北極と南極の違いとは何か?
北極と南極の違いは何だろう? 共通点は多い。地の果てであって寒い、太陽高度が低い、白夜がある、極夜がある。オーロラがある...などなど。では北極と南極の違いはどうだろう?
正解は、北極と南極では、すんでいる生物が違う。北極は海であるが南極は大陸である、最低気温が違う、南極の方が寒い。氷山の形が違う...などである。
海洋生物の分布を地球規模で調べる「海洋生物センサス」を進める国際グループが15日、北極と南極の海に235種もの同一とみられる生物が生息していたと発表した。
両極に共通の生物とは?
長距離の移動ができるクジラや渡り鳥もいたが、数センチの節足動物(エビやカニなどの仲間)や軟体動物(巻き貝などの仲間)など、長距離の移動ができない生物も含まれていた。具体的な生物の名前は「ミジンコ」「ミジンウキマイマイ」「クリオネ」などである。「なぜ1万キロ以上も離れたところにいるのか」と研究者を驚かせている。
海洋生物センサスは、日本など80カ国以上の数千人の研究者が携わり、2010年の調査結果公表に向けて調査を進めている。 両極の調査もその一環で、2007〜2008年、南極の海で確認した7500種、北極の海で確認した5500種のうち、少なくとも235種が同一種らしいと判明。
今後、DNA分析で同一種の確認をとり、なぜ同じ生物が二つの極地に分かれたのか、その起源に迫る。 また今回、冷たい水を好む海の生物が極域に向けて移動していることもわかった。グループは、地球温暖化に伴う海水温の上昇の影響と考えている。 (出典:2009年2月18日 読売新聞)
なぜ、ホッキョクグマは南極にいないのか?
同じ極地でもホッキョクグマは主に北極域に、ペンギンは主に南極域にすんでいる。 この理由は何だろう?
正解はクマが地球上に現れる遥か以前に、南極大陸は歩いては渡れない所に移動してしまっていたからである。
恐竜全盛時代の中生代白亜紀には、南極大陸とオーストラリア大陸は地続きだった。そのころは温暖な気候だった南極も、新生代・第三紀には南極大陸はオーストラリア大陸と完全に分離し、南極の寒冷化が始まる。
一方、アジアとヨーロッパは地続きになっているが、氷河期には北米大陸もアジアと地続きで、3つの大陸には、共通した哺乳類のなかまが観察できる。 現生のクマ達の祖先が、地上に現れたのは、新生代・第4紀でごく最近のことなのだ。
北半球で生まれたクマ達は、南極に辿り着く道筋がなかった。逆に天敵のいなくなった南極ではペンギンが繁殖したのだ。
なぜ南極の方が北極より寒いか?
冬の平均気温は、北極は-20℃〜-30℃、南極は-30℃〜-50℃と南極の方が寒い。 北極の氷の下は海で、氷は海にうかんでいるため、海水の熱でいくらか温められている。それに比べて、南極の氷の下は、南極大陸とよばれる陸地。しかも、陸地をおおっている氷を氷床と言うが、その厚さは平均約2450m。厚いところでは4000m以上もある。
つまり南極は、海面を0mとするとその高さは平均約2300mもある高地。日本の山でいえば、北海道の大雪山(2290m)と同じくらいであり、高い場所のほうが、気温は下がる。 このように北極と南極は、その地形の違いから、気温の差が生ずるのだ。ちなみに 今まで記録されている世界最低の気温は、-89.2℃。1983年の7月、南極大陸にあるロシアのボストーク基地で観測された。
このような地形の違いは氷山の違いにも現れている。南氷洋では、南極大陸から押し出された棚氷により形成されるため、上面の平らな台状を呈し、巨大なものが多い。北大西洋では氷河が海に流れ込んでできるので、とがった山型の形状のものが多い。
参考HP 海洋生物のセンサス・Wikipedia「北極」「南極」
北極・南極―極地の自然環境と人間の営み バーナード ストーンハウス 朝倉書店 このアイテムの詳細を見る |
北極と南極の100不思議 神沼 克伊,和田 誠,東 久美子,麻生 武彦,渡邉 研太郎 東京書籍 このアイテムの詳細を見る |
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