火災検知器の問題点
火事の時には一刻も速く、火に気づき消化することが大切である。火災報知器の感知器の火事を感知する方法には3つの方法があり、熱や煙や炎を感知する方法がある。
どの方法が一番速いかといえば、もちろん「炎」であり、光の感知である。光より速いものはこの世に存在しない。
炎の出す光には他の光と違う特有の波長が出る。そのうちの赤外線や紫外線を感知して火事の発生を知らせる。しかし、赤外線や紫外線は太陽光やハロゲン灯や水銀灯などの照明にも含まれており、どうしても誤作動が起きる問題があった。
新しい紫外線検知器
今回、京都大学と日本軽金属株式会社が共同で新しい炎感知器を開発した。新しいセンサーは、自然界に存在しない波長270nm(1mmの約1/4000)以下の紫外線を検出する性能を持つ。
そのため、炎から照射される特有の波長250nm付近の微弱な紫外線に対して十分な検出感度を持つ。たとえば、蛍光ランプの強い照射下で、数10cm離れたライターの炎を検出することができる。
これまで紫外線を感知するセンサーはあったが、どれも高価なものであるうえに、高電圧を必要としていて、一般家庭用には適さなかった。
酸化ガリウム半導体
一方、今回開発されたセンサーは、酸化ガリウム半導体を用いており、その構造は、表面を熱処理して紫外線の検出層を設けたもの。基板の熱処理のみで紫外線センサーを形成することで、価格を抑えることができた。一般家庭にも導入可能な低コストと高性能の両立を達成した。すばらしい研究成果だ。
それにしても自然界に満ちあふれている「光」の中から炎の「光」を検出するしくみはどうなっているのだろう?
赤外線感知器の場合、発生する光のうち、炭酸ガス(CO2)から共鳴放射される、波長4400nm付近の赤外線を検出する。 また、炎から発生する赤外線は、人工照明や高温物体から放射される赤外線のように安定せず、ちらつく(ゆらぐ)特徴があるので、火災との区別に利用されている。
紫外線感知器の場合は、炎から発生する光のうち、波長250nm付近の紫外線を検出する。この波長は自然界では「炎」の他には存在しない。これまで検出素子には、UVトロンと呼ばれる外部光電効果を利用した放電管が使用されていた。今回新しく、酸化ガリウム半導体を利用した、高性能・低コストのセンサーが生まれた。
なぜ炎は光を発するか?
ところで素朴な疑問だが、「炎」はなぜ光を発するのだろうか?
炎の発する光の波長の強さの特徴を計測したものをスペクトルという。炎の放つ光は燃焼中に生じるC-H結合やC-C結合の振動やCの固体輻射などによって構成されている。スペクトルを測ることでその炎の放つ光の構成要素がわかる。
物質が燃焼して炎が出るときには、様々な原子の分解や結合が起きている。このとき原子と分子が励起しエネルギーが放射され、光となる。
このときの光の波長は、原子の種類と組み合わせによって決まる。
例えば酸素原子「O」と水素原子「H」の結合では、306nm、314nm、268nmの波長の光を出す。「C」と「H」では431nm、「C」と「N」では388nm、「C」と「C」では516nm、470nmといった具合だ。今回の新型感知器は、このうちの268nmの波長を感知するという。
参考HP 岐阜県立岐山高等学校「なぜ、炎は光を発するのか?」
京都大学プレスリリース「好感度炎センサの開発に成功」
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