2010年10月 「ウインドウズ7」発売
マイクロソフト社は「ウインドウズVista」の次の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7」のベータ版(テスト版)を公開した。発売時期は、現行OSの「ビスタ」が発売された2007年1月から3年後となる10年1月ごろを予定している。
ウィンドウズ7は、インターネット経由でサーバー上のソフトウエアを利用する「クラウド」を活用。OSに含まれるソフト数を減らし、OSをパソコンにインストールする際に必要なメモリー容量を大幅に減らすことで、世界的に普及が進む廉価な超小型パソコンなどへの搭載を容易にする計画だ。「クラウド」とは何だろう?
インターネット上の巨大コンピューター
パソコンというと、ちょっと前までソフトが毎年のように更新され、そのために予算がかかり大変な思いをした。またメモリが少なくてハードディスクを外付けしたりメモリ増設したりした。ウイルス対策セキュリティソフトの更新も煩わしい。こんな面倒な作業から解放される日が来るかもしれない。それが「クラウド」である。
これまで膨大な情報を処理するパソコンは、記憶容量が年々増えており、大変便利になった。しかし、いくらメモリが増えても個々のコンピューターに使われている、データやソフトが違うと、互換性がなく外部のデータが使えないこともある。
それがインターネット上にあるコンピューター「クラウド」を使えば、大量のデータを共有でき、しかも「クラウド」にある共通のソフトを使うから、互換性を心配する必要もない。しかも更新の必要もなく、最新のソフトを使うことができる。
増える「クラウド」利用者 危険性は?
「クラウド」を提供する企業の例としてアメリカのセールスフォース社がある。この会社には巨大コンピューター「クラウド」があり、全世界から毎日、数億回のアクセスがある。契約した企業は「クラウド」に顧客管理や営業管理のためのデータのすべてを預ける。企業が個々にデータの管理・処理システムを作る場合に比べ、時間や予算も1/6に短縮されたという。
これからパソコンに必要なものは、「モニター」と「キーボード」だけのスッキリしたものになるであろう。しかし、顧客情報や営業情報を預けてしまって、ハッカーの攻撃により、外部に漏れる心配はないのだろうか?また、SF小説のように、人間が生活のすっべてを、コンピューターに依存する社会のきっかけとならないだろうか?
クラウド(クラウドコンピューティング)とは何か? (出典:Wikipedia)
クラウドコンピューティング (cloud computing) とは、インターネットを基本にした新しいコンピュータの利用形態である。ユーザーはコンピュータ処理を、ネットワーク(通常はインターネット)経由で、サービスとして利用できる。
従来のコンピュータ利用形態は、ユーザー(企業、個人など)がコンピュータ(ハードウェア、ソフトウェア)とデータを、自分自身で所持し管理していたのに対し、クラウドコンピューティングでは「ユーザーはインターネットの向こう側からサービスを受け、サービス利用料金を払う」形になる。
ユーザーが用意すべきものは最低限の接続環境(パーソナルコンピュータや携帯情報端末などのクライアント、その上で動くブラウザ、インターネット接続環境など)と、サービス利用料金となり、処理が実行されるコンピュータ本体や蓄積するデータなどの、購入や管理の大半が不要になる。
利点
ユーザーはデータセンターの設備は所有せず、データセンターが提供しているサービスを対価を支払って利用することができる。データセンターは膨大な数のユーザーによって共有されている。これにより、ユーザーはデータセンターの持つ性能を低コストで利用できる。
クラウドにデータを送信するとクラウド内でデータの蓄積と様々な分析がなされ、視覚的に表現されて営業や生産がより効率的に行えるため、それぞれの企業が自社で管理・開発していたソフトウェアは不要となる。つまり、クラウドが情報の処理や管理を一元的に担うので、会社・会社の各部門・個人等は、独自のソフトウェアやシステムを使用せずにクラウドにデータを送信するだけでよく、統一的な連携や仕事の分業等、商業分野でのコストの削減をはかることができる。
急な変更(新規事業、合併、ユーザー増減、法令対応など)が発生しても、サービス内容(ユーザー数、オプションなど)の契約変更だけで良く、どう実現するかをユーザーが検討する必要が無い。
問題点
コンピュータシステムを自前で保有し、修正(カスタマイズ)や運用変更もできる場合と比べると、通常のシステムインテグレーターやアウトソーシング以上にブラックボックスとなり、同業他社との差別化は困難で、突然の変更には対応できない(サービス提供業者に拒否される)リスクがある。
基本的にはすべてのデータがクラウドに集約されるため、クラウド提供側やネットワークの障害や、あるいはクラウド提供側の倒産やサービス終了などで、クラウドのサービスが使用できなくなると、クラウドコンピューティングを利用する企業の経営も停止する恐れがある。
一部のプロバイダはSLAで、所定の稼働率を達成できなかった場合の返金や繰越を行っているが、メリットとリスクとの比較考慮は必要である。また、集中的なデータの管理は、通信会社を利用した場合の盗聴されるリスクと同様、クラウドに銀行、ビジネス、医療などの情報を完全に把握されてしまうためハッカーの格好の攻撃目標となり、個人情報を含む顧客情報や経営情報の流出のリスクがある。
また企業はクラウドに依存的になり、開発者らの「利用する事で収益を上げ、中毒症状にさせることで、ますます顧客を増やせる」という発言のとおり、依存度が高まれば、通信不能が営業不能に直結するという事態も発生する。
更に、クラウドはその破壊や政治的利用など存在自体が極めて大きな危険性をもつ。ITの発達は将来の見通しが立たないが、最も重要な人権の一つのプライバシーの面からは、クラウドにどこまでの支配を許せるかは難しい問題とされる。
参考HP Wikipedia「クラウドコンピューティング」 ・NHKクローズアップ現代2008年10月15日(水)放送「新情報革命“クラウド”の衝撃」
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