ホンダ「インサイト」
ホンダは2月5日に新型ハイブリッド車「インサイト」を発売した。ハイブリッド車としては初の200万円を切る価格で登場、「軽くて小さく、取り回しがしやすく、走りがいい、そして価格が安くて燃費もいい」というエコカーを求める市場の心をつかみそうだ。
ハイブリッド車では、トヨタの現行型「プリウス」がよく知られている。プリウスと比較してみよう。プリウスも5月に3代目新型を販売予定である。プリウスの新型は、何と太陽電池を装備している。これは暑い夏の時に活躍する。車から降りたときに電気をため乗車時に車を冷やすために使うという。最新の装備をまた1つ備えた「プリウス」は魅力的だ。
燃費はどうだろう?5月発表予定の新型プリウスの燃費は、インサイトのそれよりも優れているようだ。これは性能の違いではなく、ハイブリッドの仕組みの違いによる。1997年、プリウス用のトヨタハイブリッドシステム(THS)は、スプリット方式といい、エンジンとモーターが分かれて働くタイプ。それに対しインサイトはエンジン主体で、エンジンの中に組み込んだ1台のモーターがトルクをサポートする仕組み。だから、乗り味はガソリン車に非常に近い。
価格が魅力のハイブリッドカー
価格はどうだろう?インサイトの価格は189万から221万円までで、現行プリウスの最下位グレードが233万1,000円。インサイトの最上級グレードとも10万円の差がある。この安さは魅力である。
ホンダの福井威夫社長は「低価格のハイブリッドカーは当社が最初となり、プリウスを脅威だとは思っていない」と語り、「インサイト」との競合が予想される価格を下げた「廉価版プリウス」の登場を予想しても「戦える」と考えている。
来年、三菱から販売予定の電気自動車の価格は「300万円」とまだ高い。今回ホンダから、エコ・省エネブームの価格競争により、一般市民に手が届くハイブリッド車が登場したのはうれしい限りである。
ハイブリッドカーの特徴と種類
ハイブリッドカー (Hybrid Car) とは、作動原理が異なる二つ以上の動力源をもち、状況に応じて単独、あるいは複数と、動力源を変えて走行する自動車のこと。自動車のエネルギー効率は、"Well to Wheel"(油井から車輪)までの総合効率で考える必要があるが、現在のハイブリッドカーは総合効率が電気自動車や燃料電池自動車と同程度であり、環境負荷の低い実用車として注目されている。
ハイブリッドの種類は、発電と駆動の方法により、「パラレル方式」、「スプリット方式」、「シリーズ方式」に大別できる。
パラレル方式
主役がエンジンで、モーターがサポート役の「パラレル方式」 。エンジンによる走行が主体。発進時に最大の力が出るモーターの特性を活かし、エンジンが燃料を多く消費する発進・加速時に、モーターでサポートする方式。従来のクルマにモーターとバッテリーなどを追加するだけのシンプルな機構。
Hondaは、機構がシンプルでエンジンを主役とする「パラレル方式」を選択。構造がシンプルなため「パラレル方式」は、より軽量につくることができる。軽量であることは、クルマの運動性能をよくする点でも、燃費をよくする点でも有利。また、エンジンが主役でエンジンパワーとモーターパワーをロスすることなくダイレクトにタイヤへ伝えるので、スポーティな走りの楽しさを味わえる。
スプリット方式
発進・低速時はモーターだけで走行し、速度が上がるとエンジンとモーターが効率よくパワーを分担。動力分割機構や発電機などがあり構成は複雑。エンジンは発電機も回す。
トヨタはスプリット方式(分割方式)を選択。パラレル方式にさらにバッテリー充電専用の発電機を加えたシステム。動力として、エンジンとモーター双方の出力を駆動に利用できる点ではパラレル方式と同様であるが、エンジンからの動力をプラネタリーギアを用いた動力分割機構により分割(スプリット)し、一方は発電機の駆動、他方は直接車輪の駆動と、それぞれに利用できる点でエネルギー効率に優れる。
シリーズ方式
エンジンを発電機の動力としてのみ使用し、モーターだけで走る方式。動力機構そのものは電気自動車だが、エンジンを搭載しているためハイブリッドカーの一種に含まれる。
シリーズ方式(直列方式)は、エンジンを発電のみに使用し、モーターを車軸の駆動と回生のみに使用するもの。実際の仕組みは、エンジンで発電機を駆動し、発生した電力を大容量バッテリーに一旦蓄え、その電力でモーターを駆動し、走行する、自家発電が可能な電気自動車。電気自動車の大きな欠点とされる、出先での充電設備と長い充電時間、1充電あたりの走行距離が少ないことなどから、内燃車同様に燃料を補給するだけで開放される。
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