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不妊とその原因
「不妊」とはWHOによる定義では「避妊をしていないのに2年以上にわたって妊娠に至れない状態」となっている。なお、妊娠に至れない状態を原発性不妊、一度以上の妊娠・分娩後妊娠に至れない状態を続発性不妊と区別する場合もある。

日本では正常なカップルでは妊娠を希望し性生活を行った場合は6か月以内65%、1年で80%、2年で90%、3年で93%が妊娠にいたるとされている。よって日本においては、妊娠を望んでいるカップルの約10%が不妊症であるとされている。

「不妊」の原因は女性の年齢によっても異なる。妊娠率の推移をみると、だいたい、20代後半から30代前半くらいから低下する。30歳であれば、1周期当たりの妊娠率は約20%とされているのが、40歳になると5%にまで低下する。これは女性は卵巣に、数百万個の卵子のもとを持って生まれ、しだいに減少、思春期に30万個ほど成熟し、あとは年齢とともに劣化することが原因と考えられる。晩婚化が不妊に結びついているのは間違いがない。

NHKスペシャル「女と男・第3回」精子の劣化
しかし、NHKで2009年1月18日(日)に放映された「女と男・第3回」では、むしろ男性側の精子の方に問題を感じさせる内容であった。

番組の中で、顕微鏡で、野生動物のオスの精子の元気のよい映像を見た後、人間の精子の映像を見ると、ほとんどが動きがなく、瀕死状態で元気がないように見えて、これには驚かされてしまった。

「これで本当に、子孫が残せるのか?」と自然に思うほどであった。この原因は、精子に競争のある、自然界の野生動物と違って、一夫一婦制を取った、ヒトの選択の結果であった。人類の精子には競争がなく、運動性が必要なくなったからだと思われる。

2005年にコペンハーゲンで開かれた欧州ヒト生殖学会議(ESHRE)での報告によると、被験者2,100人を対象としたリサーチで、45歳超の男性の精子DNAの損傷はそれ以下の年齢グループに比して有意に高く、30歳未満の男性との比較では2倍の違いがあった。男性の精子の方も年齢とともに劣化が始まる。

年齢と流産の可能性
また、不妊については年齢とともに、流産の割合も増加する。

40歳以上では自然流産の確率は25%と高くなる。これは染色体異常の頻度が高くなるためである。女性は加齢を重ねると、それだけ生まれつき持っている、卵母細胞が古くなっていく。この間に物理的、化学的刺激によって染色体、遺伝子に異常が生じるため流産が起こりやすいくなると考えられている。

なお、流産をするということは、最低限、卵細胞が精子と受精し着床できていることを示している。実際には加齢によって卵母細胞に異常が生じていると、受精、着床が不可能な場合も出てくる。この場合、流産とカウントされない(妊娠をしないから)。よって一般に加齢を重ねると妊娠もしにくく、流産もしやすく、胎児に影響も出やすいといえる。

こうした状況のため、必要に迫られて不妊治療は発達してきた。現在どのような不妊治療がされているのだろうか。

不妊治療の方法


タイミング法
タイミング法とは、不妊治療の一種である。基礎体温や尿中または血中のエストロゲンや黄体化ホルモンを測定して、排卵日の予測を行い、その排卵日の前日(前後)に性交渉を行う方法である。

原因不明の不妊については、タイミングの不一致である可能性が高いとされる。そのため薬物や外科的手段を用いる方法は母胎への影響がないとはいえないので、はっきりした原因が不明である段階ではタイミング法を指導されることが多い。

人工受精
手法として、精子を注射器のような器具を用いて子宮内に注入することによって行われる。精子は用手法で採取し精子洗浄濃縮法にて運動精子を抽出してから投与するのが一般的である。排卵誘発法によって卵巣過剰刺激症候群(OHSS)となるリスクがある。

日本の場合、人工受精は配偶者間人工授精(AIH)を行う。非配偶者間人工授精(AID)という方法もあるが、日本では認められていない。しかし、海外では精子の仲介をするビジネスが盛んである、インターネットでリストから希望する男性の精子を注文することが出来る企業のサイトも存在し、凍結された精子を自宅で受け取り、自宅で人工授精をすることも出来るという。

体外受精
外部に取り出した卵と精子を体外で接触させ人為的に受精を行ったのち、培養した胚(受精卵)を子宮内などに戻して妊娠を図る手法である。

通例、精巣中に精子が存在しても精液中に精子が存在しない場合・卵管の傷害によって卵子の通過が行えない場合など、人工授精によって妊娠に至れないほどの障害がある場合に適用される。この手法のことを、「試験管内受精(IVF)」、いわゆる「試験管ベイビー」と呼ぶことがある。

また、卵子に直接精子(もしくは精核)を注入して受精を行わせ、受精卵を得る方法を特に顕微受精と呼ぶ。非常に精子の活性や数が低い場合に行われる。

参考HP Wikipedia「不妊」「人工授精」「体外受精」 ・NHKスペシャル「女と男」男が消える?人類も消える?  

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市川 茂孝
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