糖尿病とは何か?
糖尿病は、糖代謝の異常によって起こるとされ、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が病的に高まることによって、様々な特徴的な合併症をきたす危険性のある病気である。一定以上の高血糖では尿中にもブドウ糖が漏出し尿が甘くなる(尿糖)ため糖尿病の名が付けられた。
糖はエネルギーとして、体に有益な物ではないのだろうか?
ブドウ糖が脳をはじめとした各器官の主要なエネルギー源となるのに対し、一方で組織の糖化ストレスをもたらす有害物質として働く。血糖が上昇したときの調節能力(耐糖能)が弱くなり、血糖値が病的に高まった状態になると、怖いのが合併症だ。
糖尿病の合併症とは何か?
血液中に糖が増えると、血管の壁に付着し細胞を破壊する。すると血管が出血し、血が固まることによって血管を塞ぐ、こうして血が通わなくなると組織が死に始める。足の血管で血栓ができた場合には足壊疽を起こし切断する場合もある。
こうした症状は毛細血管でおきやすく、動脈硬化も伴って、脳の毛細血管で起きれば脳梗塞、心臓の毛細血管で起きれば心筋梗塞などを発症する。眼や腎臓にも毛細血管がたくさんあるため、網膜症により失明したり、腎臓病になり人工透析を必要とする体になることもある。
5人に1人は糖尿病の危険性
2008年12月、厚生労働省は「2007年国民健康・栄養調査結果」を発表し、糖尿病の疑いがある人は全国で推定2210万人に上るとした。
2006年調査と比較すると300万人以上増えた。同省は「運動不足や食生活の乱れが改善されていないことが原因」と分析している。
1997年調査と比べると6割も増加している。年代別の人口に占める割合は70歳以上が約38%、60代約35%、50代約27%、40代約15%、30代約6%、20代が1%だった。(2008年12月26日 読売新聞より)
インスリンのはたらきと肥満
インスリンは、すい臓に存在するランゲルハンス島から分泌されるペプチドホルモン。インスリンが分泌され、血液中に増えると、血管近くの細胞の受容体に結合し、血管中の糖分は細胞に取り込まれる。細胞で糖が燃焼されないと、余分な糖分は脂肪に変えられ、脂肪細胞に蓄えられる。さらに脂肪細胞の受容体にも、インスリンが結合し、糖は脂肪に変えられ、直接脂肪細胞に蓄えられる。
こうして、体の脂肪分が増えた人は、体重が増え(肥満)、血糖値が高くなり、糖尿病になりやすいといわれる。
実際に、太りすぎはよくない。脂肪細胞にも限界があり、これ以上糖が吸収できないとなると、細胞はインスリン阻害物質を出す。こうするとインスリンはもはや細胞の受容体に結合できず、血糖値が上がり続ける。こうして合併症が引き起こされるのだ。
太りすぎの指標「BMI」
ボディマス指数( Body Mass Index, BMI)は、体重と身長の関係から算出した、ヒトの肥満度を表す指数である。
身長をt[m]、体重をw[kg]としたとき、BMIは「w[kg]÷t[m]÷t[m]」
日本肥満学会によると、BMIが22の場合が標準体重である。BMIが25以上の場合を肥満、BMIが18.5未満である場合を低体重とする。
BMIの計算式は世界共通であるが、肥満の判定基準については国により揺らぎがあり、アメリカでは25以上を「標準以上(overweight)」、30以上を「肥満(obese)」としている。
参考HP Wikipedia「糖尿病」「インスリン」「BMI」・厚生労働省「糖尿病ホームページへようこそ」
糖尿病は薬なしで治せる (角川oneテーマ21) 渡辺 昌 角川書店 このアイテムの詳細を見る |
糖尿病治療ガイド〈2008‐2009〉 文光堂 このアイテムの詳細を見る |
��潟�<�潟��