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タミフルの効かないAソ連型
東京都では、4年ぶりにインフルエンザの流行警報を発令した。過去10年同時期、患者数が最多になった。

検出されたインフルエンザウイルス、97件のうち、54.6%がAソ連型で、治療薬タミフルが効かない場合があるため、都は感染予防策の徹底を呼びかけている。他のウイルスはA香港型38.1%、B型7.2%だった。(毎日新聞 2009年1月30日より)

タンパク質をターゲットにするワクチン
今年のAソ連型にタミフルが効かないのは、インフルエンザウイルスの表面にあるタンパク質が変異したから。「インフルエンザワクチンを注射したのにインフルエンザにかかった」という場合も、ワクチンがターゲットにするインフルエンザ表面のタンパク質が違うからである。

ワクチン(vaccine)は毒性を無くしたか、あるいは弱めたウイルスを直接注射したり、ニワトリなどに注入し、抗体をつくらせてから、その抗体を人体に注入する。こうしてできる抗体はウイルスの表面のタンパク質が違うとまったくきかない。だからA港型のワクチンは、B型やAソ連型には効かなかった。

夢の万能ワクチン開発
ところが2009年1月29日、厚生労働省研究班は、いろいろなタイプのインフルエンザウイルスに効くワクチンの開発に成功したことを発表した。従来のワクチンと違い、ウイルスが変異しても効果が続き、あの新型インフルエンザにも効果があるという。いったいどういうしくみになっているのだろうか?

研究班は、ウイルス表面のタンパク質に比べて変異しにくい、ウイルス内部のたんぱく質をターゲットにする事を考えた。新型インフルエンザウイルスH5N1型、Aソ連型、A香港型の3種共通の内部たんぱく質を調べ、抗体をつくった。さらにリポサムと呼ばれる脂肪の表面に抗原を乗せて体内に運ばせる方法を使った。

免疫に関与する人間の遺伝子を組み入れたマウスにワクチンを接種した後、H5N1型、Aソ連型、A香港型のウイルス3種をマウスに感染させても症状が表れず、増殖も抑えたという。

実用化はまだ数年先
これまでにないタイプのワクチンなので、人間に使って重い副作用が出ないか、慎重に確認する必要がある。実用化までには数年かかるとみられるが新型インフルエンザにも効くというのはすごい。研究代表者の内田哲也・感染研主任研究官は「人間に有効で安全な量を調べ、一刻も早く実用化につなげたい」と話している。

なお、本研究班には、国立感染症研究所、北海道大、埼玉医科大、化学メーカーの日油が参加している。(参考:1月29日 読売新聞) 

医者には聞けないインフルエンザ・ワクチンと薬
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