火災報知器のしくみ
地震や火災などに対する危機管理体制は、しっかりと把握しておかねば、イザというときに想定外の被害をまねくことになる。 例えば、火災報知器のしくみはどうなっているかご存じだろうか?
火災報知器は、感知器、発信機、受信機、音響装置からできている。聞かれてみると、意外に答えられないのではないだろうか?
感知器を用いて火災により発生する熱や煙を自動的に検知したり、発信機のボタンを押すことで受信機、音響装置(ベル)を鳴動させて建物内に報知することにより、避難と初期消火活動を促す設備である。
消防法と条例により、一定面積以上の建物や店舗がある雑居ビル・重要文化財などの防火対象物に設置が義務付けられている。
感知器とはなにか?
とくに、火災の時の第一報である、炎や煙などを、検出して一刻も速く知らせる感知器のしくみは大切である。感知器はいったい火災の何を感知するのだろうか?
正解は、熱や煙や炎である。感知器には感知する対象によって、3つの種類がある。
まず、熱感知は火災の「熱」を感知する。これにはバイメタルやサーミスタ、ダイアフラムなどが使われている。バイメタルは熱によって曲がる「金属」を使用している。
サーミスタは温度変化に応じて電気抵抗が変化する「半導体」を使用している。温度変化を電気信号に変えて感知する。
ダイアフラムは「隔膜」という意味で、隔膜内部の空気室に閉じ込められた空気が熱で急激に膨張することにより、機械的に電気接点が閉じ、発報する。
煙感知は火災の「煙」を検知するもの。これにはスポット型と分離型がある。
スポット型は感知器内に火災の煙が入ってくると、数秒おきに点滅している光源の光が煙に乱反射されるので、この光を受光素子で検出する。
また光の代わりに放射線を使う検知器もある。これには放射性物質アメリシウム241を用い、空気の電離状態の変化で煙を感知する。
分離型は光を発する送光部、光を受ける受光部のセットで構成され、送光部から発する光を煙が遮ることによる受光量の変化を検知し発報する方式。広い空間を検知したい場合に使用される。
炎感知は炎が発する特有の「光」を感知する。これには赤外線を検知するものと、紫外線を検知するものがある。
発信機とは何か?
人が火災を発見した場合、手動で火災信号を発信する装置。 屋内消火栓の消火ポンプを起動するスイッチを兼ねる場合もある。
押しボタンを押すことによって火災信号を発信するもので、受信機との通話用電話ジャック(写真の丸い穴)および火災信号が受信機に伝わったことを確認するランプを備えたもの。
受信機とはなにか?
建物の防災センターや管理室などに設置される。
感知器や発信機からの火災信号を受信し、主音響(ブザー)と地区表示により、火災の発生とその場所を管理者に知らせるとともに、建物内に設置された地区音響装置(ベル)を鳴動させ、避難と初期消火活動を促す装置である。
さらに、火災信号を受け、屋内消火栓のポンプを始動する、防排煙設備の防火扉や防火シャッター等を制御する、通報装置と連動し警備会社へ通報する等、他設備と連動するための信号も出力する。
音響装置とはなにか?
建物内の各所に配置され、受信機が受信した火災信号を受けて鳴動するベル。 建物全体に火災を知らせ、避難と初期消火活動を促す。 なお最近では、音声警報機能を持つ非常放送設備を受信機に連動させ、自動的に音声警報音を放送するシステムで地区音響装置の代用とする例が多い。
参考HP Wikipedia「火災報知器」・自動火災報知設備
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