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ルーリンすい星 今週最接近へ
2月24日に「ルーリン彗星」という彗星(ほうき星)が地球に最接近する。その前後では、4〜6等の明るさとなり、空の暗い場所では肉眼で見えるかもしれないと期待されている。

2月20日には、埼玉県で「彗星はまだ暗いが、目を慣らせば土星とスピカの中間あたりにぼんやり見える」と国立天文台に報告があった。神奈川県、相模原市では「近くの明かりだけではなく、横浜方面の明かりがとても明るいいせいか、双眼鏡でボーッと霞んだようにしか見えなかった」という報告。

どうも、双眼鏡があったほうが見やすいようだ。再接近の24日には、夜8:00頃に東の空を登る、「土星」のすぐ近くにあり、27日には「しし座」レグルスの近くにある。もし、夜晴れていたら一度は見てみたい。なにしろ、これだけ明るくなるのは2006年4月のシュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星以来、約2年ぶりのことである。

国立天文台HPで最新情報を確認
国立天文台によると、ルーリン彗星は、今月24日ごろに地球と太陽の半分弱の6100万キロの距離まで最接近し、その前後、数日間は、4等級から6等級ほどの明るさになると予想されている。

地球からみると、太陽の反対側を通るため、すい星に特有の長い尾は観測が難しいとみられているが、郊外で十分な暗さがあれば、肉眼でも見える可能性があるという。

国立天文台の渡部潤一准教授は「明るく目立つ土星の近くを通るので、土星を目印に見つけるとよいです。双眼鏡を使うとよく見えるので、ぜひ夜空を見上げてほしい」と話している。

この地球最接近を中心とした前後10日間、2009年2月20日の夜から3月1日の夜(2日の明け方)にかけて、国立天文台では「ルーリン彗星見えるかな?」キャンペーンを行っている。今回の彗星についての情報もくわしく分かるので、ホームページを参考にしてほしい。

ルーリン彗星とは何か?
ルーリン彗星(C/2007 N3)は、2007年7月に台湾のルーリン(鹿林)天文台の41cm望遠鏡による観測で発見された彗星です。太陽系外縁部から来たと推定されていて、軌道周期は数万年以上もある。

1月11日には太陽に約1.2天文単位(1天文単位は地球から太陽までの距離)まで接近した。今後は地球に近づき、それに伴って明るさおよび星空の中を移動する速度も大きくなっていく。地球への最接近は2月24日で、距離は0.4天文単位。

数千年から数万年かけて太陽の周りを回っているとみられるルーリン彗星。地球に接近する際、ちょうど太陽の反対側を通っていく。最接近直後の2月26日が衝(太陽・地球・ルーリン彗星が一直線に並ぶ)なので、彗星がもっとも明るい時期には一晩中観察できる。

群馬県の「県立ぐんま天文台」では、大型の反射望遠鏡を使って、彗星がどんな成分でできているかを調べた。その結果、中心部分の核は氷で、中にアセチレンやアンモニアなどが含まれ、ハレーすい星とほぼ同じ成分だったという。

「C/2007 N3」は、仮符号(かりふごう)と呼ばれる符号。「C/」は(周期彗星ではない)彗星を意味し、「2007 N」は2007年7月前半に発見されたことを意味する。つまり「C/2007 N3」は「2007年7月前半の3番目に発見された彗星」を意味する。

彗星の仮符号についてははこちら → 国立天文台「彗星の仮符号」
彗星の場所についてはこちら → 国立天文台「今日の星空」 

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