麻生首相ダボス会議で講演
麻生首相は31日昼(日本時間31日夜)、スイス・ダボスで開かれたダボス会議で講演した。ダボス会議とは、世界経済フォーラム (World Economic Forum:WEF)のことで、ジュネーヴに本部を置く独立の非営利財団である。
毎年、世界中の大企業約1000社の指導者、政治指導者(大統領、首相など)、選出された知識人、ジャーナリストが参加する会議を主催する。通常は、スイスのダボスで開催されるため、会議を指してダボス会議と呼ばれる。
会議の支持者たちからは、世界経済フォーラムは、地球上に起こる、主要な社会的・経済的問題に関して対話、議論を行う理想的な場所とされている。なぜだろうか?
経済と政治が幸福に貢献?
それは、経済と政治は人間の幸福に必要不可欠なものという前提で成り立っている会議だからだろう。
この会議に対しては批判がある。それは世界の全人類に対する博愛の精神が感じられない。世界には貧しい人達が大勢いるのに、その人達のことはまったく切り離して行われている会議である事に問題を感じる。
確かに麻生総理は講演の中で、アジア諸国の、政府開発援助(ODA)で「総額1兆5000億円(170億ドル相当)以上の支援をする用意がある」と表明。また、福田前首相が昨年の第4回アフリカ開発会議(TICAD4)で表明した「2012年までに対アフリカODAを倍増する」とした公約を「必ず実行する」と表明している。
だが、「とにかく金は出す」と言っているように感じるのは私だけだろうか。もちろんODAには、技術協力という方法もある。技術協力は人材育成と技術移転など将来の国の根幹となる労働力作りが目的とされている。是非そうした、その国の実態に即した援助をしてほしい。
アランの幸福論の真意
生きていくのに、たしかに経済力は必要だ。しかし、麻生総理が講演の最後に「幸福論」(アラン著)の一節「悲観主義は気分であり、楽観主義は意思である」を引き、「意思ある者が難局を克服する」と締めくくった言葉には、まず不景気から脱却することだけを目標にしているように聞こえ、それがダボス会議の目的なのかと思うと情けなく思ってしまった。
アランが言いたかったのは「どんな状況であっても、自分のするべきことをやっている者が、幸福な者だ」と言っているのであって、「不景気が問題だ」と言っているのではない。だいたい自由主義経済を選択してしまった以上、景気や不景気といったものがあるのは宿命であって、人間の本質には何ら関係がないのだが、この会議の出席者は違うらしい。
気になるのは、地球環境に対する方針だが、これに対して麻生首相はどう論じたのだろう?
どうなる?地球温暖化対策
日本政府はこれまで、地球温暖化対策の中期目標について、決定時期を明確にしていなかった。斉藤鉄夫環境相は30日、温室効果ガスの削減目標についてダボス会議で「(先進国全体で90年比)25〜40%削減とのシナリオに各国は責任を分担すべきで、日本はその用意がある」と表明することを明らかにしていた。
麻生総理大臣は講演で、地球温暖化対策については、20年までの温室効果ガス削減に関する日本の中期目標を「6月までには発表する」と初めて表明し、12月の国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で合意を目指す「ポスト京都議定書」の枠組み作りに、積極的に取り組む姿勢を強調した。
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