核燃料輸送は各地で反対
フランスから輸送されているMOX燃料。こういう原子力燃料の輸送は各地で反対されている。そのため、いつどこに着くか、どのようなルートを通るかなどの詳しい情報は公表されていない。高い輸送費を出し、危険を冒して輸送するよりも、日本でMOX燃料をつくれば一番よいのだが、この国は違う。
原子力について、何かしら問題が起き、国会で議論しても、危険かどうかと問われれば、100%、永遠に危険なので、ほとんど賛成意見は出ない。しかも、日本は世界で唯一の原子爆弾被爆国だ。
2007年7月、新潟県中越沖地震が起き、柏崎原子力発電所がストップすると、耐震構造の不備が問題となった。このとき地震で損傷を受けた部分は一般設備ばかりで、原子炉の安全性には問題がなかったにもかかわらず、2009年3月現在、運転再開されていない。
遅れるプルサーマル計画
プルサーマル計画についても、2000年、MOX燃料の製造を委託していた英国会社の品質管理データ改竄かいざんが発覚。以後、安全性論議が続き、わが国のプルサーマル実施はずっと延期されてきた。
プルサーマルは、原発の使用済み燃料から取り出したプルトニウムをウランと混合し燃料として使う方法で、ウラン燃料を1〜2割も節減できる。ウラン資源は有限であり、エネルギー資源の大半を海外に頼るわが国としては、核燃料サイクル確立のためにもプルサーマルは欠かせない。
電気事業連合会の森本宜久副会長らは3月9日、青森県庁の蝦名武副知事を訪ね、6日に新たなプルトニウム利用計画を公表した際、「2010年度までに16〜18基で導入」との記述を削除した点に触れ、「基本計画はいささかも変わらない。(計画を)後退させたかのごとく受け取られる事態を招いたことをおわびする」と謝罪し、目標に変わりがないことを強調したという。本当に実現可能なのだろうか?
遅れる再処理工場稼働
一方、青森県六ケ所村に建設中の再処理工場の8月稼動も待たれる。今回、使用済み核燃料をフランスに送り、再処理を委託せざるを得なかったのは、同工場が未完成のためだ。約70日の搬送期間やその安全性確保を考慮すると、自前の再処理工場の必要性を痛感する。
日本全国の原子力発電所で燃やされた使用済み核燃料を集め、その中から核燃料のウランとプルトニウムを取り出す再処理工場。最大処理能力はウラン800トン/年、使用済燃料貯蔵容量はウラン3,000トン。2008年の本格稼動を予定して、2008年2月現在はアクティブ試験という試運転を行っている。試運転の終了は当初2009年2月を予定していたが、相次ぐトラブルのため、終了は2009年8月まで延期されることが1月に発表されている。
わが国はエネルギーの安定供給の確保のため、戦後一貫して原発政策を進めてきたが、さらに二酸化炭素の排出を減らし地球温暖化を防止するためにも原発の稼働は重要な手だての一つになる。プルサーマル計画はこれ以上延ばすべきでないと思う。
参考HP Wikipedia「プルサーマル」「原子力発電」・北陸電力・四国電力
プルサーマルの科学―21世紀のエネルギー技術を見通す (朝日選書) 桜井 淳 朝日新聞社 このアイテムの詳細を見る |
プルトニウム発電の恐怖―プルサーマルの危険なウソ 小林 圭二,西尾 漠 創史社 このアイテムの詳細を見る |
��潟�<�潟��