では患者の発生はわずか。

さて、インフルエンザに有効な薬にはどんなものがあるのだろうか?

抗ウイルス剤の種類とはたらき
インフルエンザの薬としては、「タミフル」「リレンザ」「シンメトレル」「T-705」などがある。

タミフル」は「ノイラミニダーゼ (neuraminidase, NA)」 という細胞膜を溶かす酵素を阻害することによりインフルエンザウイルスが感染細胞表面から遊離することを阻害し、他の細胞への感染・増殖を抑制する。

リレンザ(Relenza)」はザナミビル (Zanamivir)の水和物で、「タミフル」と同じく、「ノイラミニダーゼ (NA)」 と呼ばれる酵素によりウイルスが感染細胞表面から遊離することを阻害し、他の細胞への感染・増殖を抑制する。このため、タミフルと同様に感染初期における治療開始が有効である。インフルエンザ症状が発症後48時間以降に治療を開始した際の有用性は確立されていない。

またインフルエンザ既存薬「シンメトレル」はインフルエンザウイルスが細胞内に侵入し、細胞内ににある「M2タンパク質」の働きで遺伝子を放出するが、このM2タンパク質を阻害し、遺伝子を放出させないようにする。

富士化学の「T-705」という薬品は、インフルエンザウイルスがRNAを複製するときに働く「RNAポリメラーゼ」の働きを阻害し、遺伝子をつくらせないようにする。インフルエンザ治療薬「T-705」の治療効果はこれまでのものに比べて大きい。タミフルではA・B両型のインフルエンザに作用するが、B型には効きにくく、C型インフルエンザには効果がない。それに対して「T-705」は、A・B・C型の何れのインフルエンザウイルスにも強い効果が認められる。

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インフルエンザ、3割がタミフル効かず


国内でこの冬流行しているインフルエンザウイルスの約3割が、治療薬「タミフル」に対する耐性を獲得していると、厚生労働省が16日、発表した。

国内の医療現場ではタミフルが多く使用されており、厚労省は治療薬を慎重に選ぶよう呼び掛けている。

耐性ウイルスが確認されたのは、国内で流行している3種類のウイルスのうち36%を占める「Aソ連型」。8日までに国立感染症研究所に届け出があった11都道府県の計35人分中、34人分(97%)で耐性が確認された。

昨冬の2.6%に比べ極めて高率で、厚労省は残り36府県の検体検査を進めるとともに、研究班を組織して耐性患者の容体や治療法を調査する方針だ。

厚労省によると、タミフル耐性ウイルスに対しては別のインフルエンザ治療薬「リレンザ」が有効で、Aソ連型以外の「A香港型」「B型」からは耐性ウイルスは見つかっていない。

Aソ連型の耐性ウイルスは昨冬に全世界で確認され、今冬もすでに米英などで見つかっている。タミフルをほとんど使用しない国でも出現しており、特定の遺伝子が自然変異して耐性を獲得したらしい。

厚労省は新型インフルエンザ対策にタミフルを2800万人分備蓄しているが、「新型インフルエンザが直ちにタミフル耐性を得るとは考えていない。現段階で備蓄計画に変更はない」と話している。

耐性ウイルスが見つかった11都道府県は次の通り。北海道・宮城・千葉・東京・静岡・三重・滋賀・大阪・兵庫・広島・山口(2009年1月17日01時51分  読売新聞)
 

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