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 最古の動物化石発見
 2009年は、進化論で有名なダーウィン生誕200周年。地球や生物の歴史を振り返るのは興味深い。  

 先日、米カルフォルニア大などの研究チームが、中東オマーンの沿岸で、約6億3500万年前の堆積層から海綿動物に特有の化学物質の化石を発見した。動物では最古の化石とみられる。英科学誌ネイチャーに発表した。

 従来の学説では、約6億年前まで地球は「スノーボールアース」と呼ばれた氷河時代で、その後徐々に温暖化し、5億5000万年前ごろから動物が爆発的に増えたと考えられていた。

 今回の発見は、地球全体が凍結していた氷河時代にもかかわらず、動物が存在していた証拠と言えるため、従来の学説に変更を迫る可能性があるという。(出典: ‎2009年2月23日‎毎日新聞) 

先カンブリア時代顕生代
冥王代始生代原生代古生代  
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

 地球誕生から古細菌・藍藻の誕生まで
 地球が誕生したのは、約46億年前。地球上で生命はいつごろ姿を現し、動物はどのように進化したのだろうか?

 約35億年前、地表が冷えた後比較的早い段階に、単細胞生物は現れたと考えられている。最も古い生命体とされるメタン生成菌がこのころ存在し、メタンを発生した証拠が岩石中に発見された。

 2006年3月、東京工業大学の上野雄一郎助手(地球科学)らは西オーストラリア・ピルバラの約35億年前の古い地層で、石英に閉じ込められていた気泡の中に生物が作ったメタンがあることを突き止めた。

 32億年前には、光合成をする藍藻(シアノバクテリア)が出現する。これはストロマトライトとして痕跡を残した。海中に酸素を供給しはじめ、27億年前にはシアノバクテリアが大量発生した。

 先カンブリア紀からカンブリア大爆発まで
 8億〜6億年前、先カンブリア紀の終わり頃、全地球が氷に覆われた「スノーボールアース」という時代があったことが、最近の研究であきらかになった。これは1992年にカリフォルニア工科大学のジョー・カーシュヴィンク教授が発表したのが発端である。

 6億〜5億5千万年前、先カンブリア時代末期、最初の多細胞動物が出現した。エディアカラ生物群と呼ばれる化石として、当時クラゲや軟体性の動物が存在したことがわかっている。

 5億4200万年前、カンブリア紀に入ると、とつぜん多くの動物が出現した。これをカンブリア爆発という。この期間に現代の全動物の体制(門)のほとんどが見つかっている。

 セキツイ動物「魚類」の出現
 地球上に魚類の祖先が出現したのは、おそらく約5億年以上前のカンブリア紀の海の中であろうといわれている。それは、ヒトデやウニといった棘皮動物の幼生に似た形のものから発生したと思われる。

 現時点で、最古の魚類である無顎類(むがくるい)とみなされているアナトレピスの化石が、1976年ノルウェーのスバールバル諸島で発見されたが、この魚は約5億1000万年前のカンブリア紀後期には生息していたらしい。

 約4億4000万年前〜3億7000万年前、古生代シルル紀からデボン紀にかけて、魚類は爆発的な進化をとげた。この期間に、現生の魚類につながる種が数多く出現したことが化石からわかる。このためデボン紀は「魚類の時代」といわれている。

 セキツイ動物「両生類」の出現
 約4億年前、デボン紀後期、両生類が最初に出現する。当時の自然環境は、気候が次第に寒冷化し、乾燥化と氷河期が続いた。

 この乾燥化の中で淡水魚が上陸を果たした。また、両生類には草食性の種がいないので、先に大陸への上陸を果たした昆虫などの無脊椎動物を追って、陸に上がったという説もある。最古の両生類はデボン紀後期に出現した「イクチオステガ」。次の石炭紀(3億6000万年〜2億9000万年前)前期には両生類時代が始まる。

 セキツイ動物「爬虫類」の出現
 3億6000万年、石炭記には最初の爬虫類が出現している。最古の爬虫類(双弓類)は、スコットランドで発見された石炭紀前期の「ウエストロシアーナ」(体長15cm)である可能性が高い。

 ペルム紀(2億9000万年〜2億5100万年前)に入ってから爬虫類は多様な進化を見せる。この時期に大陸地域が隆起を始め、石炭紀の一様性に代わって多様な気候条件と生活環境が出現し、変化に富む環境条件の中で爬虫類が急速に多様化する。

 最古の哺乳類型爬虫類(単弓類)は、石炭紀後期に現れた「アーケオシリス」(体長50〜100cm)で、すべての哺乳類の共通祖先と言われている。「アーケオシリス」は生息地が北米で、熱く湿った森林のなかに生息しながら、シダ類やヒカゲノカズラ類の茂みで昆虫や無脊椎動物を食べていたと見られる。

 セキツイ動物「哺乳類」の出現
 約2億2500万年前、中生代三畳紀、最古の哺乳類といわれるアデロバシレウスが出現する。アデロバシレウスは現在のトガリネズミのような外見であったと思われている。

 恐竜の全盛時代であるジュラ紀、白亜紀の哺乳類はネズミほどの大きさのものが多かった。しかし進化が停滞していたわけではない。白亜紀前期には、すでに有胎盤類が登場している。また、中国から発見された大型の哺乳類の化石(胃の辺り)から未消化の恐竜の子供が見つかっている。これは、哺乳類が恐竜を捕食していたということになる。


 参考HP Wikipedia「地質時代」「エディアカラ生物群」「カンブリア爆発」・理科教育のためのWeb教材集「
高校理科総合B 

カンブリア爆発の謎 ~チェンジャンモンスターが残した進化の足跡 [知りたい!サイエンス] (知りたい!サイエンス)
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