科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、最新科学ニュースをくわしく調べ、やさしく解説!みるみる科学がわかります。
火星のメタンは生物由来か?
火星はワクワクさせる謎に満ちている。米航空宇宙局(NASA)などの研究チームが、火星の北半球から大量の「メタン」が噴き出しているのを発見した。研究チームは、水と岩石の反応か、微生物による生命活動でメタンができた可能性が高いとみている。15日付の米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。

「メタン」というのは、地球では、メタン菌のはたらきで90%以上つくられる。また深海海底では、氷状に貯えられているメタンハイドレートが存在している。自然界では冷却期に入ると大気中の「メタン」をメタンハイドレートとして取り込み、温暖期になると溶解し、大気中へ大量に「メタン」が放出される。

地球上では、水と岩石が反応してメタンを発生することが知られているが、炭化アルミニウムに水が反応する場合などに限られており、火星で発見された「メタン」は、生物学的起源による可能性の方が高いという。火星に生命が存在する証拠になるかもしれない。

新エネルギー?温室効果ガス?メタンの正体
「メタン (methane)」 は最も単純な構造の炭化水素で、1個の炭素原子に4個の水素原子が結合した分子である。化学式は CH4。常温、常圧で無色、無臭の気体。人に対する毒性はない。天然ガスの主成分である。火力発電の燃料として使われる。20世紀末以降の代替エネルギー、排他的経済水域や大陸棚といった海底や地上の永久凍土層内にメタンハイドレートという形で多量に存在することがわかり、新エネルギーとしても注目されている。

「メタン」は強力な温室効果ガスでもあり、同量の二酸化炭素の21倍の温室効果をもたらすため、温暖化が加速されると考えられる。横浜国大の間嶋隆一教授(古生物学)らの研究グループが行った調査によると、170万年前の急激な地球温暖化と連動して、海底から大量のメタンが放出されていた証拠となる化石層を、横浜市内で発見している。(2007年06月25日毎日新聞より)


関連するニュース
火星にメタンの噴き出し、生物活動の可能性 米科学誌


米航空宇宙局(NASA)などの研究チームが、火星の北半球から大量のメタンが噴き出しているのを見つけた。チームは、水と岩石の反応か、微生物による生命活動でメタンができた可能性が高いとみている。15日付の米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。

NASAゴダード宇宙飛行センターのマイケル・マンマ博士らは、ハワイにある三つの望遠鏡でメタンに特徴的な赤外線を7年間(火星の3年間に相当)観測。火星大気中のメタン濃度を推定し、分布地図を作った。

その結果、火星の北半球の特定の場所に大量のメタンの噴き出しが見つかった。北半球が暖かい季節にだけ噴き出しており、地下深くでできたメタンが凍土の割れ目のような所から出てきたらしい。

メタンの起源についてチームは「地質学的なものか生物学的なものか判断する十分なデータがない」としているが、インディアナ大のリサ・プラット教授は記者会見で「メタンは微生物の排泄(はいせつ)物でもあり得るし、栄養にもなり得る。地球では、水と岩の反応でメタンができる場所は限られている。生物学的起源の可能性がわずかに大きいかもしれない」と話した。地球では、大気中のメタンの9割が生物学的起源であるとわかっている。

NASAは11年に探査車マーズ・サイエンス・ラボラトリーを打ち上げる予定で、メタンの起源の解明をめざす。 (asahi.com  2009年1月16日)

 

火星の生命と大地46億年
丸山 茂徳,ジェームス・ドーム,ビック・ベーカー
講談社

このアイテムの詳細を見る
ローバー、火星を駆ける―僕らがスピリットとオポチュニティに託した夢
スティーヴ スクワイヤーズ
早川書房

このアイテムの詳細を見る

ブログランキング・にほんブログ村へ  ランキング ←One Click please