科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、最新科学ニュースをくわしく調べ、やさしく解説!みるみる科学がわかります。
肥満は糖尿病の原因だが
メタボリックシンドロームが、私たちの健康のバロメータとして、ふだんの生活の中で意識されるようになった。肥満が、さまざまな病気の原因になることがわかったからだ。

糖尿病もその一つ。肥満になると細胞に脂肪が蓄えられて、インスリン阻害物質を生成。その結果インスリンが働かなくなり、血液中の糖は吸収されず、糖尿病になる。

肥満の起源は1300万年前の「農耕の開始」により始まったとされる。アフリカの「狩猟民族・サハ」には未だに肥満が見られないからだ。ところが最近、肥満とは関係ない糖尿病が注目されている。

日本の糖尿病75%は肥満とは無関係
NHKの“病の起源第5集「糖尿病」”では、最近の研究でわかった、新しいタイプの糖尿病について分かりやすく解説している。

世界では20億人が肥満だとされる。20億人は糖尿病の危険性が高い。しかし、日本人の糖尿病患者のうち75%は肥満ではないと聞くと驚かされる。なぜなのだろうか?

これは、日本人の体質と食生活の変化が原因だと考えられている。日本人はインスリンの分泌量が少ない。インスリンは糖を細胞に取り込み、脂肪として蓄えるから、インスリンの少ない日本人は、もとから太りにくい体質なのだ。

糖尿病とインスリンの関係
およそ140年前の明治維新(1868年)以降、日本にやってきたのが西洋文明の食事いわゆる「洋食」。欧米人は肉をよく食べる。肉の脂肪分を多量に吸収し、これを脂肪細胞に蓄えるために「インスリン」は働く。

このため欧米人は、もとから「インスリン」の分泌量が多い。これはヨーロッパで7000年前に始まった、牧畜に伴って獲得した体質だ。

日本に脂肪の多い「洋食」が入ってきてから、わずか140年。まだ体質の変わらない日本人は脂肪をとり過ぎても、肥満にならず、糖尿病や高脂血症などになる人が多くなった。そういう私も最近、高脂血症と診断されている。

質素な食生活がつくる糖尿病体質
質素な日本人の食事は糖尿病にはよかったのだ。ところが、質素な食事が行き過ぎても糖尿病が起きることが、最近わかった。人間の体は複雑だ。

それは、都市の経済発展が著しい、現代インドで見られる。幼少期、農村で貧困な生活を送った人が、大人になって食べ物の豊かな都市で生活すると、糖尿病になるケースが多く見られる。幼少期の質素な食事により、インスリンが少ない体質になるからだ。

行き過ぎたダイエットがつくる糖尿病体質
そして、それは食糧の豊かな、現代日本でも見られるというから驚く。なぜなんだろう?

それは、行き過ぎたダイエットが原因。やせすぎの女性からは、筋肉量が少なく、すい臓の小さい「赤ちゃん」が生まれてくる。筋肉量が少ないと、糖の消費量が少なくなるし、すい臓が小さいと「インスリン」の分泌量が少なくなる。糖尿病になりやすい体質はこうして作られていく。

太りすぎてもダメ、痩せすぎてもダメ、やはり健康の基本である「適度な運動とバランスのとれた食事」が大切なことを再認識した。

参考HP NHK病の起源第5集糖尿病〜想定外の“ぜいたく”〜」 

インスリン療法マニュアル

文光堂

このアイテムの詳細を見る
これなら簡単 今すぐできる外来インスリン導入
弘世 貴久
メディカルレビュー社

このアイテムの詳細を見る

ブログランキング・にほんブログ村へ  ランキング ←One Click please