生物を植物と動物に分けられるか?
生物を動物と植物に二分する分類法は古くから存在しており、アリストテレスは感覚と運動能力の有無により2つの分類を試みている。はっきりと植物と動物を二分したのは、分類学の父といわれる、18世紀の生物学者リンネ(1702年 - 1778年)である。
明治時代以前の日本では、土、草、虫、魚、獣として無生物を含めた諸物を平等に収集・編集する本草学が主流であり、動物という概念は存在しなかった。生物を動物と植物に2分する分類は、西欧の学問が流入してから普及したという。
現代の複雑な分類法
ところが、生物学の進歩により、現在では、動物か植物かのみで生物を2つに分類するのは一般的ではなく、動物・植物以外に、真正細菌、古細菌、原生生物、菌類など、動物にも植物にもあてはまらない生物が数多く存在することがわかっている。
さらに、ウイルスなどは、これら生物のなかにさえ分類されない不思議な存在だ。
このように生物というのは非常に多様である。これは、動物の分類についてもいえることだ。動物の分類を考えてみよう。上の写真はすべて動物である。いくつ名前をいえるだろうか?
さらに複雑・多様な動物界
正解は、a サリネラ(胞胚葉動物門)※1892年以来未発見生物 b ホシムシ(星口動物門) c ユムシ(ユムシ動物門) d ウニ(棘皮動物門) e 回虫(線形動物門) f ハリガネムシ(類線形動物門) g カギムシ(有爪動物門) h カイメン(海綿動物門) である。
実は、私たちの知らない動物のほうが、知っている動物よりもはるかに多いのだ。
動物とは一般的には、運動能力と感覚を持つことが大きな特徴である。また、セキツイ動物と無セキツイ動物に分けることがわかりやすい。
しかし、現在の分類法では、セキツイ動物は、大きな多様性を誇る動物界の、ほんの一部に過ぎない。動物界は37種類の門に分けられるが、セキツイ動物はこのうち1門の、さらに1亜門にしか過ぎない。無セキツイ動物は他の36門を占めるほど多様だ。
動物界の37門とは? ( )は主な生物例
海綿動物門(カイメン、カイロウドウケツ) 平板動物門(センモウヒラムシ)菱形動物門(ニハイチュウ) 直泳動物門(キリオキンクタ) 刺胞動物門(クラゲ、サンゴ) 有櫛動物門(クシクラゲ) 扁形動物門(プラナリア、キュウチュウ) 紐形動物門(ヒモムシ) 顎口動物門 腹毛動物門(イタチムシ、オビムシ) 輪形動物門(ワムシ) 鉤頭動物門(コウトウチュウ) 内肛動物門(スズコケムシ) 外肛動物門(コケムシ) 箒虫動物門(ホウキムシ) 腕足動物門(ホオズキガイ) 星口動物門(ホシムシ) ユムシ動物門(ユムシ) 舌形動物門(シタムシ) 毛顎動物門(ヤムシ) 有鬚動物門(ヒゲムシ、ハオリムシ) 有輪動物門(シンビオン) 微顎動物門 環形動物門(ミミズ、ゴカイ) 軟体動物門(貝類、イカ、タコ) 線形動物門(回虫) 類線形動物門(ハリガネムシ) 鰓曳動物門(エラヒキムシ) 胴甲動物門(コウラムシ) 動吻動物門(トゲカワ) 緩歩動物門(クマムシ) 有爪動物門(カギムシ) 節足動物門(昆虫類、甲殻類) 珍渦虫動物門 棘皮動物門(ヒトデ、クモヒトデ、ナマコ) 半索動物門(ギボシムシ) 脊索動物門(ホヤ、セキツイ動物)
参考HP Wikipedia「動物」「セキツイ動物」「無セキツイ動物」「生物の分類」
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